【電験完全攻略の原点】 電気主任技術者試験に合格できない理由

【改定履歴】
①2019年2月13日 記事追記
②2019年5月  3日 記事追記
③2019年7月28日 発行部数の更新
④2019年8月  7日 記事追記

【本記事の目次】
1.はじめに
2.自分の実体験
3.電験という壁
4.他業界の情勢から学ぶこと
5.自分が伝えたいこと
6.電験を詳細分析する
7.電験に合格できない5つの理由
8.電験に特化した対策

1.はじめに

これは電験の勉強を始める前に読んで欲しい1冊の本である。
分量が約6000文字と、かなり情報を詰めてあるので役立つ資料になると思う。

時間のあるときにゆっくりと読み進めて欲しい。


電気主任技術者試験を3種から受験し続けた男の話である。

一昨年、ついに電験第1種を初受験した。


その結果


なんと「1次試験4科目を一発合格」


まさに快挙である。


社内メールは沢山飛び交ったし、会社内で祝ってもらったりもした。

暗いニュースの多い世の中。
若手社員・中堅社員の頑張ったニュースは、嬉しい出来事であったのだろう。

同時に騒ぎたい、飲みに行きたい方の絶好のチャンスでもあったのだろう。


飲み会では資格の難易度の話になった。
色々意見があるものの、最高難易度の資格で間違いないと自分は思う。

(凄い手間がかかる資格ですよね・・・)

資格取得を推奨する会社の追い風があるにも関わらず、一次試験突破が珍しいことからも、電験1種の難しさは容易に想像できる。



2.自分の実体験

電験の勉強について、自分の実体験を紹介する。凡才なりにどう頑張ってきたかを知ってほしい。これから電験を受ける方の参考になるだろう。


「経験」と多くの方を見てきた「知見」から確実に言えることがある。


「社会人が資格試験に合格できない理由」は
「時間がないこと」


これが一番の理由だと思う。



現に自分も
「仕事が終わって帰宅時間が夜9時」
「それ
から勉強」

という絶望的状況を電験では味わうことになった。


一番きつかったのがやはり電験一種を受験した時だった。1次試験の4科目を一発合格は想像以上にハードで、とにかく時間がないので、めちゃくちゃ勉強の仕方も工夫した。


自分は正直、頭の良い人間ではない。30年近く生きていると、だんだんわかってくるものだ。

そんな自分だが「やり方を工夫」することで、この快挙を成し遂げることができた。

この経験は誰かの役に立つだろう。


続く2次試験はどうだったかというと「不合格」だった。
失敗の一番の要因は、勉強時間を確保できなかったことにあった。

電気関係の仕事も過渡期を迎えており、ほぼ毎日0時に帰宅する日々を過ごし、入院もした。

言い訳と言われればその通りだが、数時間しか勉強できない環境も実在することを知った。

やはり早めに準備をしておくことが大切である。

現在、勉強を続けている。今年は機会があって、電験3種を中心とする勉強会の講師を務めている。少しずつ力をつけていこうと考えている。


3.電験2種という壁

自分は電験2種において、長い足踏みを経験した。

インターネットで検索してみると、多くの方が2種でつまづいていることが分かる。
仕事でも、そういった方とお話しすることが多い。

電験2種はかなり難易度が高く、苦労が多いのは事実だ。だが、合格できると「あなたの最高のカード」になることは間違いない。


転職業界をちょっと覗くだけで分かる。ものすごい待遇の良さに驚くと思う。


これからベテラン勢は引退するが、電気設備が減ることはない。

必ず求められる資格なのだ。

壁は高いが、将来の自分のために絶対に取得しておいて損はない。



4.他業界の情勢から学ぶこと

転職業界の話に関連して、他業界を見てみよう。

(勉強会で多くの方が関心を持つ話で、勉強を頑張るモチベーションになる。)


結論から言うと
「自分が所属する会社がいつまで持つかわからない」という話だ。


メーカー最強だった東芝でさえ、事業の切り売りをしている時代である。
横浜を牛耳っていて、日本全国に事務所を持つ企業が陥落するなど、10年前に想像できた方がいただろうか?

