積年のお詫びと最近のスタンダードについて

はじめに

お久しぶりです。こーへーです。

先月ラダーからスタンダードをやりこみ始めたので環境のデッキについて、雑感をまとめていこうと思っているのですが、タイトルにもあるようにお詫びと近況報告から始めたいと思いますので興味のない方はもくじからスルーしてください。

お詫びと近況報告

まず私事ですが、今年から転職をして金銭面・メンタル面において余裕が持てるようになりました。
一度は落ちに落ちたスタンダードへのモチベーションも戻り、上記のようにアリーナラダーを走るようになりました。
以前では様々なことを言い訳にして絶対に出ていなかったであろうMFOQやRedbull Untappedなどにも参加するようになりました。

これまでの自分の行いはとても褒められたものではなく、人間関係においてもマジックにおいても、沢山の人に迷惑をかけ、嫌な気持にさせたことも多々ありました。
該当の方々にはご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした。


信じてもらえるかもわかりませんし、これが今まで迷惑をかけてきた人達の目に届くかはわかりませんが、僕はこれを転機とし、マジックプレイヤーとしても一個人としても変わっていこうと決意しています。
それを信じてもらえるような立ち振る舞いやプレイヤーとしての結果も、実際の行動で示していく所存です。

今更の、さらにこういった形で謝罪や今後について伝えるのが適切なのかはわかりませんが、もしこれが目に・耳に入って、自分を信じていただけるなら、僕は今現在仲良くしてくれている皆さんも含めて、これから・これからも皆さんと関わっていけたらいいなと思っています。

そういった思いも込めて思い切って環境を変えた節があったので、何としてもこれを実らせてみせたいと思っています。

イコリア発売後のスタンダードについて

さてもう一つの本題についてですが、現在は新型コロナウイルスの影響もあり、在宅勤務を行っている日々です。
これによって片道一時間以上かけていた通勤時間が無くなり、PCの新調も相まって久しぶりにアリーナのラダーをやるようになりました。
上記のような理由もあり、競技マジックへのモチベーションも高まり、4月・5月はどちらもミシック入りを達成し、順位も4月は最終的に24位で終え5月も1桁~2桁を彷徨っています(まだ月末ではないので新たなデッキを探す過程で1000位付近まで弾け飛ぶことも多々ありますが…汗)。

アリーナのラダーを走る上で、環境で最も優れたデッキを探すため現スタンダード環境の様々なデッキを回しました。
それこそ、アリーナのデッキページがごちゃごちゃして見にくくなるほど沢山のアーキタイプや構成を試し、4月開始時点では殆ど持っていなかったスタンのカードも、今では組めないデッキがほぼないほどになってしまいました。
せっかくなのでこの2か月弱で試したデッキについて、雑感をまとめていこう、というのが、本稿の本題になります。

使用したデッキの全てを紹介するのは文量の関係でできませんので、中でも印象強いものを選んでご紹介します。

バントコントロール

使用デッキ1

まず、一つ目が主に4月末時点のメタゲームで最も優れていたと個人的に感じているデッキ、バントコントロールです。
実際4月末に僕が回していたのがこのデッキで、月末に放置せずに僕レベルのプレイヤーでも24位で終えられたことからもデッキの地力の高さが伺えます。

こちらは、KanisterことPiotr Głogowski選手が使用したリストをベースにサイドボードのみ少々変更を加えています。
このリストは非常に革命的で、これより前のヨーリオンバントといえば《世界を揺るがす者、ニッサ》入りのランプ構成が主流だったのです。

ランプ構成の何がよくなかったのかというと、マナランプというアーキタイプになると序盤の《成長のらせん》や《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を引けているか否かがデッキの強さに直結するのに、80枚とそれらを引く確率が下がっていることだと思いました。
ですから、僕自身このデッキが現れるまではヨーリオンというカード自体も好きになれなかったのですが、その問題点をこのバントコントロールはクリアしています。

マナ加速にデッキの動きが依存しておらず、プレインズウォーカー3種と青お告げ、エル勝つ、工作員によってヨーリオンのバリューもしっかり出ています。
さらに、相棒環境によって相手の相棒を見たうえでキープ基準を定められるため、80枚の引きムラも然程気になりません。

このデッキは、強いだけでなくデッキの枚数を増やすことはあり得ないという自分の凝り固まったカードゲーム観を打ち壊してくれたいいデッキでした。
ですが、バントコンの天下もあるデッキの登場により、長くは続きませんでした。それが次のデッキです。

ジェスカイルーカファイアーズ

ジェスカイルーカ

4月末から5月頭にかけて爆速に増え、5/20現在まで環境トップに君臨しているアーキタイプです。
5ターン目に《裏切りの工作員》を踏み倒して出せるアンフェアさを持ち合わせながら、ラスやサイド後はカウンターなどを用いたコントロールチックな立ち回りもでき、メタりにくく動きも強い万能なデッキです。

