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フランス3日目で罰金支払う

あっちゃーな出来事は旅をするとつき物だし、ある意味忘れない思い出になる。
ただ、もう2度と経験はしたくないが……。

日曜日の早朝にスイスのジュネーブ空港に到着して、車で20分ほど行くと妹の自宅に到着する。妹の家はスイスではなくフランス、これからそこに3週間滞在する。

スイスのジュネーブは国際機関の集まる街なので、わりと都会。かつ、レマン湖があったり自然がいっぱいで見どころは多い。一方、妹の住む街はフランスの田舎で近くにはパン屋さん、肉屋さんくらいしかない。(今のところそれしか知らない)

月曜日は家でゆっくり休んだ。夜中に目覚めたり、時差ぼけは完全に抜け切らないが、火曜日にはどこかへ行きたくなった。妹家族はみんな学校か仕事。私が普段の生活に乗り込んだのでしょうがない。どこかへ行く場合には全て自力。だけど、この場所に来るのは3回目だし、バスさえ使いこなせればなんとかなる。

火曜日はジュネーブにある「国連」に行ってみようと思った。これまで何度か通ったこともあったけど、ゆっくり見学するチャンスはなかったから、気になっていた。

バタバタと生活する妹、朝出勤する直前にジュネーブ行きのバスの乗り方を聞いた。最寄りのバス停、下車するバス停、時刻表も教えてくれた。そしてチケットの買い方も聞いた。「バスの中でみんな買うから聞いたらいいわ」と。了解。

早めに家を出てバス停に10分前には到着。アフリカ系女性や大学生らしき人が数人待っていた。そこに、ベビーカーを押したママ、友達同士でおしゃべりしながらの女子たちも続々と来た。そしてほぼ定刻通りバスはきた。二両編成の長いバスだ。

それぞれ前や後ろから乗り込む。私たちも二両が連結する、ちょうどバスの真ん中のドアから乗った。
乗ったところには、日本でいう整理券の機械のような形の赤い機械があった。私は「これだな」と思った。だけど、私より先に乗った人は誰もそのチケットを購入している様子はない。その周りに人もいないし、バスは出発して運転手さんに聞くのも良くないかと思った。しかもフランス語は無理なので、誰が英語を話せるのか、誰が親切に教えてくれるのか……そんなことを考えながら、席も確保したかった。

チケット販売機

とにかく娘を座らせて、私も横に座ったけれど心中穏やかではない。妹は「最初にチケット買う」と言ってたから。

2、3個先のバス停まで来た時、急にアフリカ系女性の1人がスッと立って、赤の機械でバスのチケットを2枚買った。一枚をもう1人に渡し、またスッと座った。
「2、3個先のバス停からでもチケット買えるんだ」と思った。

その途端、前のドアから黒尽くめの制服を着た集団が5、6人乗ってきた。気がつけばバスの後からも乗っていた。そして次々とチケットをチェックしに回っている。

黒づくめのコントロール集団。揉めてる人のやり取りをみんなじっと待っている。

「コントロール」というチケット拝見集団だ。私は「よしチケットの買い方を聞こう」と思った。

私「チケットの買い方が分からなくて、今買えますか?」
コ「ここから乗ったのか?」
私「いや、2、3個前のバス停です」
コ「不可能だ、罰金になる」
私「だってフランス語もわからないし、買えなくて。今支払うから」
コ「機械は英語もある」ニヤ。
私「え、、」

その後は罰金の支払い方をフランス語訛りの英語で喋っていたが、私は聞きたくもなかった。ただ「72ユーロ」と聞こえてきた時に、慌てて日本円に換算していた。この直後にクレカで支払ったのだが、後で支払い明細を見たら「11922円」が引き落とされていた。

悲しき罰金明細書

コントロール集団の威圧感が凄すぎるのと、周りの目も怖くて特にジタバタしなかったのだが、他の席では沢山の荷物を抱えた女性が同じくお咎めされていた。英語で必死に説明していたが、結局は明細にサインしていたので支払うことになったのだろう。

私の隣に座っていたアフリカ系女性が私に切なそうな顔を向けてきた。
そのとき「あ!」と思った。そうか、2、3駅後で慌ててチケットを買ったのは「キセル」を逃れるためだったのか……。確信犯はこっちじゃないか、コラ〜!

「国連」の最寄のバス停まで来て降りた。バスの出来事はすぐに忘れたかった。いよいよ国連のゲートまで来て、係の女性に聞くと見学にはネット予約が必要だと。ははは、予約もせずにまた無計画に乗り込んだ私。しかも外で使えるwifiを準備していない。今回は妹の自宅や店などにあるwifiで生活できそうと思っていた。幸いGPSは機能していたので、地図を頼りにジュネーブ散歩をした。それしかする事がなかった。

うまく回らない日もあるよね・・国連前にて

帰り、もちろんチケットを購入してから乗る!と決めていたので、今度はジュネーブ駅にあるチケット販売機に行った。もちろん英語表記に直して確認したんだけれど、結局スイスからフランスに国をまたぐチケットかつ、距離ごとのチケットの買い方が複雑すぎてギブ。すぐ横にいたおじさんに聞くことにした。親切な方で、下車駅も確認し、大人1人、子供1人を無事購入。

帰りのチケット無事購入の記念撮影

ホッとしてバスに乗り座った。するとまた2、3駅過ぎたところで「コントロール」集団が乗ってきた。今度はスイス側のチケット拝見のようだ。

私は堂々とチケットを見せた。係の人は一瞬止まったように見えたが、何も言われずホッとした。

帰宅して、妹家族に今日の一部始終を話した。そして、私の帰りのチケットを見せると「高い!」というので驚いた。調べてみると、どうやらまた間違ったチケットを買っていたようだ。しかもスイス側にしか通用しないチケットで、もしフランス側のコントロールが来たら、罰金になっていたというのだ。

おいおい、本当に勘弁してほしい。もう、バスには乗りたくない。乗って、正解のチケットを買える気がしない。




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