やなぎさわ まどか(ライター)

ライター/編集/翻訳マネジメント▶︎社会課題と暮らしのつながりを可視化する取材&…

やなぎさわ まどか(ライター)

ライター/編集/翻訳マネジメント▶︎社会課題と暮らしのつながりを可視化する取材&コピーライティング▶︎食・農業・環境問題・ジェンダー・カルチャー▶︎東日本大震災をきっかけに街から山へ。小さな畑と季節の手仕事▶︎趣味は名前の由来を聞くこと▶︎株TwoDoors🌈柳澤 円

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  • 今日も心に味噌汁を。

    ひとくち含んだ味噌汁にホッとして心までもが温まるあの気持ち。優しさであり、愛であり、真理。混沌とした社会をまぁるく整えるのは、一杯の味噌汁かもしれませんよ。

最近の記事

憎しみを凌駕するちから。映画「過去負う者」がくれた問い

教育、政治、環境整備。 これは先日、「この世で変えたいものを3つ挙げよ」という問いに即答したわたしの答えだ。 この3つにおいて世界でも先進的なのが、北欧諸国。義務教育に政治や性教育、情報リテラシーまでが含まれ、未成年でも支持政党があり、女性が首相に選ばれて、息をするくらい当たり前の環境配慮。北欧では、普通に生活しているだけでわたしが願う社会課題が実現できるようデザインされている。正直に言えば、うらやましい。 そういえば、と前に読んだ、ある新聞記事を検索した。 コテージで

    • 「あるもんで」は思っていた以上に奥深い。他者との比較をやめたいあなたへ【つくり手であること】

      数年前、敬愛する料理家さんが「あるもんで」という概念を話してくれました。それも、ジャンルが異なるふたりの料理家さんから、ほぼ同時期にです。 お二人とも元にある考え方は共通しており、無駄をなくし、その時手元にある素材を活かし切って楽しむ、というコンセプトでした。 お二人のように大量に料理をするわけではないわたし個人も、その頃すでに「つくりたい料理を考えてから買い物に行く」というフェーズから「家にある素材で料理を考える」ようになっていたこともあり、強く共感しました。以来、毎日

      • zoom会議の前後に大根を干す冬。切り干し大根 【つくり手であること】

        社会人になって以来、わたしの1年は10月の次は年末です。11〜12月は異常にすることが多く、気づけばいつも大晦日直前という時期になっているのです。 コロナ禍になった2020年は顕著でした。色んなことが後ろ倒しになった影響もあり、どうがんばっても年内に仕事納めは叶わず、大晦日と元旦にも仕事をしていました。(結局年度末まで休みらしい休みが取れず、春先に長めの休みを取る始末) この要因はいろいろあって、まずは己のタイムマネージメントスキルの欠如が圧倒的な理由なんですが、それは棚に

        • 自分自身をアゲるためのエンタメ、それは寝てる間に始まる【つくり手であること】

          忘れもしない2014年の年末、わたしと夫は、一生使える幸せのアイテムを手に入れました。それは、親松寝具店さんにお願いしたお布団一式です。 環境NPO「エコロジーオンライン」の上岡代表が設定してくださった勉強会で知り合った親松徳二さんは、オーガニックコットンの社会的価値と、身体に与える健康面での重要性を伝えている、エコなお布団屋さんです。 数年ごとに打ち直しをすることで「一生使える、エコふとん」と熱く語る親松さんの姿に「かっこいい...!」と目が覚めた思いがした私たちは、そ

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        • 今日も心に味噌汁を。
          10本

        記事

          DIYで和室を断熱。暮らしを豊かにする自己満足の積み重ね【つくり手であること】

          「あー、寒い寒い」 11月に入ったら朝から晩まで口から飛び出るこのフレーズ。この街に越して以来、築40余年の昭和家屋をお借りしている我が家ではもはや冬の風物詩となってきました。 最初の冬をなんとか乗り越えて、2回目の冬が来る時には夫が天井裏に断熱材を敷き詰め、感覚的にだいぶ変化がありました。ただ今もやっぱり空中は寒い。特に外気によって冷えまくる2階の和室は、真冬になると、氷の館の住人になった気持ちで朝を迎えていました。 とはいえ賃貸だし(DIYはしていいと言っていただいて

