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「古巣に向かおうと思う」
「学校に古巣とかあるの?」
「漫画部」
「え、お前漫画部だったの?」
「強制入部で名前選びしたら読む方じゃなくて描く方だった」
「そら部活で読む方に特化した漫画部は存在しないでしょってか読む方に特化した漫画部ってなんだよ」
「まぁそんなわけで、今日だけは漫画部に返り咲きだよ」
「なんで突然」
「佐伯がアシスタントを募集しているらしく暇な俺に白羽の矢が立った」
「佐伯って、A組の?」
「そそ」
「暇とは言えお前に漫画の何が描けるの。液状の犬しか描けないじゃん」
「逆を突けば芸術だからな。ベタやらされんだよ」
「へー、俺でも出来そう」
「じゃあ一緒に行く?」
「えー」
「まぁいいよ、また明日な」
「はーい。佐伯ね。ふーん」

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