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いつしか「広げる」ことより「守る」ことをしたいと思うようになった話

2023年末。今年は周りの皆さまの支えなしでは語れない、そんな1年でした。

本当にありがとうございました🙇🏻‍♂️

そんな2023年に感じた自身の心境の変化、
そして今年の出来事についてまとめました。

目的が手段になるとき

変わりたいから、広げなきゃ―。

コロナ禍までの僕はあまり深く考えず、とにかく「変えること・変わること」が目的でした。


…というのも、いわゆる「Z世代」に生まれた僕ら世代は、最初に買ってもらった携帯がスマホで、買ってもらったその日からSNS上で生きている人が多いんだとか。

SNSでの拡散、広がりは正義。
広がれば何かが変わる。
今の自分をSNSで変えたい。

変えるために人脈・ネットワークを「広げる」ことに固執していたし、新しい組織を立ち上げることで「広がり」が生まれると思っていました。

しかし実際は、広がって変わっていくには時間と労力がかかり、その先にある目的を見失ってしまうことも多く、結局何をやってもうまくいかないことがしばしば。

ただただ今の自分に納得がいっていないモヤモヤする時間が流れて、変えたい気持ちと変わらない自分が交錯して必死な日々でした。



そんな僕も社会に出て、色々な人と関わって早5年。
そんな変えたい気持ちにも疑問を持つようになりました。

何のために広げるのか。
広げたら本当に変わるのか。

そこで、改めて自分の「今」大切にしたいことにフォーカスし、考え方を捉え直してみることにしました。


今僕の人生の中のコミュニティの大半を占めているのは、

・手話(ライフワーク)

・新聞(仕事)

・組織活動(サードプレイス)

・家族(プライベート)

そうして改めて考えると
今まで僕が裾野を広げ、関わってきた社会人になってからの日々は、いずれなくなってしまうかもしれない危機と常に背中合わせの界隈で、人間関係がとても繊細で大きな責任感を伴うものばかり。

それら全てに共通するのは
今の僕が守りたいものであり、守るべきものだと思っていることではないかと思うようになりました。

いつからか、その人たちとどう繋がり続けられるか(どう関係を守れるか、どううまくいくか)を毎日考えるようになり、
変えるために広げていたものが、いつしか守るために変えようとしている自分がいる、ような感覚です。

今も昔も、この世界やこの組織を「変えていきたい!より良いものにしたい!」という想いは変わっていないのかもしれないけれど、
変えたいのが目的なのか、守りたいのが目的なのかというのは、認識としてだいぶ変わってるるように思います。

今までは、その場で拾った強力な飛び道具で戦ってきましたが、自分で集めて磨き上げた鉱石で戦いたい、ような。

同じ作る行為でも集めて作ることと、ありもので完成させるのではわけが違います。

型(正解)に合うように集めて、探し回った学生生活から価値観が大きく変わり、
集めまったものの別解を考えたり、箱や仕組み、見方、フレームを作っていくことにやりがい・使命感を感じるようになりました。

そんなこんなで守りたいものがあることとその守りたいもののために行動している自分に気付いた2023年だったのです。


創業守成

それらを守ろうと決めた日からは、変えていこうとしていた日々と打って変わって、
余計に頭を使うようになり、「難しいなぁ〜」というのが口癖にまでなってしまいました。

というのも、これは組織の事業だけでなく、他のどんな事にもあてはまるそうで、継続する事の難しさを説いたことわざもあることを知りました。

創業は易く、守成は難し

・新事業を起こすよりも、現在の事業を継続する方が困難。
・何かを新しく始めるよりも、始めた後に継続し守る方が難しい。

要するに、新しいことを始めることは簡単で、むしろ今まで積み重なってきたものを継続して守ることのほうがよっぽど難しいということです。

”創業”は「事業を始める」「会社や店を興す」、”守成”は「創業者の後を継ぎ事業を継続させる」「築き上げたものを堅固にする」という意味があります。

さらに、上記を略した四字熟語「創業守成」。

由来は、古代中国の皇帝・太宗の書「言行録」の「君道」に文言が記されており、

「国をつくるのと、国を守るのではどちらが困難か?」との質問に、「国をつくるのも難しいが、国を継続させ発展させる方がさらに難しい」と答えた事から、この言葉が誕生したそうです。

