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カナダスタートアップでデザイナーとして4ヶ月インターンして経験したこと【まとめ】

2018夏からバンクーバーの小さなスタートアップでUI/UX Designerとして4ヶ月のインターンを冬に終えました。
やってきたことや反省点をまとめます。(学校の最終レポート用)
長くなりそうなので、「概要・デザイン(UI/UX)・コミュニケーション」の3記事に分けようと思います。

まずはインターンシップ先の概要を簡単に記載します。

規模:5−6人
(開発:2, PM:1, CEO, 私 + 最後の1ヶ月マーケティングのインターン)
分野:建設
サービス概要:小-中規模建設会社間での人材・スキルシェアリング
プラットフォーム:モバイルアプリ(β版)・WEBアプリ(開発中)

その他:
就職のキッカケ:ブラジル人クラスメイトからの紹介(知人の勤め先)
インターナショナルレベル:カナダ人×3(2世含む) + 外国人×3

【やったこと】
・モバイルアプリUI/UX Designの改修・新機能に伴うUIの追加
(前任デザイナーからの引き継ぎなし)
・WebアプリのUIの作成(完全新規)
・ランディングページデザイン
・Webサイト更新
(前任デザイナーからの引き継ぎなし&php等いくつか壊れている状態)
・その他:プロジェクトフローの見直し・新規ツール導入 提案

【成果】
・自分の中でこれは良くできた部類なのか分からないんですけど…
・モバイルアプリ: 155 screens(ボツ案除く)
・Webアプリ: 93 screens
・ランディングページ:1 page
・Webサイト更新:○(力技)
・フローの見直し・新規ツール導入:△
(コミュニケーション不足や連携ができず)

【反省点】
デザインができても英語のスキルがないと仕事中、
多方面で障壁にぶつかる

日常生活に困らない程度に喋ることができる≒ネイティブと肩を並べて働ける

デザイナーとして制作物の意図を理論的・客観的に説明する責任があります。
ある程度はできますが、踏み込んだ表現や英語独自の表現になると説明に苦労します。
(自分が慣れ親しんだカタカナIT用語、実は英語で通じない日本語英語だったり)
悲しいことに現状の英語力ではチーム内のMTGも微妙に着いていけず…
発言したらしたで、自分ではシンプルに伝えているつもりでも
「彼女はこういうことを言っていると思う…」
と毎回、親切な仲間内から通訳が入りました。
(なんでや…!今私、変なこと言った!?)

英語スキルの課題点
ビジネスやデザインの知識や説明ができるよう伸ばす必要があることをひしひしと感じました…
尚且つ、自分の英語のレベルがネイティブに察してもらわないといけない程度に
押し付けがましい・一方的なコミュニケーションの取り方になっていたんだなと…

工夫はしたんですよ!咄嗟の発信力がないので、考えた結果
チャットで熟考して文法・表現に気をつけてテキストする打開策を試しましたが、毎度無視されるんですよね…
読んで…その質問してきてる内容…全部事前に書いてるんやで…
CEOが週1しかオフィスに来ないので、伝達できる方法は他にないと思うのに。
PMからは「CEOは読まないから後でフォローしとくよ」ということで任せることに…

"デザイナーがたった一人だけの環境"で、デザインに対しての"重要性"や"取り組み方"など
社内啓蒙活動を行って浸透させるには、
実作業だけでなくディレクション面に及ぶので、時間もかかり、コミュニケーション面でも”相当できる人”でないと難しい

UX Designerがいればプロジェクトの問題は全て解決できる。
神様のような存在。という考えが少なからずチーム内にあり、一切の裁量を任されるというよりは、放任されているという感じ。

具体的に例えると
”デザイナーがデザインしたのだから間違いない。
できたものを皆んなで検証する必要はないし・チェックしなくてもOK”という感じ


この場合、私がこのインターンでどういう方向性を目指したかったのかという面。
会社が抱える問題をデザインで解決するには、力不足だったことは否めません。
また「”デザインのスキル”を伸ばしたかった」という面では会社とのミスマッチが発生してしまったなと感じました。
「少人数だからコミュニケーションが密にでき、真摯に自分達のプロジェクトに向き合うことができるだろう」と考えていましたが、
必ずしも全員がプロジェクトに向かっている訳ではない。
例えスタートアップでもここはカナダ

ワークとライフのバランスを考えれば、ライフが重要。
仕事はそこそこで良い。

という価値観があることを知ることができました。
※全てのカナダ人がという訳ではないと思いますが…周りの話からも多い印象
なので”自分の仕事の範囲ができていれば、それでいい”という感じですね。
今まで日本では「好きなものを職にしてしまった」人々(自分も含めて)と一緒に仕事をしてきたので。
良い意味でも常に”職業病”だとか”公私混同”して、プライベートの時間も削って働いてきました。
(10時ー22時Workとか言ったら、ゲー!ってカナダ人に卒倒されたけど。
 だってやることも多いし、それが好きなんだから、しゃーないやん!?!?!)
その分、IT系の人間はそういう人たちで構成されていると考えていたのでカルチャーショックを受けました。

スタートアップで軌道にもまだ乗ってないのにそれで良いの…?とは思うんですが
初期メンバーがCEOだけ。他はお雇い・学校を卒業したばかりの人材となるとそういった空気になるのは致仕方ないかもしれないですね。
転職が一般的な中、今の職場は次のステップアップのための経過地点と考えれば。


スタートアップ中心のシェアオフィスで働いていたのですが、どこの会社も総じて10時辺りに出社、18時にはもう誰もいない。という感じ。
リモートでやってるかもしれないですが…
(誰もいないオフィスに残って、日本とリモートワークするときメッチャ怖い…
 夜に回ってくる掃除のおじさん・おばさんがゴロゴロ押すデカイ容器にいつヒョイってされて、ポイってされるんだろうか…て感じ)


インターン先でも作業が遅れてしまい残業する。
というようなことはほぼなかった記憶です。


少人数な分、アットホームだったし良くはしてもらいましたけどね。
ただ…ちょっと距離感の取り方など馴染めないところはありました…
(私が気の利いたジョークを言ったり冗談を冗談と笑い飛ばしたりできない性格なのもあって)

次の就職について経験のことを考えると、
リードデザイナーやシニアデザイナーがいるようなプロジェクトで下積みをもっと積む必要性があるなと感じました。
デザイナーとしてどう振る舞うべきなのか、姿勢・方向性を決めるキッカケはやはり日本と求められているものは違うところもあるだろうし
UXについては文化圏の違い・マーケティング・リサーチ手法がそれぞれの国であるので、完全に独学では厳しいものがあると考えています。
道のりは遠いなぁ…

【得られたもの】

で。結局、課題ばかり見えてきちゃったけど
このインターンで何が得られたの?てところで…


・未経験分野・フローが複雑なアプリのUIの作成/UXを考える経験
・クロスプラットフォーム(モバイル・デスクトップ)のスクリーン開発


の2点が大きく上げられるのかなぁ…と思います。
作ったスクリーンの数、内容の密度はともかくも…
ユーザーフローを書き出したり、どういったアクションでトリガーになるのかなど。
未経験分野で英語の単語も頓珍漢なところに、
仕様がめちゃくちゃ複雑な中(デザイン・UXのパートで詳しく記載予定)で、良くやったんじゃない…?

ということで、今度の就職活動準備では、スキルを伸ばすのはモチロン。
仕事でのコミュニケーションの強化もしていきたいなと思います。


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