見出し画像

人と医療を繋いでいく!手もみ総本店厚木愛甲店「てもあつ」オーナー 西岡祐一さん

自身の役割は繋ぐこと!新しい医療の架け橋を作るために、新しい事業にチャレンジしている西岡祐一さんにお話を伺いました。

■プロフィール
西岡 祐一(にしおか ゆういち)
手もみ総本店厚木愛甲店「てもあつ」オーナー

店舗運営暦20年以上、経営暦9年。
過去の運営実績などは、売上500%UPや利益前年170%、1000万程度の資金調達、店舗コンサル、業態開発など、さまざまな修行を積んできました。
現在においても、地域の事業家勉強会の主催や、介護施設へのボランティア活動、大手企業への出張など、幅広く学ばせていただいております。
過去、経営不振な時に、自分の体調を崩し、そこから生き方や健康への意識、取り組みを0から変えてきました。
また家族に精神障害が発症したときから、自分がそういった人たち(健康を失って苦しい人)に、何とかできるものを作り出さなければならない、と思い『医療をつなぐ』ことに向けて行動・挑戦をしています。

1.マッサージ業界を超えた新しい医療へのチャレンジ

記者:今やられている事業について教えてください。

西岡祐一さん(以下、西岡 敬称略):ここのマッサージのお店と、あとはコンサルタントとして事業のお手伝いもしています。エステ事業や、うちから独立したスタッフがストレッチをやってるのですが、それもお手伝いをしたりしています。今は、自分の事業以外のお手伝いが多いですね。

その他に、今お話いただいているのが、大手の薬局さんから、医療モールという何個か医療機関が入っているビルの一角に新しい事業を出して欲しいと言われ、今そこの立ち上げとして事業計画を書いています。

記者:どのようなコンセプトを考えているのでしょうか?ここと同じ様なイメージですか?

西岡:ここと同じではないですね。もっと危機意識が高い方に対して根本的な改善をするようなものです。お客様の動きをみて、どこが悪いのかとか、トレーニングした方が良いとか、ストレッチした方が良いとか。そういうのを診断し、回復に向けていくようなコンセプトをゼロから作って欲しいと言われまして。来月くらいから現場に来てくれと言われているので、今必死になって作っています。

記者:では、それが始まったらそれを含めた3本柱で事業をやられていくということですね。

西岡:そうですね。ただ僕は、ほぼほぼそちらに入ると思います。僕が元々やりたかった事でもあるのですが、僕らも健康に対して活動をしていますが、マッサージには限界があるんです。

接客や接触で人を元気にすることは出来るんですけど、根本的に治したり、医学的なことは出来ないので、そこに関しては無力なんです。一方でお医者さんサイドは、はっきりと診断を言わないといけない仕事なので、患者さんとの接点が持ちにくいという難題があります。だから僕は、大げさなこと言うと、医療を統合したいと考えているんですよ。

記者:医療というのは幅広いですが、全ての医療関係ということですか?

西岡:そうです。東洋医学も、西洋医学も、マッサージ師も、針灸も、整体も、お医者さんとかも、全部ではなくても何か接点が持てて、一人の患者さんに対してチームで向かっていくことが出来たらいいなと思っているんです

皆さんがそうではないと思うんですけど、僕らの業界ってあまり横の繋がりが持ちにくいんです。マッサージ師はマッサージ師、針灸は針灸みたいな。横の繋がりがないから、「あっち行ったらどうですか?」とか、そういうパイプがないんです。全部自分のところで済ませようとするのですが、それでは治んないんですよ。

僕の妹の話なんですけれど、妹は統合失調症という重度の精神障害なんですね。その関係で僕も精神病院行きましたけど、中に入ると凄まじい光景なんです。牢屋以下みたいな…。それを見て、もちろんお医者さんや僕らみたいな人間も一生懸命やっていますが、精神病院に限らず患者さんに対して、何もアクションが起こせてないというのが現状だと思ったんです。

