見出し画像

ROMとはなにか?

おはようございます。またはこんにちは。もしくはこんばんわ。マゲっちSCと申します。8月も21日を迎えまもなく長かった夏休みも終わろうとしていますね。この時期は例年であれば残暑が厳しく夜中でも25度以上の熱帯夜になる頃合いですが、今年はそういう気配もなく昼間さえなんとか凌げば夜は涼しいですね。ただ、一方では秋雨前線のもたらした集中豪雨による被害も多く見受けられています。早く秋雨前線が去り涼しい日が来るといいですね。

さて、前回のブログではゲーム機の周辺機器という話題で、主にファミリーコンピュータについての周辺機器と中心にお話させていただきました。今回はそのファミリーコンピュータに長らくソフト媒体として活躍していたROMのお話です。お話をする前にそもそもROMとはなんぞや?ということになりますが、これはリードオンリーメモリの頭文字を取ってROMと呼んでいます。リードオンリーですから読み込み専用。つまり何らかのデータを書き込むことはできないというのが大前提です。しかし、PCやゲーム機を含め。様々な電子機器のROMにはすでに何らかのデータが入っています。何のデータも入っていないROMはただの金属チップに過ぎません。また近年ではROMであるにも関わらず、データの書き込みや消去が可能なものも出回っています。

まずお話するのはマスクROMと呼ばれるものです。先程申し上げた電子機器のROMに以前たくさん使用されていました。今も一部の電子機器などではマスクROMが使用されています。このマスクROMに家電メーカーで作られたプログラムが記録され電源が入ると起動します。そしてボタンなどが押されるとそれに応じて様々な動作をするというわけです。用途としては向上で使われている産業用ロボットの動作制御。和ゆる組込みシステムのファームウェア(産業用ロボットの動作制御を行うためのOSのようなもの)の記録媒体として使用します。他にもプリンタの漢字(フォント)ROMや音楽機器(エレキギターやシンセサイザーなど)の音色データを入れたり、電子辞書の辞書データの格納にも使われています。ファミリーコンピュータやスーパーファミコンのソフト媒体もこのマスクROMです。1つ作るのには手間とコストが掛かりますが、量産することによってコストを低くすることができます。また、構造が単純であるため集積度を高くすることが可能になります。ある時期ファミリーコンピュータディスクシステムが流行りましたが、2年後くらいに廃れてしまいました。その原因の一つがディスクカードの容量をROMカセットが凌駕してしまったためです。

マスクROMに記録できる回数は1回です。そのためマスクROMに焼き付けたあとで実際に製品を起動させてみて不具合が発見された場合、そのマスクROMはもう使用できなくなります。コンピュータ上でテストを行っているとはいえヴァーチャルな環境下でのテストになるため、実際にマスクROMで実機に搭載してテストを行わなければなりません。現在ではあまりこういう事例はありませんが、もし商品として販売されたあとでユーザからの報告で不具合が発覚した場合は当然リコールとなります。ファミリーコンピュータやスーパーファミコンなどのマスクROM媒体でゲームを発売する場合も、きちんと確認はしていますがやはり当時の開発現場では人員をあまり割くことができなかったりしたため、メーカーによっては致命的なバグがあってもそのまま発売していました。しかしそれを逆手に取り、バグ技を裏技と称してゲームクリアに使用することもありました。またゲームメーカー側も敢えてバグなのか、仕様なのか微妙なラインで隠し技としてあくまでも遊び心の一環としてバグを入れているゲームソフトもあります。

続いてPROMです。マスクROMと同様に通常は読み込み専用なのですが、専用のROMライターを使用することで1度だけデータをROMに焼き付ける(記録する)事ができます。ただし、1度データを保存してしまうとデータを消去することができないため再利用は不可能です。マスクROMと特徴が似ていますが、マスクROMほど製造期間が長くなくコストも低くなるため、主に家電用に使用されています。ROMライターと未使用のPROMさえ入手できればPCで作成したプログラムを個人でPROMに焼き付けて使用することができるため、昔は記憶媒体の1つとして使用されることもありましたが、現在ではPROMを使うメリットは家電などの製品に入れるもの以外はほぼないと言えるでしょう。

続いてEPROMです。これは家電製品でも情報家電と呼ばれる製品についていることが多かったものです。主に使用されているものはPCのBIOSを記録するためのROMとして使用されていました。現在はフラッシュメモリに置き換わりつつあるそうです。EPROMはROMであるにも関わらず中のデータを消去することができ、新たなデータを入れることが可能になっています。強い紫外線を当てることによってデータを消去します。ただし、何度もデータを書き込めたり消去することができるわけではありません。また、EPROMのデータ書き換えには時間がかかります。構造上の問題なのですが紫外線を使ってデータを消去する以上、集積率が上がると光が届きにくくなるためです。また書き込みには専用のROMライターが必要なのだそうです。現在ではフラッシュメモリに取って代わられているため、ほぼ目にすることはなさそうです。

続いてEEPROMです。EPROMでは紫外線を使ったり書き込むためにEPROM用のライターが必要でしたが、EEPROMでは電気的にデータを書き込んだり消去したりすることが可能です。ユーザ側での操作により容易に書き換えが可能になっていて、現在ではUSBメモリに使用されています。EPROMはデータを消去する際に機材の構造上取り外しを迫られることもあるそうなのですが、EEPROMは電気的に処理を行うためその機材にEEPROMを取り付けたままでデータの消去が可能になっています。例えばUSBメモリ内のデータを消したい場合、PCに取り付けたままデータの消去が可能です。しかし書き換え可能回数は無限ではないため注意が必要です。ただし、書き換え可能回数は現在では100万回単位となっているため、事実上は回数としては無限と言ってもいいかもしれません。またEEPROMに記録されたデータの保存期間は約10年と言われています。湿度が高い場所では記録された電荷が徐々に失われていき、データ消失が起きる場合もあるため保存する際は湿度にお気をつけください。

続いてフラッシュメモリです。これはEEPROMの一種なのですがEEPROMが1文字単位でデータを消去するのに対して、フラッシュメモリはブロック単位(ざっくり言えばファイル単位)でデータを消去することができます。現在ではUSBメモリやSSDにこのフラッシュメモリが使用されています。しかし、記録を何度も行うと記憶素子が劣化していき、SSDの種類によっては数百回程度で記録ができなくなってしまいます。そのため、PCを起動するためのOSのデータやどうしてもCドライブに入れなければならないソフトはSSDにインストールし、それ以外の画像ファイルや起動が遅くても構わないソフトに関してはHDDに入れるという工夫が必要になります。半導体であるため以前はとても高価だったのですが、現在では量産され徐々に価格は下がってきています。

他にもCDやDVDを利用したCD_ROMやDVD-ROMもありますが、長くなるため次回へ持ち越ししたいと思います。ROMは金属製の製品だけではなく、読み込み専用であればCDやDVDを使用したものでも構いません。では次回は光ディスクを使用したROMについてお話いたしますので、ご興味がありましたらまたお立ち寄りください。それでは失礼いたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?