打ち合わせ中において、コピーを取ることだけを仕事にする人もいたり、清掃を物凄い大人数で行っていたりもしていたそうだ。

まさに昭和の超一流企業の振る舞いだ。そうやって社会にお金を落として世の中の人に給与を与えてくれていた。


それが崩れ去る世の中が「現代」であることを認識しなくてはいけない。正直、自分も怖い。


第一次産業である「水産事業」でもそうだ。

数か月で3億円以上の利益を出す大型漁船の話をしよう。自分の祖父の話になる。

日本を代表する水産事業の一つであった大型漁船を使った事業が30年前に軒並み倒産したことはご存知だろう。もはや歴史の話になるくらい年月が経った。

30年前、当時の港周辺はとにかく栄えに栄えた。漁師たちの憩いの場となる酒場も繁盛した。約1ヶ月の遠洋漁業を終えた漁船が、油を積むために港に入るのを駆けつけ、タクシーが並ぶ異様な光景は今じゃ考えられない。


出港の際はもはや祭りである。当時の日本の収益構造の1角を担う「大型漁船」の影響力は凄かった。


だが、地球環境は徐々に変わる。
さらに燃料の高騰があり、大型漁船は採算が取れず、数年で一気に倒産した。1日の操業で数十万円という燃料費がかかる大型漁船を運営するのは困難を極めた。


そこで台頭したのは中型漁船だ。

いわゆるイカ釣り漁船やマグロ漁船がその代表格だ。燃料コストが大型漁船と比較してかなり低い。(それでも1日の操業で10万円かかるそうだが)マグロ漁船のテレビ番組も組まれ、漁師に脚光が再び当たり、大金持ちも増えた。


・・・ところが輸入の増加、さらには約10年前から「魚やイカ等が減少し始めた」影響を受け、中型漁船までもが衰退した。


一気に借金を抱える人が増え、多くの自殺者が出た。


このような背景があって、近年ではほぼ燃料のかからない小型船舶でしか収益が上がらなくなった。

水産組合も閉鎖が相次ぎ、日本の水産事業が傾いてしまっているのは言うまでもない。北海道旅行に行く機会があれば、港を見てみるといい。漁船がない廃墟となった漁港が多い。




水産事業の話を鑑みて、自分たちの話に置き換えて考えてみよう。


注視しなくてはいけないのが

小型船舶の仕事は「完全に個の技術」に依存するという点だ。

「スキルがないと仕事できない」


漁業はそういった時代に突入したということだ。


ちなみに自分を可愛がってくれていた叔父は亡くなっている。理由は言うまでもないだろう。漁業関係では借金を返すために、給与天引きで働かせてもらっている人もいる。奉公に近い。


もう甘い時代ではないことを自分は学んだ。自分たちの業界がいつそうなるか分からないが、絶対にスキルは身に付けておいた方がいい。


5.自分が伝えたいこと

これまでの話で一番伝えたいことは

「自分で自分の価値を作り出さなくてはいけない時代になった」

「コストがかかる大規模の企業は一瞬で競争力を失う」

ということだ。


本記事を見てくださっている方は、電験合格を目指していると思う。

これから電験合格のために勉強し続けていくことになるが、正直大変なことが多い。

だが、生き残る意味でも好きなことをする意味でも、共に頑張ろう。




それでは本題の電験の話をしていく。


電験の壁を詳細分析する

本記事では、耳が痛い話になると思うが、「電験に合格できない理由」を整理する。

電験を何度も受験した経験がある方でも、意外と気付いていない人が多いので、チェックしてみて欲しい。


【合格できない理由①】
出題範囲毎の熟練度が低い

電験合格には、一定の勉強時間が必要である。

しかし、ただ勉強時間を確保すれば良いという話ではない。

「出題範囲を適切に勉強できているか、確認すること」

電験は、膨大な試験範囲である試験として有名である。時間配分を誤れば、合格は確実に遠のく。

「電験の合格点」は、数種類の分野の問題を正解することで、ようやく到達できる。

電力科目で言えば、「水力」「火力」だけ得意であっては不足する。

高頻度で出題される重要科目「送電」「変電」の勉強が疎かでは、試験結果が無残なものになることは目に見えているのだ。

合格できない理由①で伝えたいこと
「電験は出題範囲が膨大な試験。だからこそ「勉強時間」を「適切に配分」することが重要である」


【合格できない理由②】
使っている問題集が悪い

高校受験、大学受験、他の資格試験の合否を分けるのは

使っている問題集(参考書含む)の違い

と言っても過言ではない。


【合格できない理由①】でも書いたが、電験合格を目指す上で重要なポイントは「出題範囲を網羅すること」にある。

解いたことのない問題を試験本番で解くことは、リスキーすぎる。試験時間は短いので悩む時間などほぼない。


理想は「全ての試験問題が解いたことのある問題の類似問題」という状態だ。この状態で試験問題に挑む状況を作り出したい。


また、問題集を購入する際には「詳細な解説」が書かれていることも確認すること。「参考情報」といった解説があるとなおのこと良い。


その「参考情報」こそが試験に出ることが多いためだ。過去問を見ると気が付くことができる。


電験は過去問題と全く同じ問題は出題されないが、似たような問題が出る。


実例を挙げよう。

電験2種でも1種でもあったのだが「遮断器に関する問題」

この問題が出題された年の数年後に遮断器に関連する問題(断路器や保護継電器等の問題)が出題された。この断路器や保護継電器が問題集の解説に記載されていたのは言うまでもない。


