見出し画像

あれから2年。

音楽って不思議。その時々はただ好きで聴いているだけなのに、しばらく経って耳にすると、意識せずとも過去の情景が思い浮かんで楽しくなったり感傷に浸ったりできてしまう。

どこにも書かないつもりだったけれど、そもそも恋愛系の話をあんまりしない私は、「書かない・言わない」だとずっと自分の中に残りそうなので、(後で消すかもしれないけど)ここに吐き出してみようと思う。

私は2019年の8月に離婚した。まぁ当然の流れだと思っているし、それ自体に後悔とか未練は無いと言って間違いない。強がりではなく、本当に。

では何がこんな記事を書かせているか?

良い人だったな、という温かい気持ちと、私結構ひどいことしてたな、という反省。あと、話し合ったり向き合ったりしなかったことへの後悔。(離婚自体は後悔していないけれど、そこに至るまでの経緯のこと。)

誰が読んでも、嬉しくも楽しくもない内容を書いているのはわかっているけど、今の感情を昇華させたいのでつらつらと。3部構成でいきます。

画像1

良い人だったな。どこが?

半端なく頭が良くて、冷静で論理的。でも状況に合わせて思いっきりはじける事もできるし、家では歌ったり踊ったりすることもある。情報の取捨選択や優先順位付けが上手だから都会的でクールな見た目や雰囲気を持っているけれど、田舎育ちならではの優しさがある。ベタベタの優しさではないけれど、ちゃんと適切に相手を思い遣ることができる。

仕事においては、自分で営業することもできるけれど、マネジメントや企画にも才能があるし、すべてに置いて抜け漏れがない。ほぼ100%ない。だから少し一緒に働いたら誰もが彼を信頼する。上にも下にも媚びないし、どうかしたら私よりもはっきりとNOが言える。クレームや突発的な対応も彼に任せればまず間違いない。

異常な読書量からなのか、文章を書くのがめちゃくちゃ上手い。ワードセンスもピカイチ。でも人前で話したり相手を説得したり、交渉事にも強い。お金をかけるところとかけないところの判断が素晴らしい。家族との距離感も素晴らしい。肌と髪がキレイで虫歯がなくてメガネが似合う。

*****

勢いに任せて書いたら、10分足らずでこんなに出てきた。すごいな。

私は4年付き合って結婚したけれど、そのとき周りに「なんで結婚しようと思ったの?」と聞かれる度に、こう答えていた。

いや逆に、結婚しない理由がない。完璧やろ。

そして彼が当時周囲に話した私との関係の例えもかなり好きだった。

俺が石橋を叩いても叩いても心配で渡れずにいると、さっと俺の手を引っ張って走って渡っていくタイプの人

そうだね、その石橋がもし壊れて2人が落ちても、私は崖に生えてる木にでもつかまって笑いながら助けるよ。……多分そんなことを言った気がする。

万が一、彼が批判の的になったり一人ぼっちになるようなことがあっても、私は全力でそこから守って彼を助け出す自信があったし、逆のことが起きてもきっと同じようにしてくれるだろうと確信が持てた。2人でいるから2人共最強になると思えた。そんなことって、中々ない。

すごい人といると「それに比べて私は……(私なんて勿体ない)」と考えそうなものだけど、不思議と全く思わなかった。むしろ、全然違う生き方とベクトルを持った私はぴったりだと思った。(強気すぎて逆にちょっと笑える。)

画像2

私、結構ひどいことしたな

正確には、したなじゃなくて「してたな」。

詳細については、さすがに公の場で書きたくないので書かないけれど、(恥ずかしながら)特にお金の面でボロボロだった。最後の2年くらいはそれ以外が原因で結婚生活がほぼ破綻していたけれど、そこにばっかり目がいっていた自分にがっかりした。

うまくいっていたときから、私は甘えてごまかして真剣に考えることを放棄していたと思う。割と長所になりがちな私の楽観的な性格が、悪いふうに出てしまっていた。

「最後の2年、なんであんな感じになったんだろう」ということは、たまに考えることがあったけれど、それ以前の自分の行いを思い出すことはあまりなかった。でも最近になってたまに思い出して、今更ながら情けなくて、過去に飛んで行って説教したいような気分になる。まぁもう、それは糧にするしかないんだけど。

話し合わない、向き合わない

よく聞く言葉で、「付き合ってるときはお互いを見て、結婚したら一緒に前を向く」みたいなの、あるじゃないですか。まぁそれはそうだと思うんだけど、一緒に前向くだけじゃなくて、たまには横見て声掛けたり方向確認したりしないと駄目だと、今となってはめっちゃ思う。

2人とも感情的になることがないから、まともな喧嘩もほぼしたことがなくて。でもそのうちに、空気が悪くなるのが嫌で、言いたいことも言わなくなってしまった。小さなすれ違いをちゃんと話し合って解決していけばもっと絆が深まるはずなのに、それを怠った結果、気付かないうちに見えないくらい遠くに行ってしまった感じ。

一言でいえば、バカだったな、と心底思う。私はあまり人に相談とかしないから余計にそれに気付くチャンスがなく、目の前の問題点を勝手に ”大したことないもの” として見てみぬふりをしていた。1個ずつ解決すれば簡単だったかもしれないのに。なんで仕事みたいに考えられなかったのか、不思議でしょうがない。

反省点は多々あるものの、それと同時に楽しかったときの思い出があふれ出て来て、「あぁ、めちゃくちゃ楽しかったから尚更、それをダメにしてしまった悔しさが半端ないんだな」と気付く。

いつだって、失ってから気付くんだな。

画像3

とまあ、そんな感じ。どんな感じ?という感じではあるけれど、やっぱり書いてすっきりした。何も知らない人が読んだら、未練たらたらだと思うのかな。でも案外、そうでもない。

今だって、彼のことを悪く言うことはないし、結婚生活をミスだ失敗だと思うことはない。飽き性で熱しやすく冷めやすい私が8年も一緒にいられたのだからそれだけで奇跡に近いし、得られたものは数えきれない。

元気でやってるかな。幸せかな。石橋、渡れてるかな。

別れたら友達になるなんてもってのほか、連絡もしないのが今までの私だったのに、彼だけはまた話したいと思う。

あなたのおかげで、頭の良い人に会っても臆せず話せるようになったよ。苦しい状況でも冷静に物事を整理することができるようになったよ。

TSU●●YAで猫のためにレンタル用のバッグをもらったり、カフェで見かけた外国人に英語を習おうと駅の改札まで追いかけた私を思い出すことはあるかな?「滅茶苦茶やな」と笑ってくれた日々は、どこかで私を強くしてくれてると確信してる。

心の中で思っとけばいいのに書いてしまった。
音楽のせいだな。不意に流れてきたスピッツ聴いちゃったからな。あの頃めっちゃ楽しかったもんな。さ、週末何かしよ。


10円のサポートでも、もらえた事実が素直に嬉しいです。私も同じ金額を誰かにサポートして繋ぎます!