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Nachtmusik

きみとふたり
肩を寄せあって
夜は静かで
吐息が聞こえそうで

もう十分に
満たされていると思うのに
それでもなお
愛しさがこみ上げてくる

愛はどこから生まれるのだろう
この尽きない想いは
どこから溢れだすのだろう
深い森の泉のように
絶え間なく

手を握ると
壊れそうに細い指が
ぼくの手の中で
優しく息づいている
ずっとそばにいてね
ため息のような
儚い約束

泣けるほどに愛していることを
認められない時もあった
走り出した夢を
優先させたわがままなぼくだった
きみじゃなければ
愛は育たなかった
ありがとう
ほんとうに

手を伸ばして星をつかみ
きみの髪に飾る
ふたりにしか見えない光に
きみが目を細める

宇宙に取り残された
ちっぽけなぼくら
長い刻の中で
一瞬輝くだけの生命
まわりまわる運命が結ばれて
こうして寄り添えることを
どう感謝したらいいか
まだ
わからない

ぼくの生命が尽きるとき
きみは泣かないで
その穏やかな笑顔を
忘れたくないから
きみはいつも
笑って

きみのひざの上で
目を閉じているぼくの髪を
梳いている手が
もう恋しくて
身を起こしてきみを抱き上げ
明かりのともるぼくらの城へ還る
足元の枝がパチリと鳴った

ふたりだけの城が
ふたりだけの夢に誘う
夜は静かで
吐息が聞こえそうで


ERICA

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