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読書する人だけがたどり着ける場所/齋藤孝




「深い人」「浅い人」の差は読書でつくられる

[レビュー]

 「読書が大切なのはわかるが、なぜ大切なのか」という疑問が一気に晴れました。この疑問について理解できたことにより、読書するときに「この本から何を学びたいのか」を意識できるようになりました。加えて、読書するときに大切な視点や思考をいくつも示してあるため、読書初心者の私にとっては大変有意義な一冊となりました。しかし、「例え」で用いられる「歴史」の話があまりにも多すぎて集中力が持続せず、結論が頭に入ってこないという欠点があります。「読書で教養を身につける方法」を学ぶための本で「教養がないため読みにくい」というパラドックスを感じました。齋藤先生は、この読書で教養をつけて欲しいという念があるのかもしれませんが、「本の読み方」を学ぼうとして購入した自分にはストレスを感じました。完全に僕の教養不足が原因ですが...笑
 少し話が逸れますが「いや知らんがな」と思いながらも読んでいた歴史の話が、何気なく視聴していたクイズ番組で出てきた時は「知ってるううう!」と嬉しくなりました。クイズ番組とはいえ、得た知識を活用できた時はとても嬉しいものです。そのため、学んだことをすぐに活用することが、読書を続けるコツであり、多少ストレスがかかるものでも読破するような「読書力」の向上に繋がることを感じましたしました。ありがとうございました。


[アウトプット]


■ 著者の目をもて p59~
 自分の視点と違っても、とりあえず著者の視点から考えて本を読む。つまり、著者の目を持つこと。著者の目を手に入れるために「この著者の本を読む」という期間を設けて、同じ著者の本を読み漁る、いわゆる「著者月刊」を作るということ。知識の「深さ」の要素には、知識の「つながり」が必要不可欠。そのため、同じ著者の本をいくつか読むことで著者の目を手に入れて、知識の「つながり」を意識できるようになる。点でしか捉えられなかった知識が面で捉えられるようになる。ここで、全く関係のない内容の本でも、知識の繋がりが生まれるとのことでした。
 これはよく論文作成の際に用いる先行研究をサーベイする際に用いる読書方法と似ています。私のゼミでも「この方の論文を他に何冊ほど読みましたか?」とよく問われます(笑)論文作成の際には意識していましたが、普段の読書では全く考えていなかったため、今後は特に興味をもった分野については意識していこうと思います。


■ 自分に引きつけて考えろ p68~
 読書で思考力を磨くためには、著書の内容を自分事として考えなければならない。「なるほど、そういうことなのか」と理解するだけでは思考力は磨かれない。「これは自分の場合はどうなんだろう」「自分だったらどうだろう」と常に自分に問いかけることで思考力が磨かれていく。また、自分の感情を乗せて読むと思考力が磨かれる。感情が動くときに、思考が深まる。感情を入れることで自分ごととして捉えやすくなる。
 「自分に引きつけて考える」ということは、本書を読んでからずっと意識しています。特に私は、ビジネス書において「なるほど」だけで終わってしまいやすい傾向にあるため、ビジネス書を読む時は特に意識しています。しかし、齋藤先生は小説のような物語の著書でも自分ごととして考えることで思考力が磨かれると述べられていました。小説を手に取る機会はあまりありませんが、読む時はぜひ「俺が主人公ならこうするわ!」「何してんねん!」とか色々感情を動かしながら読んでみようと思います。


■「つながり」を意識して読書する p100~
 知識というのは、10努力すれば10身に付くというものではない。細胞分裂のように、1、2、4、8、16、32・・・というように倍々に身についていく。そのため最初のうちは10の努力で1しか身につかないものであるということを理解して悲観しないようにする。ではなぜ、知識は細胞分裂のように身に付いていくのかというと、知識同士が繋がり出すからである。最初のうちは、知識が離小島のようになっているため、なかなか知識を取り出せない。しかし、知識同士が繋がり出すと、知識を取り出しやすくなる。そうなるとどんどん読書で知識が身につきだす。また、人に話すことで知識が体制化(つながること)される。まとめると、近い内容が書かれている本を何冊か読んで、人に話すことで知識が体制化されて自分のものへと昇華する。
 私がnoteを始める動機であった「読んだことを全部忘れている」に対する答えがここには書かれていました。齋藤先生本当にありがとうございます。私が本を読んで忘れてしまったと錯覚していたのは、知識に繋がりがなくただ取り出せてなかっただけということですね!笑 ここでは知識の体制化(つながり)を持つために同じテーマの本は最低3冊以上読んだほうがよく、5冊以上読めばそのことに関して人前で話せるくらいの知識が身に付くとのことでした。一つ目のポイントでも話しましたが、なんらかのつながりがある著書を複数読むことが「深さ」を作る方法であることがわかりました。これが本書の答えのような気がしますね。

[まとめ]

なんだかんだ本書では「読書を楽しめ」というメッセージが一番強かったです。
そのために読書で得た知識を積極的に生活に活かしていこう!!




そういえば齋藤孝さんを知らずに本書を読み終えて、インターネットで顔を見てびっくり。


脱力タイムズの人やん!!



まっけいゆう



齋藤孝(さいとうたかし)
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラー作家、文化人として多くのメディアに登場。著書多数。『語彙力こそが教養である』(KADOKAWA)は17万部を突破するベストセラーに。著書発行部数は1000万部を超える。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

読書する人だけがたどり着ける場所
https://www.amazon.co.jp/読書する人だけがたどり着ける場所-SB新書-齋藤-孝/dp/4797398485/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=読書する&qid=1631666636&sr=8-1

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