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なんでカッパはキュウリが好きなんだろう?

最近、カッパについて考えて過ごす時間が多かった。比喩ではなくて、妖怪と属されているカッパについてだ。

最近考えいたことをツラツラと書いてみる。オチもなく、ためになる話でもない。

カッパに対して思いを巡らせていた理由は、いくつかある。

たらればさんが紹介していらした本「古生物学者、妖怪を掘る」荻野慎楷 著を読んだことが大きな原因だろう。

また、カメントツさんの「こぐまのケーキ屋さん」でちょいちょいカッパのキャラクターが登場していたことも、わたしの脳裏に焼き付いていたのだと思う。

実際に見たことのないカッパの容姿を、おそらく多くの人が知っている。いまでは共通の認識があるけれど、それも河童の絵として江戸時代に描かれたものがひろく伝わったものだという。

カッパの特徴としては、頭に皿があり干からびるとだめというものや、相撲が好きとか、尻子玉を抜かれるとか、河童の妙薬として万能薬を持っているなど、いろいろとある。そのなかでも、カッパはキュウリが好き、というのは多くの人に知られている特徴だろう。

しかし、だ。
カッパはなんでキュウリが好きなんだろう? 川やら沼、湖などの淡水付近に住んでいるカッパが、キュウリを食べるタイミングなんてあるのだろうか?

いろいろとネットサーフィンで見ていると川の神様や水神様への供物としてキュウリを供えていたことが、カッパはキュウリが好きだという説をみつけた。たしかに、川の氾濫は夕立ちや台風の影響を受けた夏から秋にかけて多かっただろう。

今でこそ天気予報で「明日は夕方から雨が降りそうだね」などわかる。けれど、天気予報の概念が現代とはまったく違った時代であったなら。水神様のお怒りをかわないように」と、定期的に供物を捧げていたことにもたしかに頷ける。

ただ、それでもわたしはカッパに対しての疑問が残る。カッパは一応妖怪に属している。それならば「カッパにキュウリばたけを荒らされた」みたいないたずらをしてもおかしくないのではないか? 水辺から離れて、皿が乾くのを恐れているから、畑を荒らすなんてひどいことはしないのだろうか?

そもそも、普段カッパは何を食べているんだろう? ふとそう考えてみた。キュウリが好物だとはいえ、キュウリだけを食べているわけじゃないのだろう。たまたま供物としてあったキュウリを食べたら美味しくて、好物になったと考えたほが妥当だろう。

淡水域に生息していることを考えると、肉食ならば魚やエビ、カニなどを食べるのが手っ取り早いはずだ。

カッパには魚などが備えているエラ機能がなさそうにみえる。呼吸機能はどうなっているのだろう? 肺呼吸だろうか? それとも時々水面に顔を出せばいいくらいの呼吸機能があるのだろうか。妖怪は呼吸なんて気にしなくてもいいのだろうか。水中生活に適したように、手にはしっかりとした水掻きがついている。呼吸を気にしなくていいのなら、水の中で泳いで魚を捕まえることくらい簡単だろう。

川の中には魚がいる。川魚といえば、ウナギ、イワナ、ヤマメ、アユ、ワカサギ……。

アユか、ワカサギ!

アユとワカサギには共通点がある。
それは「キュウリウオ目」の魚なのだ。ワカサギにいたってはキュウリウオ目、キュウリウオ科である。キュウリウオという魚すら存在する。漢字で書くと胡瓜魚だ。

目(もく)とか、科ってなに? と思われるかもしれない。生物を分類するときに使われているものだ。

キュウリウオ科の魚は、うっすらキュウリに似たにおいがする。青くさいような、さわやかと言えなくもない、においがする。

ちなみにシシャモもキュウリウオ目キュウリウオ科の魚。北海道の市場なら生のシシャモと接することもあるかもしれない。けれど、普段スーパーで並んでいるような加工されたシシャモからはキュウリのにおいは一切しないだろう。

おなじように養殖のアユからはあまりキュウリの香りはしない。天然のアユはあまりお目にかかることもないため、においを嗅いでみるのも難しいかもしれない。

わたし自身、天然アユにお目にかかることはほとんどない。けれど、夫は大の釣り好きで、アユ釣りを専門にはしていないけれど、夏場の渓流釣りならばアユが釣り竿にかかることもあるという。

「アユはそんなにキュウリっぽいにおいしないよ。苔のにおいかな。まあ、青くさいっちゃあ、青くさい」

わたしは夫に「カッパがなぜキュウリが好きなのか?」のひとつの仮説「キュウリウオ科の魚を好んで食べていたんじゃない? だから陸上のキュウリもおいしいって思うんじゃない?」この説をぶつけてみた。

夫は「あー、たしかにそういう説も、あるかもね。ワカサギとかもキュウリウオ科だから」と、わりと普通に受け入れてくれた。

よし。わたしの仮説は間違っていない。カッパの食性からすると、おそらく渓流付近に住みかを作っているに違いない。釣り人がもしもカッパに出会ったなら、釣り上げたアユを差し出せば仲良くなれるかもしれない。おそらく尻子玉を抜かれるようなことはないだろう。

カッパの住処はどこだろう? 水中? それとも川辺に穴蔵を掘って暮らしているのだろうか? 最近は護岸工事も増えているから川辺に住んでいるとなると、住みかも減るし、縄張り争いなんかも起きそうだ。

河童の川流れ、なんて諺があるくらいだ。普段は川の上流付近に住んでいるのだろう。下流に流されてきた、おっちょこちょいのカッパもいるかもしれない。そもそもカッパは海でも暮らせるだろうか……? 浸透圧とか大丈夫なのか、カッパの頭にある皿は、海水で濡らしても問題ないのか?

考えれば考えるほど、カッパについては分からない。(そりゃそうだ、そもそも誰も知らないだろうというツッコミは置いといて)
ただ、カッパの食生活については、少しだけ解明されたようで、わたしにとっては有意義な時間だった。引き続き、考えていきたい。





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