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ビール・ストリートの恋人たち(2019.2.22.公開)

今回は
ビール・ストリートの恋人たち』です。

ジェームズ・ボールドウィンの小説
「ビール・ストリートに口あらば」の映画化。

監督はバリー・ジェンキンス。

舞台は1970年代初頭のニューヨーク。
愛し合う二人のドラマと、
その時代背景にあるものを等価で見せていく。

時間をさかのぼる構成で、
二人の強い気持ちと、
本当に理不尽な障害を交互に見せていく。

揺さぶられます。

撮影監督はジェームズ・ラクストン、
カラーリストにアレックス・ビッケル、
あの『ムーンライト』のスタッフが今回も続投。

描いているものが『ムーンライト』とは違うので
映像の印象も違うけど、
色彩の設計はやはり圧巻。

音楽も効果的。
一部の楽曲で
とても低音が強調されている部分があるので、
可能であれば
そこらへんの音響に強い劇場、
スクリーンで観るとより良いでしょう。

自分はバリー・ジェンキンス監督の舞台挨拶つき上映で
本作を観ることができました。

(愛と憎しみ双方を描くことについて)

バリー・ジェンキンス監督
「それは悩んだ部分です。
 原作は、原作者であるジェームズ・ボールドウィンの視点です。
 映画は彼女(ティッシュ)の視点で描こうと思った。
 恋愛を描くとき愛だけを描くことにが多いと思います。
 背景や文脈、社会から切り離して描かれることが多い。
 本当は様々な文脈を通して描かれるべきだと思います」

(音楽について)

バリー・ジェンキンス監督
「原作にも多くの音楽が出てきますが、
 原作とはまた違った方向の音楽となりました。
 原作とは視点を変えたことで、原作の音楽から解放されたと思う。
 演じてくれた二人の音楽は何だろう、と考えたときに、
 ジャズ、そしてチェロになりました。
 役者の感情を増幅するような音楽になったと思います」

『ビール・ストリートの恋人たち』上映劇場

text by ronpe

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