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e-sportsの練習とは

※初めての投稿なので拙文お許しを。

この文章の要点
・e-sportsがどのような練習をすべきかについて記載
・e-sportsでも、題材となっているスポーツの戦術が活用できるはず
・戦術を学び、練習に取り入れることで更なる高みにたどり着けるのでは

Sportの意味を知っているだろうか。この文章を執筆するにあたり調べてみたところ、元々は気晴らしや遊びを意味する「deportare」というラテン語を語源に、それがやがて運動や競技を意味するsportと呼ばれるようになっていったらしい。
今やsportsという言葉は語源を離れ身体を動かすというイメージが強く、sports =サッカーや野球など、いわゆる体育会系の競技を思い浮かべる。
一方で、これから取り上げるe-sportsは世間一般でいうsportsからは程遠く、非体育会系の競技、というイメージである。
もちろんどちらも競技である以上sportsではあるのだが。

Sportsとe-sportsが同じ土俵上で平等に扱われるためには、それぞれが同じsportsであることを世間一般に認めてもらうことが大切である。
しかし、両者が別物と認識されている以上、地道にイメージを変えていくしかない。
この文章では、sportsでは当たり前に取り入れられているが、e-sportsでは取り入れられていない(と思われる)部分の練習や体制に目を向けてみたい。
そして、これらが実現するとき、もしかしたらe-sportsは少しだけsportsっぽくなっているかもしれない。

sportsに限らず何かを学ぶ、もしくは上達しようとする際、コーチや先生に教えてもらうことや、時には本を手に取り学ぶことが一般的だろう。私自身もサッカーや弓道を行ってきたが、コーチなどから自身の悪い部分を指摘され、改善を積み重ねることで上達してきた。
教えられる側であればそれで良いのだが、教える側となると少し難しくなる。後輩などに教える機会もあったが、誰に対しても適切に指導を行うということは中々容易ではない。良い選手が良い監督になるわけではない、と言うが、細かいことでも習得に苦労した選手であればあるほど、苦労している選手の気持ちが分かり、その壁の超え方を理解しているからであろう。

ではe-sportsはどうだろうか。
現在e-sportsの最前線に立っているプロ選手たちは、みな自身が道を切り開いてきた才能のある選手である。すなわち、誰に教えられるわけでなく、自身を師とし、繰り返しの経験と反省の中で強くなっていったと考えられる。そこには、素晴らしい才能と経験が備わっている一方、第三者的な視点からの助言や指摘などは、チーム内からあったとしても他の競技と比べるとどうしても欠けてしまう。つまり、現在のe-sportsの世界にはなるべくしてなった指導者がいないのである。
e-sportsの黎明期と言える今、e-sports選手はどのようにして練習を行うべきなのだろうか。この問いについて、私がやってきたサッカーを例に、sportsとe-sportsの両側面から考えてみたいと思う。
 

ほとんどの人は小中学校の体育の授業でサッカーをやったことがあるだろう。サッカー部が意気揚々とボールを蹴り上手いプレイを見せてくれるが、拮抗した試合の中ではそうはいかない。誰がどのように動き、仕掛けるかといった戦術が要となり、戦術一つで勝敗が分かれると言っても過言ではない。サッカーとはそのようなsportsである。

これを踏まえてe-sportsのサッカーを考えてみる。先日、テレビでウイニングイレブンというサッカーゲームの世界大会の様子が特集されていた。
とある日本のプロe-sports選手の練習風景が映されていたが、この選手、当然プレイは上手いのだが、オフェンス(サッカーの攻め)が苦手なのだという。
ではどんな練習をしていたかと言うと、元日本代表のサッカー選手に、サッカーの戦術を教わっていたのである。この時はコーナーキックの戦術を含めた練習をしていたが、練習が功を奏したのか、直後の世界大会ではこのコーナーキックが決まり、優勝を果たしていた。
 

私はあえて、sportsとe-sportsのサッカーと記述したが、どちらもサッカーであることに変わりはない。見ようによっては、e-sportsのサッカーとは、全選手を直接指揮する監督のようなものである。したがって、e-sportsのサッカーの戦術をプロサッカー選手に教わるのは非常に理にかなった練習だと思う。
ここではサッカーの話をしたが、他の競技でも同じことが言えるのではないだろうか。FPSや格闘ゲームでも、ゲームの腕はもちろんのこと、勝つためには必ず戦術が必要である。本来はさまざまな苦労をしてきたe-sports選手が監督になるべきだが、もし今のe-sports界にそのような指導者がいないのであれば、あえて同じ競技のsports界から人を連れてくるのも良いのではないか。
 

近年、多くのsportsチームがe-sportsへの参加を表明している。一見すれば同じ競技というだけで共通点が無いように思えるが、前述の点を考慮すれば、サッカーチームがサッカーゲームを行うこと、野球チームが野球ゲームを行うことに何ら違和感はない。Sportsで培った戦術をe-sportsに反映することで、e-sportsだけでは考えられないようなプレイが生まれるかもしれない。逆に、実践では考えられないような戦術がe-sports内で考案され、sportsに逆輸入される日が来るかもしれない。はたまた、e-sports選手がプロsportsの監督になる日も来るかもしれない。

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