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SUCCESS ! な日々

ほぼ日のTOBICHIにて開催されているキューライスさんの個展に行ってきました。

キューライスさん。ご存知の方が多いと思いますが、念のためご紹介を。

Twitter@Qrais_Usagiや、ブログにて漫画を発表されています。

残念なネコ「ネコノヒー」や、好きなものをやたらと主張したがる「スキウサギ」、朴訥ながらも家族思いの「チベットスナギツネの砂岡さん」など愛らしいキャラクターが大人気です。

ほのぼのした動物キャラクターだけではなくて、15コママンガの「チャー子」など、不思議な世界観も魅力的です。


今回開催されている個展では、スキウサギは「個展反対!」キャンペーンを展開していました。

うん。とてもかわいいです。

スキウサギは、マンガの作者であるキューライスさんの邪魔ばかりしているという印象(設定?)なので、ここでも邪魔したいのでしょう。

展示スペースには、壁にビッシリと普段Twitterで見慣れた4コママンガが飾られていました。ネコノヒーとチャー子の色付けは水彩絵の具で。スキウサギと砂岡さんはデジタルで行われていると紹介されていました。その紹介文には「アドビスキ!」という主張も……。

Twitterでは分かりにくいのですが、水彩絵の具で描かれた原画は本当に繊細でした。微妙な色づかいや、滲んだ絵の具。

私が特に気になったのは、ネコノヒーが旅に出るのだけれど、タコ足配線になっているコンセントが気になって心の底から楽しめない、という絵でした。布団に入った時に、ぼやーんと暗く悲しそうなのですが、黒くにじませたモヤのような色味が、その情景をことさら残念な風合いを醸し出していたんです。

私がお伺いした日(2月20日)は、残念ながらキューライスさんはいらっしゃいませんでした。ですが、普段使用されている道具などは机の上に置いたままになっていて、いろいろとじっくり見てしまいました。作業中にはお香をたかれるのか、お香の燃えたあとが残っていました。

Twitterをさかのぼって、スキウサギの第一回目はどんな話なんだろう? としつこくスクロールしたこともありました。(途中で上手くいかず、断念したのですが……)今回の展示で飾られていて、見ることができました。はじめは全然ウザくなかったのに、一体どこから邪魔しだしたのか……。でも、個展にしたって「反対の反対は賛成」ですからね。

個展では短編アニメーションも上映されていました。すでに整理券は配布済みとなっていて、残念なことに見ることはかなわなかったのですが、YouTubeでもアップされているアニメーションもありました。

「失われた朝食」というアニメを拝見してみましたが、かなりシュールな世界観で、見ようによっては背筋がゾクリとするものです。ネコノヒーや砂岡さんが好きな方には「え? いつもと違う」とびっくりされるかもしれないです。

ただ、スキウサギを見ていると、時々シュールなキャラクター(クリスマスのときに出てきたモロビとコゾリテなど)も出てきますし、お話の展開でも、耳が顔の横にビヨンと飛び出してしまう、などの回もあります。

シュールな世界観や、ホラーな展開って、もう、どんなことが起きてもオッケーなんですよね。私も小説のテーマなどを考える際に、ホラーというか「世にも奇妙な物語」のような展開を思いつくことが多いです。何というか、本当に何でもありなんです。ですので、最後のオチさえ、バチッと決められるなら途中で何が起きても「そういう話」になり得るんです。

キューライスさんは落語がお好きだと、自己紹介されていますが、落語の世界でも「え? そんな展開あり?」というものが結構多いです。幽霊になってでてきたり、突然ヘビに飲み込まれたり。落語も、本当に何でもありなんです。

自由な発想で、くすっと笑わせてくれる作品を生み出しているキューライスさんの作品。突拍子もないようだけれど、かなり綿密につくりあげられた世界なのだと感じました。胸にじんわりと染み渡るココアのように、温かくてやさしい原画の数々を見ることができました。



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