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○9.9(日)-23(日)阿部龍一個展「青の地図」

ただいま、2階貸しスペースにて開催中。
あれよあれよと終盤に差し掛かり、次の日曜日23日で最終日を迎えます。

・方々-ほうぼう-を旅してはお土産ものを買ってきて売っている。(そしてまた旅へゆく)
・お便りのような作品(ときにまさにお便り、それかほぼお便り)を作り、展覧会を開いている。
・地図を描いている。

わたしが知る大まかな、このごろの阿部さん。

最近どうしてるかな?と思うと大体どこかに行ってたり、行ってきた後だったり、これから行くところだったり。
旅人。歩く人。
会う度に、わたしとの再会も彼の旅の中の一箇所、中間地点にいるような気持ちになれてうれしくなります。
と同時に、わたし自身も旅の中間地点にいるのかも、と思えたりします。

阿部さんのあけたてでの展示は約4年前の「小さな展覧会 時々の草花」。
わたしが出産前に店主として関わった最後の展示だったと記憶しています。

◯過去のあけ/たてブログに当時の様子と阿部さんとのエピソードがありました。よろしかったらぜひ☞ 「開けたり閉めたり日記 | パタパタしてます」
ブログに書いてあるエピソードは、あけたてのアイコンについて。これも阿部さんデザインによるものです。

そしてさらにその後、今から2年程前、あけたてが現店舗に移転する際には阿部さんに看板の絵をお願いした話をここではしたいと思います。


阿部さんにほとんど丸投げ状態でお願いした絵の中には、あけたての店先の様子(できごと)が絵巻のように描かれていました。

完成後につけられたタイトルは、「イッテオカエリ」。

出来上がりつつある看板を見上げると、亀が描かれていました。

聞けばその亀は、ミヒャエル・エンデの〈モモ〉に出てくるカシオペイア。
阿部さんはモモが好きということがわかり、わたしは母のお腹の中にいたときにモモと呼ばれていたことを話しました。
とくに打ち合わせをしたわけではなかったので、そのときの嬉しさと言ったら。

そのときに、「カシオペイアの台詞『イッテオカエリ!』でしたっけ?あれ、なんか違うかな。でもそんな感じの…好きなんですけど思い出せない。。笑」
とだいぶ曖昧なことをお伝えしたら、「イッテオカエリ!いいですね。タイトル、イッテオカエリで。」

正確な台詞は「トンデ、オカエリ!」だということをこのあとすぐ知るのですが、わたしのテキトーな記憶力のお陰であけたてを表す一言にもなり、あけたてのトレードマーク、看板の誕生でした。


こうして振り返ってみると、
阿部さんによるアートワークなくしてあけたてを語れないほど、お力添え頂いている作家さんなんですね。
ここまで、贔屓にしてきたというよりも自然なタイミングが色々重なり、ちゃんとしたコミュニケーションがあって、関わって頂いてるという感じ。
イッテオカエリ、を繰り返して来れているからこそなのかなあと思います。


長くなりましたが、とにもかくにもあけ/たてにとって、縁の深い作家さんです。

ご存知の方も、そうでない方も、
今回の個展では阿部さんの「青」を見ることができます。
絵を描く人にとっての、特定の、ひとつの或る色。
見ている/見た景色やイメージ、理想や思いを詰め込んで。

青を思って描かれた、青。
わたしにはそんな気がします。

“あるとき”の阿部龍一さんの〈青〉、そしてあなたの“そのとき”に触れる〈青〉もあるかもしれません。
ぜひ、触れに来てください。