だから、これは僕の考えなんですけれど、それは横の繋がりがないからだと思っています。それを何かしら出来れば良いなと考えていたので、今回薬局さんと組めるようになれば、一歩前進と感じてるんですよね。僕らマッサージ師みたいな接客に長けた者と、薬剤という人を完治出来るモノという。その接点を生み出すこと、そこに注力したいなと僕は思っています。

記者:そうなんですね。医療機関の繋がりを考えてたところに、お話が舞い込んできたと言う感じですね。

西岡:そうですね。たまたまのご縁で、陸上のオリンピックメダリストを育てたコーチの方がいまして。その先生と一緒にやらないかと話が来ました。先生はコーチが専門、とにかくトレーニングとか体作りのスペシャリストなので、経営やマネジメント、経理などは専門外だから組んでやりましょうと。どの様に広げていくのか、というのを一緒にやろうという話がたまたま来た感じです。

2.飲食業界からマッサージ業界へ転身した3つの理由

記者:マッサージの事業は、妹さんのことがきっかけで始めたのですか?

西岡:いや、そうではないです。この事業の前は、サラリーマンとして飲食業をやってました。その時にいろんな想いはあったんですけど、とりあえず独立しようと。漠然と思ってたんですよ。

記者:何かこれをやろうと決めて、というわけではなかったんですね。

西岡:そうですね。父親が29歳で独立してるので、それくらいまでには僕も独立するつもりではいました。でも、飲食業をやることにいついては、想像が出来なかったんです。そう思った要素が3つあります。

一つ目が、飲食業はモノを大量に捨てるんですよ。でも、豚や牛とか生きていたものを、人間の勝手な都合で殺して、それを食べるならいいんですけど、それを捨てるんですよ。もし、お客さんに出した物に髪の毛が入っていたら変えてと言われて、出し物でも捨てられる。

飲食業をやられている方は情熱を持ってやられていると思うし、もし食中毒とかになったら、全店舗営業停止とかになるのでもちろんしょうがない話だとは思うんですよ。でも、これがサービスと言われるのが、僕はどうしても解せなかったんです。サービスで生き物の命を交換するのが、理解出来なかったんですよね。なので、そういう材料を仕入れないで、自分の人間の力でやれる仕事は無いかなと思ったのが一つですね。

二つ目が、すごく忙しい店舗だったので、その当時の僕は、接客ではなく人を捌くようにやっていたんです。そんなある日、お店が空く3時過ぎに、おばあちゃんが1人で来店してお魚定食を食べて行かれたんです。その最後に「とてもおいしかったです、お魚定食。このお魚は、どこのお魚ですか?」と聞かれて。僕が「広島産の瀬戸内のお魚です。」と言ったら、おばあちゃんがすごく喜んでくれて、「それでおいしかったんだ。私広島の出身なの。」って。僕も広島出身なので、話がすごく盛り上がりました。

それで帰り際に、またおばあちゃんが「おいしかったです。また来ます。」と。これはよく言われるんですけど、その後に衝撃的な一言を言われまして。「また来ます、あなたに会いに。」って。「おいしかったです」とか、「また来るよ」とは言われるんですけど、「あなたに会いに来るわ」というのは言われたことが無かったんです。

そこで僕は、お店というのは、人と人とが出会うためにあるんだと。商品を出したり回したりというのは、サービスじゃないと思ったんです。その日からお客さんに対して一人ずつ丁寧に接客しようと思ったんですけど、出来ないんですよ。1日400人くらい来るから。一人ひとりやっていたら、逆にサービスにならない。捌くように回すのがサービスになっているんです。だから、自分でサービスをやろうと思ったところですね。

あとは、飲食業なので朝早くから夜遅くまで仕事してたのですが、夜遅くに電車の人達を見たら、みんな暗いんですよ。絶対そんな暗い顔して過ごしたい訳じゃないと思うんです。元気に過ごしたいはずだし、ご家族だって、お父さん・お母さんだってそんな顔になるために生んだ訳じゃないはずなんですよ。でも、元気になっていない。

