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企画とチームプレーでUIデザインする方法 1/4

こんにちは。B2Bサービスのデザインをしているマドレーヌです。

今回は、ウォーターフォール的な組織で、デザイナー以外の利害関係者と衝突せずに共創的なデザインをすすめた試みを紹介します。

UIデザインするときの合意形成の難しさ

ある程度の規模の開発体制では、UIやプログラムの外側の仕様に対して複数の利害関係者が存在することがあります。何らかのレビューを通じて、作られたUIをプロダクトに実装すべきか協議するプロセスはありふれているんじゃないでしょうか。

ここで、よくハマる困ったシチュエーションを紹介します:
・A. 好き放題言われる
・B. 事なかれ主義
・C. 鶴の一声
・D. 「スピード重視で!」

上記を一つづつ見ていきましょう。

難しさA. 好き放題言われる

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これはありがちだと思います。
UIデザインは複雑な制約やコンテキストを加味して設計されます。どれだけ確かな腕前のデザイナーであっても、彼の腕前と利害関係者が納得するかどうかは直接的に関係ありません。
デザイナーが知っていること、考えられることには限界があります。 デザイナーが手元の情報だけ使って思い込みで作り、置いてけぼりにされた周りが好き放題言ってくるシチュエーションです。
それでもなお、デザイナーは自身の専門領域のプロフェッショナルです。
そのため、さらに困ったことになります。後付けで要望を取り込んでいくと仲間はずれのUIが増えがちです。周囲はデザイナーの作ったものに対する感想を言っているに過ぎないので、どんどんおかしな方向に進んで行く恐れがあるのです。

難しさB. 事なかれ主義

先とは対照的に、周りの「お行儀がいい」場合です。他の利害関係者に遠慮して、全員適切なフィードバックや意思決定を行わない状態になります。 

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このケースだと、皆が軋轢を避けて事なかれ主義で合意形成することになります。解像度が低いデザインが提供される結末になるでしょう。

難しさC. 鶴の一声

2とほぼ同じ条件で、声の大きい利害関係者の鶴の一声に全員が従うことになるパターンです。
こうなってしまうと合議制の存在意義がなく、まどろっこしい形式主義に陥るくらいならトップダウンですすめたほうが全体最適です。

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難しさD. 「スピード重視で!」

最後のケースでは、企画(やデザインに関与する利害関係者)対デザイナーのような構図になっている場合です。

利害関係者が少ないと意思決定が速い、と考えるのは安易過ぎです。少人数で密にコミニュケーションをとれても、アウトプットと一緒にリジェクトも増えるならアウトカムは増えません。

少し荒い言い方ですが、スピード重視で効率よく使えないものを量産しても仕方ないと思います。私はマメなタイプでないので、個人的にはDのような「いいから画面出してよ(笑)スピード重視で!」的なシチュエーションが一番嫌です😔

総括:合意形成の難しさ

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いままでの4ケース見てきました。こういったレビューがある体制でのUIデザイン業務では、他人事な利害関係者手戻りの多さ合議制が十分機能しないケースがみられることが特筆すべき課題かと思います。

これらが起きると…
もしこのような一連の状況が発生した時、デザイナーは下記のような問題を抱えることになると思います。

😭 周りに振り回され、提供すべき価値をどうやって実現するかにフォーカスしづらい
😭 周りは見たものの感想を言うに過ぎないので、全体の一貫性まで責任は追わない
😭 でもうまく行かないならUIデザインの失敗でしょ

こういった問題が解決せずに事態が進行すると、デザイナーとして期待される責務を全うしづらくなるんじゃないかと思います。不完全燃焼になり、周りもデザイナーがいることのメリットを感じづらいかもしれません。

では、組織がどんな状態なら、デザイナーが自身の責務を全うできるでしょうか。次回に続きます