このデッキが現れた当初流行っていた上記のバントコントロールはメインに入っている確定カウンターの枚数が少なく、《サメ台風》や《太陽の神のお告げ》による揺さぶりも相まってかなりルーカファイアーズ側が有利に立ち回れていました。

ちなみに僕自身の使用感としてはかなり悪かったです。
自分のプレイスキル不足もあるのですが、アグロに寄せればミラーに勝たず、ミラーに寄せればアグロに勝たず、中間のリストではどのマッチアップでも求めているような勝率が出せないというジレンマに陥ってしまいました。
ファイアーズを採用している以上、メインボードはカウンターを入れたくないというのが個人的な見解なのですが、ファイアーズ4と《ドビンの拒否権》複数枚がメインから同居したリストにどうしても勝てずフラストレーションばかりが溜まり諦めてしまいました。

しかし、現在でもMIQなどの突破数ではこのアーキタイプが抜けて多く、母数の多さを配慮しても高い勝率がでています。
ゲームの中盤以降では《裏切りの工作員》の素出しも強く、《ドビンの拒否権》などでは《空を放浪するもの、ヨーリオン》や《裏切りの工作員》が消せないため打ち消す側にも噛み合いや技量を要求されます。
僕自身は勝てませんでしたが、おすすめのアーキタイプのひとつです。

ティムールアドベンチャー

ティムールアドベンチャー

MFO Finalの優勝デッキであり、先述のルーカファイアーズに強いデッキとして注目を集めているデッキです。
また、僕自身がルーカファイアーズ台頭後に最も勝率を出せたデッキでもあります。

ティムールエレメンタルなども同時期にルーカファイアーズに強いデッキとして現れたデッキなのですが、どちらも共通して、《裏切りの工作員》に何を取られても痛くない、という共通点があります。

そのうえで、エレメンタルは歪なマナカーブ(工作員や根本原理などの重いカードが異常に多い)など、単純なデッキの強さに疑問が残ると考えているため、ティムールアドベンチャーはエレメンタルの上位互換である、というのが個人的な見解です。

ティムールアドベンチャーは3つのデッキの強みと2つの環境的な強みを持っています。

デッキの強み
1. 《幸運のクローバー》を絡めた理不尽な動き
2. 《エッジウォールの亭主》によるアドバンテージゲームが可能
3. 《願いのフェイ》によるメインボードからの柔軟な対応
環境的強み
1. 先述の通り、流行りのルーカデッキに強い。《裏切りの工作員》耐性がある
2. 《サメ台風》に強いと再評価されている《厚かましい借り手》がナチュラルに4枚採用できる

ジェスカイルーカや青白コンなど、《サメ台風》を採用したデッキが多い中で《厚かましい借り手》が4枚入っているというのは、少し気付きにくいですが、このデッキが今勝っている理由の一つになっていると思います。

また、最後に注目していただきたいのが《成長のらせん》2枚の枠です。
これは従来であれば《冒険の衝動》だった枠なのですが、先日のRedbull Untappedで津村 健志選手が《成長のらせん》にして回していたのをコピーしました。

《成長のらせん》を試していて感じたのは、これにより一段階デッキが強くなったということです。
このデッキは世間的に「クローバーを引かないとき弱すぎる」とよく言われますが、それはある程度事実だと思っています(だからこそキープ基準が大事だったりマッチアップ次第ではクローバーのない手札をキープするのですが、今回は割愛)。
ですが、この変更によりその点が少し解消されています。

初動が3ターン目のクリーチャーや《豆の木の巨人》によるランパンからだとあまり強くなく、その前に《冒険の衝動》を唱えてもそれは改善されませんが、2ターン目に《成長のらせん》を唱えることができれば1ターン早い《僻境への脱出》などで中盤以降のテンポの捲りが期待できます。
キープ基準も増えますし、僕はこのスロットは明確に《成長のらせん》の方が優れていると思います。
このリストを仕上げた津村プロはとてもすごいと思いました(サイドカードは津村プロのコピーではありません)。

ティムール再生

ティムール再生

こちらもルーカデッキに強いとされているアーキタイプです。というより、ルーカかルーカに強いデッキしか良しとされていない環境だと思ってます。

こちらはカウンターが多く、さらに自身もコンボを内蔵しているため、ルーカを弾きつつカウンターのないルーカに対してコンボを決める動きが強みのコンボコントロールです。

僕が使用した写真のリストはデッキ名「ティムール再生"3"」からわかるようにいくつか試したうちのひとつです。
このリストは一般的なリストより除去が多いのですが、サイクリングや赤単への勝率が上がらずやむなくこの形にしました。
当然ながら元来有利のはずのルーカファイアーズに対してカウンターの減少により取りこぼしが目立つようになり、MIQやRedbull Untappedでの使用を諦めました。