          DIYで和室を断熱。暮らしを豊かにする自己満足の積み重ね【つくり手であること】

          「あなたがベジタリアンでも、あなたのねこには関係ないこと」で、手作りねこごはんを始めてみた【つくり手であること】

          (トップの写真はHarukaちゃんが作ってくれた、ラテアートになったきび) 今年7月、突然のご縁で我が家にやってきた生後8週の子ねこ。「きび」と名付けて、shironyanさんをはじめとする頼れるねこ飼いの先輩たちにアドバイスをもらいながら一緒に暮らし、早くも3ヶ月が経ちました。 おかげさまで、よく食べてよく寝てよく遊ぶ。すくすく成長して、体重は3キロ弱。長毛混じりな上に冬毛に変わりつつもある今、とっても立派になってます。 初めはキトゥンフードと子ねこ用のミルク、だんだ

          「あなたがベジタリアンでも、あなたのねこには関係ないこと」で、手作りねこごはんを始めてみた【つくり手であること】

          結論、人生をごきげんに生きるためには政治に関わるしかなかった【つくり手であること】

          先日、片道3.5時間の移動日に、書籍『本当に君は総理大臣になれないのか』を持って家を出ました。ノンフィクション作家の中原一歩さんが、立憲民主の小川淳也衆議院議員に迫る一冊。小川議員にグイグイ質問する中原さんとの対話パートと、中原さんが取材して書き上げたパートに分かれています。 小川さんは、総務省の官僚から政治家に転身された議員。2003年に初出馬してから彼の半生を長い間追いかけていたドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』が映画賞を受賞したりNetflixで配

          結論、人生をごきげんに生きるためには政治に関わるしかなかった【つくり手であること】

          ハレモノな問いこそみんなの問題。「個」をみつめる2本のドキュメンタリーフィルムを観た【つくり手であること】

          LIFULLという会社がドキュメンタリー作品を2本撮ったのでよかったら、とご連絡をいただきました。興味があったのでどちらも拝見すると、いずれも考えさせられる内容でした。ウェブ上で誰でも観れて、短めの作品でもあるので、2本ともこちらで紹介させてください。 その前に、LIFULLさんのことについてちょっとだけ。 不動産情報のポータルサイトを運営するLIFULLは、この数年、特に社会課題の解決に意識を向けている人たちにとって、耳にすることが増えた企業名だと思います。 不動産ポ

          ハレモノな問いこそみんなの問題。「個」をみつめる2本のドキュメンタリーフィルムを観た【つくり手であること】

          読書会に行きませんか?他人のペースに合わせられなかった私が3年続けている、希望のために重ねる学び【つくり手であること】

          ライターである前に、言葉の力を信じるひとりとして、また、社会変容を願って日々行動しているひとりとしても、本が好きです。 本の世界は無限に広く、本の読みかたやペース、冊数、読む理由だって千差万別。世界にいろんな「本好き」がいること自体が愛おしくも感じます。 個人的には、読むペースが読みたいペースに追いつかないことが長年の悩みで、常に「もっと本を読む時間をつくりたい」という課題も否めません。 なぜそんなに本を求めるのか?と自問してみると、本を選ぶことで自分の興味関心の矛先を自

          読書会に行きませんか?他人のペースに合わせられなかった私が3年続けている、希望のために重ねる学び【つくり手であること】

          気持ちの機微を見逃したくない私たちは「きび」と言う名のねこを迎えた【つくり手であること】

          2021年7月、保護ねこを引き取りました。人生で初めて、自分たちの責任と判断で動物の家族を迎えたことになります。 人生で初めて、と書くと友人たちも驚きますが、自分自身がいちばん驚いています。小さい頃、実家には文鳥やインコ、柴犬がいたこともありますし、海外で暮らすようになってからはホームステイ先の犬やねこやフェレット、また前の家では大家さんや隣家の友人のねこが私たちの部屋で寝るほど親しんでいたし、最後は少し介護のお手伝いもして。自分の人生にはいつだって動物がそばにいるつもりで

