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広告業界の未来 Vo.1 〜制作会社を辞めて〜


「自分の市場価値を知るためにも、転職活動してみると面白いよ。」


会社を辞めた先輩からこの一言を受け取り、その足でビジリーチに登録したのが転職のきっかけだった。


僕はすごく良い転職をしたと思っている。

自分が育った環境の知見もいかしつつ新たなフィールドで戦うことで、世の中を以前よりも少し高い位置からみることができたし、何よりすごく学びが多い。

自信をもって、1年前の自分よりアップデートしていると言える。


だからこそ、歯がゆいこともある。今回はそこを記事にしたいと思っています。

<目次>
① 映像制作会社の取り巻く環境
② 時代と逆行してしまう業務内容
③ “井の中の蛙、大海を目指す”


① 映像制作会社の取り巻く環境

華やかに見える広告業界。

もちろん、他業界と同じ構造で、基本的には受発注の関係です。

広告代理店がクライアントから仕事をもらい、その代理店のクリエイティブディレクターが贔屓にしている制作会社のプロデューサーに仕事を発注する流れです。

クライアントが右を向けといえば、広告代理店は右を向くし、クリエイティブディレクターがあっちに進めといえば、プロデューサーは一目散にあちらに向かいます。

その構造自体も大きな問題だが、
今回はそんな飼い犬状態の制作会社に標準を当てます。


大手制作会社と言われているのは何社かあります。

AOI Pro. , TYO , 東北新社 , ギークピクチャーズ , 太陽企画 etc...

そのほかにも大小様々な制作会社があるが、上記5社ぐらいが、TVCM制作業界のメインストリーム。

そんな制作会社がいま、岐路に立たされていると思ってます。


制作会社の稼ぎどころとしているテレビCMに対して、
クライアントの予算が大幅に削減されていたり。
(これは10年前から黄色信号が出ていた)

アナログだったからこそ稼げていたテープのプリント費(焼き回し)の部分が、
デジタル化によって利益がほぼ出なくなってしまったり。

代理店も利益を保持するために、外注せずインハウスで仕事を回すようになってしまったり。


肉体的・精神的に重労働な現場に置いて、若い人たちがいなくなってしまったり。

数えあげたらきりがないほど、逆風が吹いています。

ほとんどの会社の株価は1年前に比べ、急降下しています。


そして、これらの大手制作会社でバリバリ働く30歳男性の年収は、
平均すると500万行くか行かないかです。

もちろん職種が、プロデューサーなのかプロダクションマネージャーなのかで随分異なりますが、仮に500万だとした場合、月々41万の月給で、手取りにすると、25万円程度となってしまいます。

この金額が高いか安いかはそれぞれの考え方なので言及しませんが、
問題は労働時間や、制御不能な業務内容です。


② 時代と逆行してしまう業務内容

はっきり言って、制作会社の業務内容はお世辞にもいいとは言えません。

代理店、特にクリエイティブディレクターのその場の思いつきのようなオーダーをプロデューサーがノルマのため安請け合いし、そのプロデューサーがトイレで一緒になっただけのプロダクションマネージャーに無茶振りし、その彼は寝ないで資料をさがす。

そんな様子を僕は死ぬほどみてきましたし、自分もそんなプロダクションマネージャーの一人でした。

そして、「センスが悪い」だの「やり直し」だの、
クリエイティブディレクターは自分をそりゃあ立派な棚の上にあげて、若い子たちの大事な時間を一言二言で無にしているのが実情です。

その時、プロデューサーといえば、一昔前のアニメの副校長のようにうんうんと頷くだけ。

そんな仕事の仕方はクリエイティブでもなんでもない。
クリエイティブという見栄えのいい皮を被った、パワーハラスメントです。

ただ、世の中が変わってきていても、
すぐには広告業界の現場は変わりません。
上記の業界を取り巻く環境を考えるとより深くなっていく一方だと僕は思っています。

そんな業界に、希望に満ち溢れている若者たちが集まるわけがありませんよね・・・。


それぞれがそれぞれの持ち場で裁量権利を持つことで、ビジネスは成立すると僕は思っています。

だからこそ、発注者に対してきちんと対話する受注者の姿勢と環境づくりが必要だと強く思うのです。


③ “井の中の蛙、大海を目指す”

100%と言っても過言ではないぐらい、新入社員はみんな性格がきつくなります。

というより、人に冷酷になる。

「なんでできないの?」「考えろよ!」とか、自分が言われて嫌だったことをそのまま後輩に言ってしまう子が本当に多かったです。

そして、周りからは一人前になったといわれ、業界という理不尽に染められ、自分がなんでもできる存在だと根拠のない自身を持ってしまう。

きつい目をしたそんな若い子たちが今後増えないように、
僕はこの業界を変えたいです。


制作会社の立場でこんなこと言うとみんなの迷惑になるし、間違いなく業界から干されます。

広告代理店になったからこそ、分け隔てなく問題提起ができるし、解決もできるのではと思っています。

今はまだ発信力もなく無名な広告マンですが、よりよい業界にするために声をあげ続けていきます!


Vol.2では、『広告代理店と制作会社と、時々、クライアント』を記事にしていきます。

乱文失礼いたしました。今後ともよろしくお願い致します。


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