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EQ(心の知能指数)を読み解くVol.1「感情は衝動」

2019年、ハーバードビジネスレビューにて関連書籍シリーズが発行される等、最近、EQ(心の知能指数)への注目が高まっています。

なぜ注目が集まっているのか。
著書には、神経生物学的データが増えたおかげで、
心の働きが解明されてきたという科学的な側面に加えて、

理屈や合理性のみを追求する事に行き詰まりがあるからかもしれません。

私から見ると
「感情や内面という分かりにくいが、非常に尊いものを
データに基づいて理論化している」
という部分に価値があると思います。

そんなEQについて、今後数回にわたって、
示唆的な内容を紹介していきたいと思います。

感情の語源

感情とは何でしょうか。
著書には

感情はすべて本質的には行動を起こそうとする衝動であり、進化の過程で私たちの脳に刻み付けられた反射的な行動指針だ

とあります。

そもそも語源は

「動くこと」を意味するラテン語の”metero”に「分離」を意味する接頭語の”e”がついたものだ

だそうです。

そのため、
感情は何かしらの行動を喚起する機能を備えています。

感情の行動喚起例

いくつか、「成程!」と思うものがあったので、紹介します。

怒りを感じると、血液は両手に集まる。武器を握ったり、敵に殴りかかったりするための準備だ、心拍数が上がり、アドレナリンなどのホルモンが一気に増加して、激しい動作に必要なエネルギーを創り出す

怒りは戦闘準備なんですね。

これを読んで思い出したのは、
子供の頃の喧嘩です。体格差をものともせず殴り合った事がありましたが、
これができたのは、怒りという感情があったからなのだなぁと。

恐怖を感じると、血液は両足などの大きな骨格筋に流れて、逃げる準備をする。顔は血の気が引いて青白くなる。同時にほんの一瞬身体が凍り付いたように動かなくなる。この間に逃げるべきか隠れるべきかを決断する。

恐怖は止まるんですね。
確かに、木登りで「これやばい」って感じたときに
フリーズした記憶があります。

愛情や優しい気持ちや性的な満足感には、副交感神経系を覚醒させる働きがある

いわゆる、オキシトシンと呼ばれるものですね。
愛情には癒しの力があると言われていたりしますが、
神経的にはそういうロジックなんですね。

嫌悪感を示すしぐさは世界共通だ。何か嫌なものを食べた、嫌なにおいをかいだという顔。鼻にしわを寄せ、上唇をゆがめてめくりあげる表情。原始時代の人間が有害な臭気に対して、鼻孔を閉じるしぐさ、有毒な食物を口から吐き出すしぐさの名残だ

これ、一歳の自分の娘も嫌いなものを食べたときに、
「ぶ~!!」とやります。

道端で、食べれないものを食べそうになったときは、
親の私が、「ぶ~!!」とやっています(笑)

悲しみがもたらす生理学的変化は、親しい人の詩や深い失望など、心の大きな痛手に適応するのに有効だ。悲しみを感じたとき、人間の活動意欲やエネルギーは低下する。その状態がだんだんひどくなってうつ状態になると、からだの代謝機能まで低下する。このようなうちに引きこもった状態は、喪失や挫折を気のすむまで嘆き、それがじんせいにもたらす、影響の重さをはかる時間を与えてくれる。そしてやがてエネルギーが回復し、立ち直っていく。原始時代、エネルギーの低下は悲しみで力を落としたヒトを安全な住処の近くに留め置く効用があったのかもしれない。

悲しみについても、
良く娘を見ていて、「悲しんで泣いているときはエネルギー低下しているな」って気づきます。

ママが離れてしまった時によく起こるのですが、
身体が急に「くねっ」「なよなよっ」てするんですよね。

悲しいとエネルギーが低下し、一所/内側に留まるようになるようです。
悲しみについては、もう少し深く考察した記事がありますので、
こちらをご覧下さい


本日は、
「感情は、行動を喚起する機能がある」を元に
実際に感情がもたらす行動喚起の事例をご紹介しました。

感情は、行動喚起の衝動なので、
必ずしも、そう動かなければいけない訳ではないですが、
感情の意味について、理解しておくと、行動選択に役立つかもしれません。




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