          気持ちの機微を見逃したくない私たちは「きび」と言う名のねこを迎えた【つくり手であること】

          夏のトマトに、秋のきのこ。未来の自分を助けてくれるご自愛食【つくり手であること】

          トマトが苦手な人には申し訳ないのですが、私にとってトマトは、何にしてもおいしくて幸せの味。ファストでジャンクなフードから、しっかり手間暇かけて作る料理まで、欠かせない食材です。 夏にたくさん食べたくて家庭菜園にも苗を植えますが、夏はおすそ分けいただくお野菜もトマトが多くなるし、さらにトマトは品種が多いので初めて見る品種に出会ったらお店でも買う。故にトマトを食べ続けるのが夏の風物詩です。(あと茄子ね) トマトがシーズンオフの時期はトマト缶が便利ですよね。すでにピューレにして

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          お箸の国の皆さん、どのくらいお箸にこだわってますか?【つくり手であること】

          使い始めてちょうど1年になる、竹のお箸がお気に入りです。 お気に入りすぎて、家族+αの食事用お箸ぜんぶと、調理用の菜箸も、この竹のお箸に変えました。あと人にも勧めまくったので、直接わたしから聞かされた人もいるかもしれません。 1年前に何があったかというと、このメーカーさんを取材する機会に恵まれました。1年前、2020年の春といえば、日本中の物流や購買層が事実上停止し、メーカーは売り先を失うという国内リテーリング全体が想像にしなかった辛さに直面した時です。でもお話を伺った同

          お箸の国の皆さん、どのくらいお箸にこだわってますか?【つくり手であること】

          ザ・夏。清涼感は庭のミントで味わう「モヒート」からはじまる【つくり手であること】

          今年も想像通りの酷暑が来ました。毎日本当に蒸し暑いですね。体力も気力も集中力も負けそうになる日々です。 太陽エネルギーの凄まじさを実感する夏ですが、この陽に照らされても元気で水を飲み続けて成長する植物はすごいなぁ、と手入れが行き届かずに草ボーボーになった庭や畑を見ながら感心してしまうのでした。 そして少しでも、せめて間接的にでもいただこうと思うのか、私の細胞はトマトやきゅうりやナスといった野菜を求めているようで、ひたすら食べ続けております。 そんな中、今年の夏のお気に入り

          ザ・夏。清涼感は庭のミントで味わう「モヒート」からはじまる【つくり手であること】

          計算はできない。人生は梅にまみれながら進む【つくり手であること】

          今の借家には、家の裏に人しれず小さな1本の梅の木があって、毎年よく実をつけてくれています。 通常、梅は、良くなる「表」の年と、そこそこしか採れない「裏」の年が1年ごとに交互にやってきます。しかし、この木と共に暮らして5年目にして、早くもそのカウントが分からなくなってしまいました。 たしか越してきて1年目は14〜15kgが採れて喜び、翌年2年目はほんの3〜4kg程度。そうか裏年だったんだね〜なんて言ってた記憶があります。3年目にはまた20kg前後が採れて、おぉこれぞ隔年結果!

          計算はできない。人生は梅にまみれながら進む【つくり手であること】

          こだわりが上手く語れない 【つくり手であること】

          手元の辞書にはこうあります。 こだわり 【拘り】 他人はどう評価しようが、その人にとっては意義のあることだと考え、その物事に深い思い入れをすること。 おそらく、何においてもこだわりがない、なんて人はいないと思いますが、わたしは最近、自分のこだわりこそ上手く語れないなぁ、と思ったりすることがあります。 昨今エビデンスなる概念が幅を利かせ、なんとなく、感覚的なものへの信頼が失われているように思うのです。でも私のこだわりは感覚的で、且つ、好みの問題も大きいよな、と。 結局のと

          こだわりが上手く語れない 【つくり手であること】

          みどりの指に憧れてみどりのカーテンを待っている 【つくり手であること】

          英語の慣用句に、green finger もしくは green thumb という表現があります。直訳すれば「緑の指」「緑の親指」、意味は「ガーデニングの才能」のこと。植物と上手に接する手を持つ人を表すときに用いられ、小さな家庭菜園がまったく理想に程遠いわたしにとって、喉から手が出るほど欲しいものでもあります。 今の家は中間山地のため湿気が多く、ただでさえ地球全体の気温が上がっているのに輪をかけて、夏の暑さはものすごいことになります。自宅が職場でもあるためエアコンはあります

          みどりの指に憧れてみどりのカーテンを待っている 【つくり手であること】