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人それぞれのOS、肉あんかけチャーハン、永田敬介

生まれてから10000日が経ったみたいだ。数字を見るとたいした日数じゃない気がするけど、27年もかかったと思うと、ずいぶん長い。

「あたりまえだろ!」と言われるかもしれないが、10000日の次の日は10001日目で、その次の日は10002日目だ(あたりまえだろ!)。とにかく腰が重いし、継続することが苦手なんだと絶望を繰り返していたけれど、これが最後のチャンスかもしれないと思って、懲りずにまたnoteを開いてみました。

そもそもなぜ「文章を書かなくては」と思うのか。それは、「書かなくては死んでしまう人」への劣等感がひどくあるからだと思う。「死んでしまう」というのは大袈裟な表現かもしれないけど、頭の中に浮かんでくる言葉や思想を外部に吐き出してしまわないと大変になってしまう人は存在していて、そんな彼・彼女らの言葉には、他のことをほっぽって、読む人をその言葉に没入させてしまう力がある。

曲がりなりにも言葉を扱う仕事をしているのだから、その境地にあこがれを抱くのは自然なことだ。でも決して、横に並ぶことはできないこともわかっている。

だったらどうしよう。せめて、普通に暮らしているだけでは何も思い浮かばない(本人もびっくり)自分が、それでも日々何を見て、何を考えているのかを書いてみよう。

「書かなくてもぜんぜん死んでしまわない人」なりに、ハードルを下げに下げて、「続けること」を目標に、書くことの練習をしてみよう。そんな感じです。


3月7日

芥川賞を受賞した話題の小説、『東京都同情塔』/九段理江を読んだ。現実世界では実現し得なかった、ザハ・ハディトの国立競技場が建つ近未来の東京。その世界で「犯罪者」は、とある幸福学者が提言した「 ホモ・ミゼラビリス」という新しい呼び名を与えられ、労働することなく、世界一恵まれた環境で読書や音楽を楽しむことができる。

物語には、牧名という建築家の女性が登場する。ホモ・ミゼラビリスが収容されている施設『シンパシータワートーキョー』を設計した張本人だ。彼女の頭の中には「自己検閲者」が存在していて、四六時中彼女の発言を検閲している。

差別的、批判的、配慮に欠けていないか。「人を傷つけない」言葉を選ぶために、「自己検閲者」がめまぐるしく働き、「最適解」を導き出す。まさに、生成AIの働きと同じなのだ。AIは人を傷つけることができない。高速シュミレーションで最適解を導き出し、検閲に引っかかる言葉は発言してくれない。

現実社会も似たようなもので、人は誰かと意見を交わすとき、頭の中の「自己検閲者」がOKを出した言葉を選んで使うようにしている(よね?)。あらかじめ角が取れて丸くなった言葉たち。誰かを傷つけないかわりに、むき出しではない言葉。「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」だ。

自己検閲とは、人それぞれのOS(オペレーションシステム)のようなものだと思う。アップデートしていなければ、バージョンについて行くことができず、検閲をくぐり抜けてしまう言葉たちがある。それらが複層的に混ざり合っているのが今の世の中で、つまりはもう「言葉なんて通じていないのだ」。

それでも相手のことを理解しようとしたり、同情することができるのが動物と人間の違いで、その歩みが止まってしまった途端、分断が大きくなっていくのだろうと思った。

3月8日

「宇宙で3番目にうまいチャーハンがあるんですよ」の誘いで、青海街道沿いにある『中華 梁山泊』へ。22時を過ぎても、店の外には行列ができていた。店内からスピーカーで呼ばれ、カウンターに座るなり、噂の肉あんかけチャーハンをいただく。熱々の肉あんかけとパラパラチャーハンの組み合わせが抜群で、5分でたいらげてしまった。なのに、胃が全くもたれない。結構ヘビーな見た目なのに不思議だ。次は麻婆豆腐と餃子も食べてみたい。

宇宙で3番目にうまい肉あんかけチャーハン

新宿に移動して、西口のバーに入店。店内は真っ暗、テーブルランプがかすかに手元を照らすだけで、他のお客さんの顔は全く見えなかった。人の顔が見えないというだけで、こんなに落ち着くものなのか。「ジンバック」「ダイキリ」「グラスホッパー」を飲み、深夜2時過ぎまで喋り尽くした。

メモ✍️
最強、無敵、最高
ヤンキー、ギャル、ギーク

3月9日

アップリンク吉祥寺で『DOGMAN』を観た。土曜日の15時、満席。

犬がかわいかった

3月10日

座・高円寺で『グレイモヤβ』を観る。昨晩のR-1に出ていた、どくさいスイッチ企画も登場し、サッカーネタで会場を沸かしていた。

お目当てはトリの永田敬介。R-1前日の「エクスカリバー寄席」にて、投票で街裏ぴんくを抜いて1位を獲ったのに「あれは夢だったのか!」と絶望していた。

なんでこんなに笑っている?みたいな瞬間があるのがグレイモヤ。知らなかった芸人に出会えるのもグレイモヤ。推しが増えるのだってグレイモヤ。モヤっとする部分もあるけれど、おおむねグレイトな企画ライブだと思っている。

10億円、やっぱりおもしろいよ!!💸

金魚番長goodでした👌

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