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工程管理7

発注・在庫管理

生産活動をしていくなかで様々な理由により、
作業が当初の生産計画通りに行われず
計画と実績に差異が生ずることがあります。

様々ある変動の影響を次工程に及ぼさずに一定水準の
生産を保つために、緩衝(バッファー)が置かれます。

緩衝の種類は色々とありますが、在庫は物による緩衝になります。
在庫は生産の遅れを吸収できますが、
在庫が多くなると管理費用が増大するため、
必要最小限に保たなければなりません。

在庫管理の役割は必要な時に、必要な数量の在庫を最小限維持して、
生産活動の効率化と平準化を図ることである。

在庫の機能

生産活動は原材料の投入から製品の出荷までに多くの工程を経て物が流れるが、
工程間で物が一時ある場所に留まることを「在庫」と呼ぶ。
これらの在庫はその形態によって、資材在庫、仕掛り在庫、
製品在庫に区別される。

適正な在庫を維持するためには生産方式によって重点が変わるため、
生産方式にあった種類の在庫を必要な数量持つことが重要である。

発注方式

外注企業や購入先へ部品や資材を要求することを「発注」もしくは
納入指示という。
生産活動を円滑かつ経済的に行うために「発注方式」があり、
この方式が適切でないと製品の在庫切れを生じ、生産活動に支障が生ずる。
逆に在庫過大になると経済的な損失となります。
また発注量や発注回数を頻繁に変えると、生産工程や外注・購入先にも
悪い影響を与えてしまう。

発注方式は色々な方法が開発されているが、分類すると
1回の発注量が定量か不定量か、発注間隔が定期か不定期かによって大別される。
代表的なものに「定量発注方式」と「定期発注方式」がある。

定量発注方式
発注点と呼ばれる在庫水準を予め決めておき、
入出庫の度に在庫記録を更新し、手持ち在庫量が発注点に達したか確認し
在庫量が発注点を割ったら、予め決められている発注量をその時点で
発注する方式である。
「発注点方式」とも言われる。

この方式では発注量は常に一定なので、使用速度の変化によって
発注間隔は変動する。
原則として
・納入リードタイムが見積もれること
・リードタイム中の使用量の平均がわかっていること
の2点が重要となる。

発注点を求める考え方は
発注点=リードタイム中の平均使用量+安全在庫量
である。

発注してから何日で手元に届くか、その間の使用量はどれだけか、
ということが分かっていなければいけないということです。

定期発注方式
定期発注方式は決まった発注間隔でその都度発注量を計算して
発注する方式です。
定量発注方式とは違い、毎回発注点は変動します。
発注点を柔軟に変えられる、発注忘れをしにくい
などのメリットがありますが、都度計算しなければいけません。

発注量の計算式は
発注量=(リードタイム×発注間隔)予想使用量+安全在庫量−現有在庫量−発注残
となります。

発注量を都度計算するので、
需要変動の大きいものや、高価なものの管理に向いています。

在庫管理の重点

ABC分析
在庫管理をする上で全ての在庫を同じ方法で管理するのではなく、
在庫金額の高価な品は細かく管理をして在庫量を減らす、
安価な品に対しては在庫費より管理事務の費用を減らす。
在庫品を金額の大きさでABCに区分し、区分した品目ごとに
異なった管理をするのがABC分析です。

図にすると下図のようになり、在庫金額の多い順に並べ累計比率をだします。
金額が約75%程度に入る品をAに、約95%に入る品をBに、それ以外をCとする。

・A区分
重点的な管理が必要。
一般に定期発注方式をとり、発注間隔・納入リードタイムを短くすることや、
現品管理を徹底することがポイントとなる。  

・B区分
AとCの間にあたり、重要度に応じて管理を行う。
定量発注方式を取ることが多い。

C区分
多数であるが安価な物が多く、在庫費を抑えるより
管理の手間を省く。
定量発注方式や簡易発注方式をとる。


発注・在庫管理はここまでになります。

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