上記の理由で大きな大会での使用には踏み切れませんでしたが、基本的な使用感は悪くなく、こちらも比較的おすすめのアーキタイプです。
環境に寄せてリストを弄ろうとして各アーキタイプに対する勝率のアベレージが担保できなくなり破綻するのはジェスカイルーカと同じ流れで、僕の調整はこれが多いと感じているので今後の改善点として意識しなければなりませんね。

奇数赤単

奇数赤単

《太陽の神のお告げ》やスイーパーがこれだけ環境にある中で勝っているアグロデッキです。
基本的にはこの奇数赤単と最近増えつつあるマルドゥナイトが環境にいるアグロになります。(サイクリングをアグロと呼んでいいのかわからない)

デッキリストは市川ユウキプロのリストの完コピなのであまり言うことはありませんが、デッキへの印象としては徐々に勝ちにくくなってきている印象ではあります。
僕も使い始めはかなり勝てていたのですが、市川プロが使い始めたときはまだローグ的な立ち位置のデッキで、世のルーカデッキはミラーに向けて躍起になっている頃でした。
奇数赤単のポテンシャルが認知され、母数が増えたあたりからサイドボードも十分に取られ始め、徐々に勝率が落ち始めたため今現在のおすすめ度は若干落ちています。

青白コントロール

青白コン

今現在、もしかしたら最もホットで流行っているデッキかもしれません。
熊谷選手によるMIQ突破Redbull Untapped優勝が記憶に新しいアーキタイプです。

軽いカウンターを多数搭載することでルーカデッキへのメインボードの勝率を上げ、コントロールミラーで強い《サメ台風》に強い《厚かましい借り手》を4枚採用するアプローチが取られています。
また、サイドから入る《太陽の神のお告げ》はアグロキラーのカードでヨーリオンで使いまわすことでバリューが増します。

僕の使用感としても上々で非常に完成度の高いデッキリストだと感じました(優勝するくらいなので当たり前だが)。
その他コンボなどが内蔵されているわけではなく純粋なコントロールなので、コントロール好きにはたまらない構成になっています。
最近最も愛用しているデッキで、非常におすすめです。

セレズニアオーラ

セレズニアオーラ

赤単、マルドゥナイトに続き新たに表れたアグロの形。
ふざけた見た目とは裏腹に存外デッキは強く、僕は現在ミシック帯ラダーで6-1の戦績を出せています。

特にデッキ構成を知られていないと、安易に打ち込んできたラスを《ケイラメトラの恩恵》を合わせてそのまま勝ち、などローグとしての強みが存分に生かせます。
魂絆クリーチャーが多くすぐにクリーチャーが火力圏外になるため、アグロデッキとの直対も有利なのが強みです。

さらに最大の特徴はアグロデッキなのに《太陽の神のお告げ》に対して比較的耐性があること。
これがこのデッキが今強い利点になっていると思います。
環境に存在する速度の速いデッキは軒並み《太陽の神のお告げ》が苦手なため、青白ベースのデッキはアグロ対策を基本的に《太陽の神のお告げ》に寄せています。
なので、今現在は非常に立ち位置もよくラダーの勝率もかなり期待が持てるでしょう。
アグロデッキの中ではいま最もおすすめのデッキです。

唯一、青白コントロールとの対戦で気になっているのが《神々の思し召し》の弱さについてです。
他のマッチでは気にならないのですが、こと対青白コントロール戦においては、《神々の思し召し》ではラスを耐えられず《ガラスの棺》に対して使うとオーラが全て剥がれてしまうという弱さが気になってしまいます。
主にメインはテフェリーのスタックで使用するかサメにブロックされなくなるように青のプロテクションをつけてサイド後は抜くのですが、やはりそれではアクションとして弱いのでいっそ《神々の思し召し》は全てサイドに回してもいいなと感じています。

自分のクリーチャーにプロテクション白をつけてオーラが全て剥がれるミスはしないように気を付けましょう。
また、もう一点注意するといいのは、《命の恵みのアルセイド》はエンチャントも守れる点ですね。よく工作員でクリーチャーを取ることを諦めた相手が《きらきらするすべて》や《成長の季節》を対象に取ってきますので忘れないようにしましょう。

まとめ

さて、ここまでこの2ヶ月弱で使用した中からいくつかの使用感などをご紹介してきました。
だからどうという話ではありませんが、自分の考えとすり合わせるのに使っていただいたり、暇つぶしの読み物として使っていただけたら幸いです。

また、冒頭の謝罪に関しては心からそう思ってます。重ねて該当の方々にはお詫び申し上げます。

またこんな軽い感じで次の記事(ブログ?)をまとめていけたらなと思っています。せっかくこのコロナ禍で、良くも悪くもマジックに打ち込めているので自分の思考を形に残しておきたいと思ってます。

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