EQ(心の知能指数)を読み解くVol.3不快な感情との向き合い方「怒り編」
EQ(心の知能指数)を読み解くシリーズ。
今回は、不快な感情との向き合い方です。
以前書いた記事にあるEQを構成する5要素のうち
2つ目の「自分の感情を制御する」にあたります。
■0.感情を制御するとは
いきなりなのですが、感情との向き合い方において
この感情を制御するといったニュアンスが非常に重要になります。
感情を抑圧し、押し殺すでもない
感情に支配され、激情の奴隷になるでもない、
自制と放縦のバランス感覚が大切になります。
EQの著書には
どのような感情にも価値や意義はあるので、
それを感じながらも、過度な感情は抑制できるように
コントロールする術が紹介されています。
今回は、①怒り、②不安、③憂鬱との向き合い方のうち
怒りとの向き合い方を紹介します。
■1.怒りとの向き合い方
以前もご紹介しましたが、
怒りの感情が喚起する行動は、
「戦闘準備」でした。
では、そもそも怒りはどのように発生するのでしょうか?
それは、主に以下の2種類です。
・自分の価値観・信念から見て不公平や不正義だと認知する現実があった時
・自分が身体的に、社会的に危険に晒されたと認知したとき
このような事をきっかけに
怒りの感情が沸き起こったとき、
私達は、しばしば、怒りの情動にハイジャックされ、
一つの刺激に徴発された反応が、消えないうちに
また次の刺激が加わり、
結果、当初よりもずっと強い怒りが喚起される。
といったループに陥ってしまいがちです。
では、このようなループを避けるためにはどうしたらいいのでしょうか?
著書では、2つの方法が紹介されていますが、
自分の経験も活かして、3つご紹介します。
■2.怒りと無関係な環境に身を移す
最初にご紹介したいのは、怒りと距離を置くという事です。
これは、怒りに関する科学的研究が始まって間もない1899年にある調査で記録された被験者の話で、今日でも怒りを鎮める第2の方法として評価されている。更なる怒りを喚起する要因のない環境に身を映して、急増したアドレナリンのほとぼりが冷めるまで待つー「EQ心の知能指数」著ダニエルゴールマン
怒りが発生した出来事を思い返すと、改めて自分の正当性が思い浮かばれ、
ますます、怒りがわいてきたりするので、
深呼吸や筋肉のストレッチなどのリラックス運動や、自然の中での散歩、シャワー等、副交感神経優位になるような運動が、自分の生理機能を鎮静化させたり、怒りの原因から意識をそらす効果があります。
■3.怒りが発生した出来事を多面的に再評価する
これは、(2)の「怒りと距離を置く」が、うまくいって
怒りを挑発した出来事を思い出しても、腹が立ってこなくなったなと感じたらやってみるとよい事です。
EQの本の中で紹介されている実験では、
トラブルになってしまった際に、怒りが発生した相手の行為の背景を知った時と/知らなかったときで、腹が立つ→腹が立つどころか同情の声を寄せる程の違いがあると紹介されていました。
怒りが発生したその瞬間は、
私の視点で認知しているからこそ、出来事の見方が
主観一辺倒になっている可能性があります。
冷静な目線で、怒った相手の背景情報や、
自分の立ち振る舞いについて、もう少し冷静に見直してみると、
出来事の認識が再構成される気づきがあるかもしれません。
一方、(2),(3)は、怒りが発生したその現場では
なかなか活用できない方法です。
そのため、現場での身体反応としての
トレーニングをお勧めします。
■4.怒りを肚に据える
これは、身体的な鍛錬が必要になるが、
怒りの衝動を上に昇らせず、肚に据えるという方法。
自身もまだ熟達はしていないが、
会陰とみぞおちを意識しながら、そこに空気が入るような
深い呼吸をすると効果的な印象があります。
怒りは、頭に昇ってしまうと、冷静さを失ってしまうが、
肚に据えておけば、場のために、力を活かすことができます。
愛ある力という奴ですね。
これは、古武道を探求していた方にお聞きした事ですが、
現代人は、下丹田が発達してないので、怒りが上に昇ってしまう事が多いそうです。
そのため、場当たり的に下半身を意識した呼吸ではなく、
日常的に意識する必要があるかもしれません。
暴力的な怒りではなく、
愛ある怒りとして扱えるようになりたいですね。
以上、今回は不快な感情との向き合い方として、
怒りの向き合い方をご紹介しました。
次回は、不安との向き合い方をご紹介します。
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