生み出すことは難しい。けど、今あるものを守ることってもっと難しい。

それでも僕は守る側の人間になりたい。


なぜそこまでしてそんなリスキーな方に走るのかは、おそらく過去に原因があると思うのですが、ここでは割愛します。

とにかくMBTIの診断では何度やっても「主人公」だったのは事実ですので、僕の性格が気になる方は下記のサイトを一読ください↓

広げることが難しい時代

守りたいなぁと思った理由として、
自身の性格は一因としてあるにせよ、
現実問題、広げることが難しい時代になったからなのではないか、とも思っています。

現代は一昔前と比べると歴然ですが、SNSが飽和状態にあります。
趣味・嗜好が多様化していることもあり、時間がいくらあっても足りない時代の真っ只中です。

あと、これはあくまで僕が最近感じている主観(で言い方も悪い)ですが、
自分が良ければそれでいいという考える(自覚していない)人が多い気がしています。

誰かと一緒にとか誰かのためにと考える人がそもそも少ない。
特に若者は時間のかかるような複雑なことを嫌がる。
面倒なことがあれば楽な方に楽な捉え方をしがち。

タイパやコスパといった言葉が世の中のデフォルトになっているのは何よりの証拠かとも思います。


また、SNSで誰もが発信できるようになった現代だからなのか、
俺はこいつよりすごいんだぞって、誰かと比較して何かに勝ったり見せつけることが羨ましくなくなってしまったり、張り合おうとしたり、そんなの気にせずありのままに生きようと逆に割り切ったり、色んな考え方が可視化されやすくなっています。


各々の今が楽しければそれでいい。今をシェアして楽しむ時代。

そんな混沌とした面白いが面白くない世の中を作っているようにも思います。


でも逆に、今の時代は自分の「好き」が見つかりやすい時代になったともいえるとも言えるので、新しい事業で起業・兼業・副業する人が増えています。

ところがその一方で、僕みたいな人が所属している古くからの組織で文化や伝統を承継しようとする人材は少なく、貴重になりつつあるんじゃないかなとも思うわけです。

そんな現実視点からしても、自分が活躍できそうなフィールドであるので、
広げることよりも守る方を選んでいる理由になっている気がしています。(結局は性格も影響している気がしますが。笑)


守るためにやったこと

そんな2023年は「nature」というテーマを掲げて走り続けてきました。

今までの僕は「こうなりたい」という目標(ゴール)に向かって一年間走り続けることが多かったけれど、今年は自然に身を任せて、その時々の状況に応じて柔軟に過ごすことができたように思います。

慌ただしい一年で、目標なんて立てていたら何も達成できなかったように感じます。

中でも「ミニマルコミュニティ」「ライフワーク」「インテグレーション」とカテゴライズして自己整理できた2022年の自分を活かして過ごせたのも大きな特徴です。

2023年のテーマ全体

かなり自分の人生観が俯瞰して可視化できるようになり、選択と集中がうまく噛み合っているようにも思います。

そんな今年の大きなトピックスは大きく分けて3つ!

①別解ラボ、リアルイベント開催
②若者手話サークル、D-Liveふくいの立ち上げ
③子どもの誕生、そして育休取得


それぞれの成果について簡単に振り返ります。


●別解ラボ メモリアルイベント
 〜ミニマルコミュニティ〜

2020年4月のコロナ禍からオンラインでのつながりを広げ続けて創ったコミュニティ「別解ラボ」。

念願の100回目を1泊2日のメモリアルイベントとして京都で開催しました。

全国から集まったメンバーたち。
オンライン上でしか会ったことないメンバーばかりの不思議な空間でした
初対面なのに話は尽きず。
朝まで語り尽くしました!

メンバーと一緒に約半年かけて「新しいイベントの形」の別解を導きました。

昨年ふと思いついた造語「ミニマルコミュニティ」。それを体現させる企画で、10人前後で物事を進める可能性を感じました。

個性を個性で終わらせず、それをうまく融合させて何かを生み出す。
そういう実験的なコミュニティはポテンシャルが高いと思いますし、コロナ禍発のレガシー的なものも感じています。

