新しい食体験

変則型料理教室をやって見えた、食のエクスペリエンスの新たな可能性の話

5月19日(日)
3か月間、板前修業をつけて頂いた茶飯事とコラボレーションし、

変則型の料理教室を行った。

今後、連続型で、料理の基礎を学ぶ料理教室という
初回という立ち位置だったのだが、
内容をまとめると以下の様な物。

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・参加者は、初めまして同士を多く含んだ10名
・時間は3時間程度でコース料理を食べる+3つのαがある
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その1、各コース料理のストーリーや、込めた意図の説明が直接聴ける

一つ目の+αは、各品に込められた意図や想い、そしてその料理法、季節感などについて、作り手から直接聞いて食べれるという点。

その2、料理風景を見て、話を聴ける

2つ目は、普段なかなか見れない作り手の現場を見れたり、
作っている所から、日々の料理に活かせるポイントを学べるという点。

その3大将にコースや料理について質疑応答できる

そして、食事を終えた後に、30分程度、参加者と大将のインラクティブなコミュニケーションの時間があったという点。

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新しい可能性は、食体験の最適レベルの向上

今回、料理し、食べるという食体験として、
何が新しい可能性だったのでしょうか。

それは、一般的なお店の食事では繋がりえなかった
・料理現場の情報
・献立の背景にある情報
・職人との関係性

とつながることによって、

食べる、料理するという行為が
よりディープな体験になるという事なのではないか?
と発見しました。

例えば、食事には、
知らないと気づけない価値が沢山あります。

例えば、この料理。

これは、冷製の煮ものですが、
和食の大事な基本である五味(甘味、辛味、酸味、苦味、塩味)と5色(赤、青、黄、白、黒)を一皿で表しています。

これを知って食べるのと、そうでなく食べるのでは価値が違いますよね。

日本料理は、食文化なので、
このような、「理」が沢山あり、一流のお店は、
この理屈にのっとった料理をしています。

これは、自分が料理業界に関わって知ったことですが、
近年、ちゃんと、知識を持った食べ手が減り、分かりやすい旨味や高級食材志向の消費者の増加によって、いい仕事が減っているそうです。

でも、なかなか、プロでもない私たちが、
料理の知識をつけるのは難しいですよね?

では、
一般消費者の私たちが、本物の価値をどうしたら味わえるのでしょうか?
発達心理学には、最適レベルと機能レベルという概念があります。

最適レベルとは、他者や環境からのサポートによって発揮することができる、自分が持っている最も高度な能力レベルの事です。
「成人発達理論による能力の成長」: 著 加藤洋平
機能レベルとは、他者や環境からの支援なしに発揮することができる、自分が持っている最も高度な能力レベルの事です。
「成人発達理論による能力の成長」: 著 加藤洋平


この変則料理教室の可能性は、
普段繋がることのない、
・料理現場の情報
・献立の背景にある情報
・職人との関係性
と楽しくつながることで、

食べる、料理するという体験の最適レベルが上がり、
よりディープな食べる、料理するという経験になった事です。

この機会は、個人の体験としても
より、食べる、料理するという事が楽しくなっていくという事はもちろん、
(ただ、知ったことから、日々意識し続けることで、機能レベルも上がっていくものです。)

日本の食文化を守るうえでも非常に価値が高い事だと思いました。

課題感

一方で課題感もありました。

・職人は話すプロではないので、今回自分がいたことによって、体験価値が担保された→今後も自分が行うか、話すポイントを共有
・今回3人態勢(料理人、助手兼話し手、仲居)で行ったため、売り上げに対して、人件費が多くなってしまった→二人体制で行える工夫、単価の見直し

今後、茶飯事で月に1回程度この形式で行っていこうと思ってますので、
是非、自分の食べる、料理するという行為の最適レベルを上げる体験をしに、食べにいらしてください^^

茶飯事以外のお店のコラボのご相談も歓迎です。

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