それで毎日毎日見ている時に、元気になれる場所が無いんじゃないのかと思ったんです。そういう場所があれば、きっとこの人達は次の日から元気になれるんじゃないか!?” “それ、僕が作ればいいんじゃない!?という、ものすごい勘違いをしたんです。なのでそういう場所を作ろうって、電車の中でフッと思いましたね。

今の3つの要素から、これらを出来る仕事って何だろうって考えた時に、たまたまネット検索してたら今の様な形を見付けて、これで独立しようかなっていうのが最初ですね。

記者:なるほど。ちなみに、今マッサージの仕事以外に起業したい人たちへの支援も行ってますが、それはどのような思いから始めたんですか?

西岡:僕の先生がいましてその方に、「自分が成功やある程度知識や経験を得たなら、月1回で良いからそういう人たちに教えなさい」と言われまして。確かにそうだなと思い、それで活動していました。元々人を育てるとか教えるとかは好きでしたしね。

記者:起業のお手伝いをするようになって、ご自身の中で何か変わったことはありますか?

西岡:起業家や経営者の人は万能で偉いと思っていたんです。独立するくらいなので勇気もあるし、事業をやるくらいだから頭が良いとか、能力があるとかって思ってたんですけど、そうではないということに気付きましたね。みんながみんなそうではない。

逆に言うと、サラリーマンとかで、ちゃんと意志を持って働いている人はすごいと思うようになりました。そんな目を持ってなかったですよ。でも、それが変わりました。役職とかじゃないんですよ。意志があるか。そこだなと思います。教えながら、すごい感じましたね。

記者:仕事をやる上で本当に大事なことは、意志があるかどうか、想いがあるかどうかということですね。

西岡:はい、それをまざまざと感じました。

3.新規事業のその先に見据えるVISION

記者:今新しい事業の立ち上げをやっていますが、その先に見えている目指しているものは何かありますか?

西岡:明確にあります。僕は繋ぐ役になりたいです。僕の性分、徳分はそれですね。逆に、それ以上も出来ないし、それ以下も出来ないです。

組織のトップをやってくださいと言われても、僕はたぶん出来ないと思います。そういう能力がない。僕はそこに来たいセラピスト、整体や針灸で役に立ちたいという人たちを集めて繋いでいく役ですね。お医者さんとか薬局さんとかというものを繋いでいく、そして環境を作っていって、求めているお客様を繋いで形にしていくというのが、僕の役割の様な気がしましたね。

記者:繋がりを作って行く役割ですね。それはどういう時に感じたんですか?

西岡:やはりここでやってきた経験とか、外に出て行って付けていった能力からですね。僕は組織を持てる徳分は無いですね、ズバッと言いますけど。

記者:そこまで言い切れるのはどうしてですか?

西岡:二店舗目を出した時ですね。二店舗目を出した時に情熱が湧かなかったんです。大きい組織にしたいと思わなかった。

一店舗目はすごく楽しくて、仲間と作っている感があって。それで何だか一線から退いてゴールした気になりましたね。損益上は余裕で、三店舗、四店舗出せるくらいの大繁盛店でした。ただ、人の為にやっていたつもりでいましたけど、正直言って薄いし浅かった。今思えば中身がないですね。広がるわけがない。

そしてちょうどその頃経営上の問題も重なり、自分も健康を害したんです。スタッフからもいろんな声が上がって来るし、板挟みで精神病的になりました。それが治って行く過程において、医療のことも全然知らないし、お客さんのことも全然分かってないし、商売のことも何も分かってないし。それでどんどん業績が下がって行く。真綿で首を締める感じでしたね。これどうしたらいいんだろうって。

痛い目にあって良かったと思いますよ。僕は我儘な人間なので、そういうことがないと気付かないなって。本当に苦しい環境が教えてくれましたよね。

記者:そういう経験があってご自身の役割は組織を大きくしていくとかではなく、人を繋ぐことだと感じたんですね。

西岡:その当時は松下幸之助さんとかの本を読んでたから、かっこいいと思ってたんですけど、出来ないことに気付きましたね。それは誰かがやってくれればいいと。

僕は最初に現場へ行って、困ったお客さんに対して、誰が必要か、それをちゃんと聞きとって、ちゃんとご案内していくことをしたいですね。いろんなものを繋げていける人になりたい。それは人だけに限らず、例えば精神障害の人だったら、いい精神科というか環境ですよね。元気になれる環境というものを揃えていける案内が出来る人になれればいいなと思っています。

記者:それによって作っていきたい社会のイメージというのはどんなイメージですか?