「昨年の問題は出題されない」「昨年の問題だけ解いてもダメだぞ」という説は正しい。実績だ。

合格できない理由②で伝えたいこと
「出題範囲を網羅している」「解説が詳細に書かれている」問題集を使用することが重要である。


【合格できない理由③】
覚えるべき事項、公式を整理できていない

出題範囲の広い科目では、覚えたことをどんどん忘れてしまいがちだ。

「試験直前でやり直しをしたが、間に合わずに試験は散々だった」といった失敗をしたことがある人は多くいるだろう。

多くの塾や予備校では
その対策として「覚えるべきことを整理する」という方法をとる。

個人の自由ではあるが、色ペンを5種類も6種類も用意して書き込む必要はない。

昨今は、ノートの作り方といった情報も多いので、自分の好きな方法を試してみるといい。

自分はシンプルな箇条書きスタイルを取っている。

他にも色々工夫をして、まとめておき、試験直前に一気に記憶をインストールするようにしてから、多くの資格に合格できたし、社内成績も上がった。


合格できない理由③で伝えたいこと
「学んだ知識を思い出せるような仕組みを作ることが重要。 自分のアレンジも加えて楽しむことを考える」


【合格できない理由④】
苦手科目、苦手分野が放置されている

電験は4科目で構成される。さらに、電験2種以上では二次試験があり、「電力」「機械」で構成される。

結論から述べると、電力と機械に苦手意識を持ったまま、合格することは難しい。(ちなみに電験三種受験時、自分は機械科目が苦手でよく分かっていなかった。そのため、一種受験時にめちゃくちゃ苦労した。)


電験2種以上を受験する予定があるのであれば、電力と機械は得意と言えるぐらい勉強しておくことをお勧めする。



「科目合格制度」についても注意しておかないといけない。既にご存知だと思うが、この制度は電験3種から1種まで活用することができる。

一見すると、いいように思える。

電験3種であれば4科目を3年で取得すればいいので、この制度をどんどん活用すべきだ。


しかし、電験2種、1種受験者はこの制度に注意を払って頂きたい。二次試験という仕組みをよく考えなくては失敗する。

考えていくと違和感がいくつか出てくると思う。




・・



・・・



「科目合格は1次試験合格後、翌年までしか有効ではない」




ここに違和感を覚えないだろうか。科目合格は3年なのに敢えて違いがあるのだ。

その違和感をもったまま、一次試験と二次試験問題を比較して欲しい。


「全く違う資格試験」と思ってもいいぐらい問題の内容が違うことに気が付くはず。さらに1次試験終了後、2ヶ月ぐらいしか二次試験までの準備期間がないことに気付く。


明らかに資格運営側の収益体系が見えてくる。


よく起こる失敗を紹介しておく。

科目合格制度を利用して一次試験を突破した方の失敗話だ。

科目合格を使って失敗した実話

ある男性の失敗談である。
必死に勉強し、何とか科目合格することができた。が、そこから地獄を味わうことになったのである。

やったのこと合格できたこともあり「来年度は科目合格制度を利用しよう!」と心に決めていたそうだ。実際、4科目全部受験しなくてもいいとなるとめちゃくちゃ気が楽だ。

春になり、電験申込の時期がで来た。
不合格だった科目を必死に勉強をした。

その甲斐もあり、なんとか一次試験を突破することができた。快挙である。


・・・ところが

すでに昨年科目合格した科目の知識が完全に忘れてしまっていたのである。


二次試験は約2ヶ月後。
この短い準備期間で基礎知識から学び直し、苦手な計算もマスターしていない状態で二次試験の準備もしなくてはいけなくなったのだ。


結局、試験内容が1次試験とは違い過ぎて対応できず「不合格」


もっとわかりやすいように「電力科目が得意、機械科目が苦手な人」の話に置き換えてみる。具体性が増し、何をすべきか見えてくるはずだ。


2017年に電験2種の1次試験を受験したところ「電力科目」は合格したが「機械科目」が不合格であった。


その翌年の2018年「機械科目」をめでたく合格。

しかし、既に科目合格済の電力科目の知識は忘れてしまっていて思い出すための勉強に急いで取り掛かった。一方で、二次試験対策も行わなくてはいけない状況で手一杯だ。

しかも、機械は苦手科目であったから、二次試験対策も上手くいかない。

結果として「時間切れ」


さらに翌年。
一次試験免除制度を利用しても、試験問題が今までの傾向と大きく違ってしまい、不合格となる。


完全な実話だが、こういったパターンが非常に多い。二次試験は怖いのだ

合格できない理由④で伝えたいこと
「苦手科目を無くすこと。二次試験の科目は得意にしておくこと(科目合格の罠にかからぬようにする)」


【合格できない理由⑤】
過去問を解けるようになっていない

どのくらいの過去問を解けばいいかというと、3種、2種、1種で異なる。
・3種であれば「5年間分」
・2種であれば「10年間分」
・1種であれば「20年間分」(+2種20年間分)


