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クラッシック音楽#3 現代芸術 シュルレアリスムとピアノ演奏会【ジョン・ケージ 4’33”】

タイトルのジャンルを「クラッシック音楽」にするか?「現代芸術」にするか?
迷うところでしたが「クラッシック音楽」のカテゴリーに入れてみました。

まず、書き始めてから気付いた、難しい!超難しい!!
自分の勉強のために、記録として残します。
興味が湧かない場合は、下の音楽の方だけでも読んでいただけたら嬉しいです。

シュルレアリスムを書くには、その前のダダイスムから。
西洋芸術史において第一次世界大戦の殺りくで、社会体制や政治に対する反発・抵抗、伝統的な芸術様式や既成の秩序に対する否定や破壊から生まれた芸術運動「ダダイスム」。
そして「ダダ」から「シュルレアリスム」へ、造形芸術だけでなく、文学や舞台、音楽、写真などあらゆる芸術分野に広がりました。

ざっくりと全体を、さらに音楽に焦点を当てて紹介したいと思います。


シュルレアリスムとは?

超現実主義と訳されます。
20世紀初頭に「ダダ」のメンバーの一人、フランスの詩人で精神科医でもあるアンドレ・ブルトンが提唱しました。
フロイトの精神分析からも影響を受けています。
シュルレアリスムは、無意識がもたらす偶然性や即興性によって、「超現実」における新たな芸術を創作しようとする試みのことを言います。

日本では現実離れした奇抜で幻想的な状況を「シュールだな〜」と表現しますが、「現実」という意味なので、ちょっと意味合いが違ってきますね。

シュルレアリスムの作品

パブロ・ピカソ、ジョアン・ミロ、サルバドール・ダリなど、スペインを代表する画家たちもシュルレアリスムの画家です。
シュルレアリスムを代表する作品には、サルバドール・ダリ《記憶の固執》などが有名ですね。

他にも、男性用便器にサインだけして作品としたマルセル・デュシャン、ルネ・マグリット、パウル・クレー、そして、マックス・エルンストなどがいます。

サルバドール・ダリ《記憶の固執》(1931年)
ニューヨーク近代美術館 

パブロ・ピカソに関しては、キュビスム展の回でも紹介しているので、良かったら併せてご覧ください。


シュルレアリスムから現代音楽

シュルレアリスムの音楽は、フランスのエリック・サティが音楽を手がけ、ジャン・コクトーが台本、パブロ・ピカソが舞台芸術を担当した前衛バレエ『バラード』などがありますが、今回は一風変わった現代音楽を紹介します。
初めて知った時は度肝を抜かれました!

ジョン・ケージの「4分33秒」
アメリカの作曲家ジョン・ケージが1952年に作曲した革新的な音楽作品。
1楽章33秒、2楽章2分40秒、3楽章1分20秒からなる作品です。
しかし、楽譜には全楽章に「Tacet 休止」と書かれているだけ。

ジョン・ケージ 4分33秒

楽譜では4分33秒という演奏時間が決められているのですが、演奏の指示は書いてありません。
そのため演奏者は音を出さず、聴衆はその場に起きる音を聴く。
演奏者が生み出す音はないけれど、その場で偶然に起きる音、聴衆自身が立てる音などの意図しない音は存在します。
「沈黙」とは無音ではなく「意図しない音が起きている状態」を指しているのです。
ジョン・ケージは日本の禅や茶道、インド哲学などの東洋思想にも傾倒していたので、かなり影響を受けたと考えられますね。

先日聴きに行った演奏会で、まさにこの芸術作品を実体験することができました。
ピアニスト 細田真子さんの、ピアノと朗読の演奏会【文彩 ふみいろ】。
朗読の内容は、細田さんが新聞に連載で書いていたエッセイに沿って、2部形式。
それは第2部の中盤でした。
プログラムには『時間の額縁』と書かれています。
細田さんからお客さん達に「演奏」の主旨を説明し、みんなで体感する。
無音であって無音じゃない。

エッセイには
「毎日、通り過ぎていくその時だけの音。
けれど、4分33秒という額縁で区切ることで、価値が浮かび上がって作品になる。」
と書かれています。

4分33秒という時間を会場全体で共有するという、実に興味深い貴重な体験でした。

当初、音楽の部分に特化して紹介しようと思ったのですが、ジョン・ケージを紹介するためには、現代音楽、シュルレアリスム、ダダと繋がりをお伝えする必要性などを考えて、長々となってしまいました。
ちょっと難しすぎて、またの機会にもう少し上手くまとめられたら書き直すかもしれません。

また興味深い作品などを紹介していきたいと思います。

読んでいただき、ありがとうございました。


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