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自分の身体で起きていた別々のこと

ことの始まりは十月半ば。
連休にばたばたと大阪の実家に帰り、やや疲れも溜まっていた。

お風呂にゆっくり入ろうじゃないかと服を脱いだら、ふくらはぎや太ももあたりにぽちぽちと赤い発疹があった。
「あー、なんか虫に刺されちゃったかな?」単純にそう思った。けれどかゆくもないし、痛くもない。なんだろう? と思いながらも、その時は別段気に留めずにいた。

しかし、その発疹は徐々に領地を広めてきた。ふくらはぎや太ももに止まらない。鼠径部やら下腹部、おへその周りにと発疹が広がっていく。

考えられる原因はいくつかあった。

まず、かなりイヤな原因だけれど我が家で虫が発生している可能性がある。

うちには外には一歩も出ていないとはいえ、ねこがいる。ノミやダニがいない、とは言い切れない。ただ、ねこは身体をばりばり掻きむしるようなこともない。また、室内を短パンでうろちょろしている夫がいるけれど、虫さされの様子もない。

次の可能性として、アレルギーを疑った。
ちょうど発疹がではじめたタイミングで、わたしは漢方薬を飲みはじめてもいた。

漢方薬については、またしっかり書きたいのだけど、とにかくその漢方薬の副作用的なものかもしれない。漢方薬はいくつかの種類を合わせて飲んでいるので、なにかの成分が身体に合わないのかもしれない。

ただわたしはアレロックというアレルギーがでないような薬も飲んでいて、(漢方薬とは別に処方されているもの)アレルギー症状として発疹が出るのも少し納得できなかった。

おかしいなあと思いながらも、日にちばかりが過ぎていく。十月下旬から十一月上旬は予定も詰まっていて病院に行く時間を取れずにいた。

発疹は日に日に増えるけれど、かゆみも痛みもない。そのため、「わー、また増えてる」と風呂に入るたびにぎょっとするものの、一旦放置していた。しかし放置しているうちに、頭部のうなじあたりまでかゆみを感じるようになり「これはそろそろ病院へ行かねば……」と決意した。腹部から足にかけての発疹もおさまらないし、むしろひどくなる一方だ。念のために漢方薬を飲むのをやめていたけれど。それでも発疹はおさまらない。左半身にとくに発疹が出ていたせいで、もしかして、帯状疱疹かもしれない、という疑念もちらりと頭をよぎる。(過去に帯状疱疹を発症しているため、二度目はほとんどない、としりながらも)

そうして、私は皮膚科へ行った。

診断はあっという間に終わったけれど、なんてことはない「細菌によるただれ」というものだった。しかし、頭部のかゆみは乾燥性のもので、腹部の発疹はズボンなどで通気性が悪く蒸れている状態でおこりやすいもの。

「お薬二種類の抗菌薬を出すけど、全く作用が違うから、使う時はかならず手を洗ってね」と念を押された。また、免疫力が落ちたり、季節の変わり目にでたりするから、薬を塗って落ち着くようならばそんなに気にしなくていいよという診断だった。

頭部と腹部で発疹が出ていたけれど、まったく別々の問題が起きていたのだ。同じ体で、大した距離でもないのに。今回は特に大ごとにはならず、虫刺されでもアレルギーでもなかった。けれど、どちらも予想していなかった診断結果だった。「ムヒEXでも塗っとけば治るか」と勝手に自己判断をしていたら、どうなっていたのだろう。ムヒくらいでは、大したことないかもしれないけれど。

自分の身体に起きていた皮膚の問題は別々の解決方法が必要だった。自己判断をして悪化させてしまう前に、一度専門家や客観的に分析できる人に相談することは大切だと改めて思う出来事だった。



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