見出し画像

コーンクリームスープ

コーンクリームスープが好きだ。
メニューにそれがある時、わたしは必ずといっていいほど注文してしまう。

セットで頼んでも単品で頼んでも、注文してから届くまではやいのがいい。
これから届くであろうメインディッシュを迎える前に、コーンクリームスープを飲んで待つ。
空っぽのお腹に届く暖かくまろやかなきいろいそれは、わたしのこわしがちな胃腸でもなんなく運ばれていく。
クルトンも大事だ。クルトンが入っていなかったら分かりやすくがっかりしてしまう。クルトンはできれば小さくて、少し色が濃いくらいのカリカリがいい。まろやかにとろけるスープとカリ、じゅわ、としたクルトン。これが好き。
クルトンは美味しいからといって後生大事に残しておくとスープを吸ってぶよぶよになってしまうのでご注意。

寒い日の朝、マグカップに粉末をあけ、ケトルに手を添えて暖を取りながらお湯が湧くのを待つ。
お湯を入れたらそこからが勝負。ダマにならないよう慎重にスプーンでくるくると混ぜ合わせたら完成。
家には長いことコタツがないので、椅子の上で小さく丸まりながらスープを口に運ぶ。
家の外が10年にいちどの大雪だったとしても、テレビから流れてくるニュースが楽しくないものであったとしても、コーンクリームスープを飲んでいるその瞬間、わたしは誰にも邪魔されず幸せを享受しているのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?