だからこそ守りたいし続けていきたい。
そう思える唯一無二のコミュニティです。


●若者手話サークル D-Liveふくい
 ~ライフワーク〜

昨年、手話関係を「ライフワーク」としていきたいと決めてから、悶々と考えていて立ち上げた渾身の団体です。

背景としては、福井県の手話関係の団体は若い会員がいなかったことがあげられます。

活動が真面目そう、であったり、会費が高かったり、と何かと敷居の高いイメージがありました。

そんな各団体へ入会する若者を増やすために、団体の入会体験要素も兼ね備えた、若者だけが入れる手話サークルを作りました。

その名も「D-Liveふくい(ドライブふくい)」。

D-Liveふくいのロゴマーク。
トレードマークは初心者マーク🔰
立ち上げイベントでの様子。
30人以上の参加者で盛り上がりました。

聞こえない人の団体と聞こえる人の団体が両輪となって走り続けられるように、
D(=Deaf/Deep)について考えられるように、などいろんな想いを込めました。

一番の特徴は活動場所や日時を決めないということです。
先にも書いたようにタイパを重視する現代の若者に対しては時間や場所に制限があるのは足かでとなります。

そこで、新しい手話サークルでは、
自分たちの集まりたいときに集まりたい場所でやりたいことをベースに集まることを基本
としました。
そんな自由が織りなす組織があってもいいんじゃないかという提案でした。

6月に立ち上げ、約半年が経ちました。

今では全部で30人もの県内の聞こえる・聞こえない若者が不定期にサークルにに参加しています。

先日は筋トレ目的にサークルメンバーが集まりました。

全国の類を見ない若者だけの手話サークル。
全国初のこの実験的な試みということもあり、不安なことや超えなきゃいけないハードルも多いですが、同世代のメンバーと協力しながら進めています。

詳しい活動内容、活動の様子はホームページをご覧ください。

手話や聞こえない人の生活・文化を守りたい。その一心でこれからもライフワークとして取り組んでいきます。


●育休取得
 ~インテグレーション~

今年の何よりのトピックス、子どもの誕生。

大変とは聞いていたものの、本当に大変で、目まぐるしい日々を過ごしています。

色んなものを融合させる考え方「インテグレーション」の実現として、1か月間の育休取得。その期間は、僕にとって大きな挑戦でした。

会社や手話関係の各団体から一定期間離れることになりとにかく初めてだらけで不安ではありましたが、大変充実した期間となりました。

育休期間、毎日日記をつけ、当時の心境をガムシャラに綴りました。本当に大変でした(途中何言っているか分からない日もあります汗)

それでも、そういう経験でしか成長はできないと思いますし、成長しなければ理想の父親にはなりえません。

だからこそ自分に課題をつきつけ、乗り越えなくてはいけない状況を作る。
そんなドMな?主人公気取りな性格が故の今な気がします。

早いもので、来週になれば生まれてから半年となるわけなのですが、仕事から帰るたびに成長が著しすぎて、毎日が本当に楽しいです。

最近は首が座り、寝返るようにもなり、キョロキョロしたと思えばなんでも口にほおばり、僕やママの顔を見るとニヤリと笑い、居なくなった途端に泣き出す、など少しずつコミュニケーションがとれるようになってきました。

本当に一緒にいて飽きません。

僕の父親としての成長できるのは、息子の成長があってこそ。

彼も一生懸命生きているのだから、それに負けないように僕も懸命に生きていきたいと思うようになりました。

子どもとの時間(家族の時間)は守らなくてはいけない大切な時間です。

クリスマスの一枚!


これから、ここから。

2023年は僕にとって大きく変わった1年であったと同時に、昨年から続く自己分析(命題)に一定の僕なり答え(解)が出せた1年でもありました。

去年の自己分析は的を得ていたし、それがより実感・実態として可視化された1年だったように思います。

人生の目的が変わったことも自然なこと。

ですが、こんな自然(nature)に寄り添うかのような振り返りになっているのは、自然ではありません。むしろ不自然です。笑

周りで支えてくださったみなさんがいてこそ成り立っている(実は人工である)ことを忘れてはいけません。

改めて感謝を申し上げます。

もらった恩は計り知れず、自身の環境もガラリと変わっているので、すぐに今まで以上に頑張って来年は今年の何倍も成果を出す!なんてことは無理かもしれません。

それでも、蒔いた種は芽が出始め、それぞれの育て方みたいなものもだいぶ分かってきたように思います。

目に見えて成長が分かるタイミングはそれぞれ違うとは思いますが、
自然に任せている部分と人工でテコ入れしなくてはいけない部分がうまくいって、いつかどこかで素敵な花を咲かせる日がくる予感はしています🌸

そう、きっとこのままいけば来年に起こる出来事は今年から始まっているものばかり。
そんな気がしています。

これから(来年)は全てここから(今年)はじまる。

そんなキーメッセージを残して今年の振り返りとしたいと思います🔑

今年は大変お世話になりました。
来年もみなさんにとって幸せ溢れる1年になりますように!💐

2023.12.30 まえけん

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