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在宅ヲタク、ついに現場へ

ハロヲタになって10数年、基本的に在宅派(ライブやイベントに行かないヲタク)を貫いていた。

今までコンサートに行ったことがあるのは一度きり。9年前、モーニング娘。'14のさゆの卒業ツアーに初めて行った。高校2年生の限られた財力と行動範囲でよく決断したと思うが、あのときの「本物のメンバーが実際に存在する!」という感動は今も忘れていない。

では、そんな僕がなぜ現場に通う熱心なヲタクに成長しなかったのか。まずはシンプルに環境もあると思う。大学で長野に進学したので、近隣でコンサートが行われる機会が非常に少ない。大学生なんて時間だけはあるだろと思われるかもしれないが、意外と大学時代の僕は部活に他の友達との遊び、大学の実習と忙しくしていた。正直、コンサートやイベントに行きたいという欲もそこまで湧かないほど、他の楽しいことで満たされていたとも言える。

そして、社会人になり、とにかく時間だけはなくなったが、ある程度金銭面では自由は効くようになった。限られた休みでもとにかく何かをして休日を充実させたいが、友達ともそうそう予定が合わせられるわけではない。じゃあ今こそ、自分の好きなことに足を運んでみるべきじゃんと思って、今回ライブに9年ぶりに行くことになったわけだ。

今回足を運んだのは、つばきファクトリーのライブだ。以前、つばきの魅力について語った記事も良ければ読んでほしい。
https://note.com/magicjjj/n/n7ac2bea34d49
シンプルにライブと休みの日程があった、つばきのライブならファンクラブ会員じゃなくても簡単にチケットが取れる(これは少し複雑な心境だけど)、あとは今秋で2人のメンバーが卒業するというタイミング、今の体制を見ておきたいという気持ちがあったからだ。

会場は、9年前のモーニングのときと同じ日本特殊陶業市民会館(ハロプロの名古屋公演ではお馴染みの会場)。会場について1番に思ったのは、「ヲタクって本当にこんなにたくさんいるの?」って事実。在宅派の僕にとっては、メンバーカラーの衣服を身に纏い野太くコールをするヲタクも、メンバー同様動画の中の存在だったので、ここにいる人みんなつばきヲタなんだという事実にただただ圧倒された。

わりとギリギリに会場入りしたため、会場は既にカラフルなヲタクたちで埋め尽くされている。そして開演直前になると、戦闘モードになったヲタク達が立ち上がり、メンバーの名前をコールし始める。ここでも僕はちょっと「うわぁ…」って引いてしまった。自分でも良くないと分かっているが、きっと僕の中に同族嫌悪的な、ちょっとヲタクのヲタヲタらしさを怖いと思う部分があって、それも現場派になれない理由だったのだと思う。

幸い、僕の席が2階のほぼ最後列だったということもあり、付近はわりと控えめに楽しんでる人が多めの印象だった。ほぼ初めての現場で猛者だらけの1階に放り込まれなくてヨカッタ、などと思いながら、いよいよ開演。2階席でも、全然余裕で肉眼でメンバーが確認できる。うわぁ、本物だぁ、なんて感動。

次々と実際にライブで聴いてみたかった曲が披露されて、曲に合わせて自然と身体も動く。サイリウムもタオルも持っていなかったけど、せめて楽しんでるよってことは身体で表現したかった。ただ、どうしても歴戦の猛者たちのように太い声のコールってものが出来なくて、ちょっともどかしい思い。

アイドルのコンサートって、やっぱりコールがあって完成するものだと思うから、自分自身が恥ずかしさとか、あとはシンプルに声質とか声量とかの問題でコールができないってのはヲタクとしてのコンプレックスを感じた。もちろん、楽しみ方は人それぞれなんだと思うけどね。メンバーもいわゆる「おまいつ」と呼ばれるようなヲタク達がたくさんいることを分かってか、その濃いヲタクたちとの信頼感ってすごくあるように見えるしね。

そんな若干の劣等感と寂しさもありつつ、やっぱりライブは楽しかった。普段動画などでは見慣れすぎて当たり前に思っていた歌唱力やダンススキル、そして良すぎるビジュアルなどが、彼女達の日頃の努力の賜物なんだろうなぁと想像するだけで頭が下がった。1人の根暗ヲタクだけど、こうして会場に足を運んで歌やダンスに元気を貰っているよ、って存在証明することも、現場に行くことの意味のようにも感じた。

終演後、少しだけSNS上で知り合ったヲタクの人と話すことができて、今度は連番したいね、なんて話ができたのも嬉しかった。何事も、やっぱり慣れというか楽しむためのスキルは繰り返すうちにどんどん身についていくものだと思うから、ぜひこれからは在宅ヲタ時々現場くらいのスタンスで、ライブにも行きたいなと思った。

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