西岡:よく僕は言っているんですけど、目に見えないもの、困っているものって山ほどあるんですよ。でも、そこに蓋をしているような気がするんです。そこに普通にお金とかを分配し合えるようになりたいです。

障がい者とお年寄りを一緒に住まわせている地域があって、そうするとお互いに良くなって、治るらしいんですよ。障がいを持ってる子がおじいちゃんに「歩けないから押してよ」って。それで今度は、おじいちゃんはその子に「もっとちゃんとせんといかんぞ!」って。やりがいを持つんですよね。必要とされている、と思う。今の社会は断絶されている気がしていて、それを繋いでいきたいなと思いますね。

記者:本当に人も、地域も、医療機関などもいろんな人・モノ・コトが繋がっていくことは大事なことだと感じます。

西岡分けるのがおかしいと思うんですよね。病人は病人、精神病は精神病という見えない壁があるような気がしていて。地域で一緒に遊べばいいじゃん、と思うんですけど。

僕は、美容も含めた健康医療の範囲内でしか活動は出来ませんけど、出来る限りそういう影響力を持っていきたいなと思います。そのためには自分は、もっと能力を高めないといけないなと思いますけどね。

記者:具体的に今付けたい能力とかは何かありますか?

西岡:具体的にはないですけど、次の現場が決まっているので、そこで成果を上げる力ですかね。結果出さないと話にならないので、夢ばかり語っててもしょうがないんですよ。「この人は治せるのか」って患者さんは思ってます。そういう人を信じさせるようなくらいのものを作らないとダメだと思っています。なので、このお店でも出来ているかどうか分からないし、精神論にはなりますけど、一生懸命やるしかないですね。次の現場は今よりも危機感の高い人達が来るので、そんな中で成果が出せる力を付けたいなとは思いますね。あと医療の知識も全然ないですしね。

記者:医療となるとすごい知識が幅広くなりますよね?

西岡:そうなんです。お繋ぎするくらいの知識はいるなと思っているので、少しずつ覚えていきたいなという感じですね。

4.読者の皆様へメッセージ

記者:では、最後にこれを読んでいる読者の皆様にメッセージをお願いします。

西岡:みんなが繋がっていけばいいなと思います。どの業界においても、そこを目指して、もうちょっと人との繋がりとか、自分の信じるやれそうな人たちと、自分の身の回りを自分の力で良くしていこうとね。大きな事じゃなくていいから、みんなが小さいそういう目線を持ってちょっとずつ活動していければいいなと思います。

記者:本日は貴重なお話ありがとうございました!

*******************

*西岡祐一さんに関する情報はこちら

●手もみ総本店厚木愛甲店「てもあつ」

Facebookページはこちら:https://www.facebook.com/temomiatsugiaikouten717/

●西岡祐一さんFacebookページ
https://www.facebook.com/yuichi.nishioka.71

*編集後記

今回記者を担当した美談と細井です。
ご自身の経験から来る言葉一つ一つには、西岡さんの医療や社会に対する意志や想いが込められており、お仕事前の短い時間でのインタビューでしたがとても濃度の濃いお話を伺うことが出来ました。最後のメッセージにもありました「大きな事じゃなくていい。みんなが小さいそういう目線を持ってちょっとずつ活動していければいい」という言葉は、今を元気に生きれる社会にするためにとても重要な言葉のように感じました。
少しずつ、小さいことかもしれないけれど、だけど確実な繋がりを作っていくこと。この記事を通して、一人でも多くの方とこの想いを共有出来ていたら、とても嬉しく思います。


この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?