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【宿泊レポート】登別温泉郷 滝乃家(2019〜2023年)

ここのところ毎年2〜3月頃にお伺いしている和風旅館が、滝乃家です。北海道の中でも温泉街らしい温泉街である登別温泉郷の、その中でも老舗旅館として誰もが認める存在の宿です。

これだけ何度も訪問しているのには理由が。そのまず第一が、建物の美しさです。2008年に竣工した今の建物は、老舗の伝統と現代建築の快適さが融合したもので、オレは大のお気に入りなのです。特に好きなのは、窓ガラスがどこも広くとられていて、それが常にきれいに磨かれていること。

談話室からの庭の眺め
ロビーからも奥に続く建物の姿が

宿泊者のパブリックスペースとして、ゆったりとした椅子とフリーのコーヒーが楽しめる談話室があるのですが、ここから眺める庭が殊の外、好きなのです。その隣には立派な一枚板のカウンターが迎えてくれるバー「白樺」が。24時まで営業のこの店で、寝酒にいいウイスキーを一杯だけ…という、ちょっとした贅沢が楽しいのです。

宿泊するのは、いつも露天風呂付き客室。ベッドルームの他に和室にリビング、そして何よりの特徴は、食事室があること。渓谷に向かって開放感のある食事室にはテーブルと椅子があって、そこへ仲居さんが一品一品運んできてくれる懐石料理を味わうことができます。

懐石料理には強肴として、こんな洋風の一皿も登場

つまりは部屋食なのですが、隔てられた食事室ということで椅子に座って、またプライバシーは保たれたままで美味しいものを味わえる…というのは、本当に便利です。

部屋の窓からの自然の景観もこの宿の特徴。毎年楽しみにしているのは、シカに出会うこと。こんな風に目が合うことも…。

窓の外の急斜面にシカが餌を求めてやってくるのです

だいたいいつもチェックイン可能な15時ぴったりに宿につき、部屋の露天風呂に入浴しながら、スパークリングワインなぞをゆっくり味わう…という過ごし方。昨年仲居さんに、2泊目の方がいい食材の料理が出ると聞き、今年は2泊してみました。中一日もあると、地獄谷など付近の散策をゆっくり行うこともできます。

もちろん温泉は部屋だけではなく、大浴場でも。最上階の渓谷に開けたお風呂のかっこよさは、なかなか他の温泉旅館では見られません。地階には自然の中の露天風呂に、じっくりと浸ることができます。

最上階の浴室を、最初に泊まった時にこっそり撮影。開放感抜群です。今はお風呂への電子機器の持ち込みが、厳しく禁止されていますので、こんな撮影は行わないように

城崎温泉の西村屋さんのように、仲居さんがぴったりとついて、部屋食、布団の上げ下げ…という伝統的な和風旅館もいいのですが、やっぱり今の感覚だと食事室&ベッドという滝乃家さんのスタイルの方が、連泊してもゆっくりできる気分。この「連泊しても」というところが、今後のキーワードになるのかもしれません。

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