これは基準レベルである。

この基準を下回ると、試験本番で初めて出会う問題が多くなり、非常に難しいと感じるだろう。

〇電験3種

3種の過去問を分析すると、類似問題が多いことに気付く。出題分野だけでなく、パターンも見えてくる。

〇電験2種

2種については、出題問題の種類の多さに驚くだろう。基礎を身に付け、過去問10年間分解くことで、合格が見えてくる。

〇電験1種

1種を分析すると、非常に恐ろしい結果が見えてくる。10年程度の分析では類似問題が出題れていないことに気付き、対応力が求められるという結論となってしまう。しかし、1種20年間分、2種の20年間分を分析すると、また見えてくるものがある。この分析結果については、別記事にしたいと思う。(昭和の問題まで分析を実施した。)

合格できない理由⑤で伝えたいこと
「電験3種は過去問が解けるようになると、6割~7割取れる。但し、電験2種以上は数年間の過去問が解けるだけでは6割を切る可能性が高い」


電験対策を考える

電験に合格できない理由を踏まえて、「電験対策資料」を作成している。

3つを軸にした学習が効果的と考えている。


電験対策資料①「電験の攻略方法から学ぶ」
電験対策資料②「電験の計算問題を攻略する」
電験対策資料③「弱点の補強をする」
電験対策資料④「ブログで一気に学習する」
電験対策資料⑤「twitterで知識に常に触れておく」



既に100人以上にご購読頂いており、多くの方の意見を基づいたリライトをし、分かりやすい資料に仕上がっている。(コメントを下さった方、大変ありがとうございました。)

電験勉強中の方にとって、役立つ資料となっているので、足りない部分を補うように活用して頂ければと思う。

電験対策資料①
「電験の攻略方法から学ぶ」

電験対策資料②
電験の計算問題を攻略する

電験対策資料③
弱点の補強をする

電験対策資料④
ブログ記事で一気に学習する

電験対策資料④のコンセプトは大きく分けて下記の2点だ。難化する電験で点を取るために有効活用して頂ければと思う。

コンセプト①
「隙間時間に要点をパッと頭の中に入れる」

コンセプト②
「休日の出掛け先の合間に気軽に勉強する」

ブログ1.電験完全攻略
電力科目の知識をメインに記事配信しており、全範囲を網羅できるコンテンツとなっている。



ブログ2.法規完全攻略
法規科目に特化した勉強サイト。
より活用しやすくするために独立。

下記のコンテンツが掲載されており、現在配信中。
①電気工作物の知識を10日間で習得する
②電気事故報告を5日間で習得する
③電気用品安全法を5日間で取得する
④電気工事士法を5日間で取得する
⑤電気設備技術基準を40日で攻略する
⑥計算問題を20日で攻略する

電験対策資料⑤
「twitterで知識に常に触れておく」

点が取れる知識を約140文字にして毎日配信している。

twitterでリラックスしているとき、暇になったら電験の知識に触れられるようにしておこう。帰宅してからの勉強時間を減らすことができる。


(ブログよりも気軽な情報を配信していますのでフォローして頂ければと思います。電験や電気技術者という仕事を楽しんでいこうという気持ちでツイートもしていますし、共に勉強しましょうといったツイート、仕事が辛いといったつぶやきもしています)

楽しんで共に頑張っていければと思っています。


まとめ

以上、「電気主任技術者試験に合格できない理由」の記事となります。

心当たりがあった方もいたと思います。電験合格の壁は高いですが、共に頑張っていければと思い、今後も記事を更新していきたいと思います。電験合格は、1人ではなかなか難しいので、協力して乗り切っていこうと考えています。


最後になりますが
「電験知識のまとめ資料が欲しい」という方のために、記事を配信しております。日常の隙間時間に活用して頂ければと思います。


※問い合わせの多い「使いやすい問題集」「勉強のモチベーションが上がらない」といった相談回答も記事に整理しまいした。時間があるときに見て頂ければと思います。なお、使ってはいけない注意すべき問題集についても情報共有しています。



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maco

高専から大学へ編入し就職。発電系統の研究に携わる。本NOTEでは、電気系資格「電気主任技術者(第1~3種)」の攻略に役立つ資料を作成しており、わかりにくい部分を徹底的に調べて情報提供します。調べる為に多くの時間を要した部分を有料記事とさせて頂いております。多くの方の役に立ちたい。
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