電車の中で雨に打たれて。

第5回ブックショートアワード9月期優秀作品のひとつとして、間詰の書いたショートストーリー「網棚の遊戯者」を選んでいただきました。

第5回ブックショートアワードは「二次創作」をテーマとしたショートストーリーを募集しています。

今回は、江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」と「赤い部屋」というふたつの作品の二次創作です。もともと「屋根裏の散歩者」とにた設定の話を考えていたので、思い切って二次創作としました。原作とは違って、殺人事件はおきません。ブラックコメディっぽい内容です。

突然ですが、電車に乗っているときに、雨のようにしずくがたれ落ちてきた経験って、ないですか?

わたしは、三度あります。それぞれ、違ったシチュエーションで。

一度は、電車の空調が不調だったらしく、風の吹き出す場所から、ぽたりぽたりと水滴がたれてきました。その時は、その水滴は誰にあたることもなく、ぽたりぽたりと一定のリズムを保ちながら落ちていました。

二度目は、わたしが電車のシートに座っていると網棚からぽたりぽたりと水がたれてきました。何かと思って見上げてみたら、わたしの前に立っていた男性の手荷物、お弁当が入っていると思われるちいさなビニールバッグのまわりが水滴に覆われていて、その水滴が垂れおちてきていました。わたしの左太ももにその水滴はぽたりと落ちて、わたしの左隣に座っている女性の右ひざにもぽたりと落ちていて。ふたりで「網棚の荷物から、何か垂れてるんですけど」と言ったのを覚えています。

そして、もう一回は、今回の創作のもとになってて、冒頭のシーンにも起用しました。初めの部分だけはほぼ実話ですよ。

5分くらいで読めるお話ですので、よろしければぜひ! 読んでみてください。

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