見出し画像

日本語とフランス語と英語のはざまで


フランスに来て1週間半ほど経った。
そして、ようやくこの場面が見れて私はすごくうれしい。
写真の左は私の娘、日本語と英語のミックスで育っている。右は私の姪っ子、フランス語と日本語のミックスで育っている。

娘は前回の渡仏以来、フランス語に興味を持ち、日本で買ったテキストを気が向いた時にすすめている。今回それを持ってきた。

姪っ子は普段はフランスの学校へ行き、週一で日本語の補習校に通う。

夕方、娘はフランス語テキスト、姪っ子は日本語補習校の宿題を自然発生的に始めた。

姪っ子が日本語でつまずいたとき、娘が教える。例えばカタカナで書くものに丸をしなさいという問題。「らんどせる」正直、ランドセルなんてものはフランスにないのに、こんな問題はかわいそうだけど、その存在を説明する娘。

娘のフランス語発音がおかしなときは、姪っ子がサラッと言う。「r」が日本人には出したことのない音。犬がガルルルル…と威嚇するときの「ル」に近い、痰がらみのような音。祖母が「るりこ Ruriko」なので、こんな場合はもう誰を呼んでるのか分からなくなる。フランスでは「Luliko」に変えたほうがいいことに気がつく。

こんな風にお互いに教え合っている。

私の経験から、結局語学は生活の中で学ぶことが1番の近道だと思うけど、その中でも子ども同士で学ぶことが早道だと確信している。

とは言え、フランスに来て娘が教えてもらって話せるようになったフランス語は、訳せば「私はあんたじゃない〜うんこ、おなら〜」など、到底普段は使えそうにない(でも使ってる)内容。まぁ、そこからでも口に出すことが大事なので、ヨシとしてる。

ただ、言語習得は子どもであっても簡単なことじゃない。姪っ子が毎日フランスの学校の宿題をする時、泣き叫んでいる。書けるけど読むのが苦手なのだ。できない自分に「わたしはわたしがキライ!」と何度も絶叫しているのを聞くと切なくなる。

小さな頃から多言語で育つと単一よりも少し発達の伸びは遅い。それを娘でひしひしと感じる。同年代より、文の組み立てが上手くいってなかった。でも、英語が理解できるからこそ日本を出ても起こってる状況を理解するのも早いし、すでに私を助けてもくれる。

この2人のことばが、大人になったらどうなるかは全く分からないけど、ずっと写真のような関係だと、いいなと思う。

泣き叫んだ姪っ子の楽しみは、寝る前に私が読む「おしりたんてい」か「ゾロリシリーズ」だ。これを読んで落ち着くのが面白いけど、喜んで聞いてくれるからうれしい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?