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日記:20231020〜岡野博覧会〜

 仕事後に草月ホールで岡野陽一さんの単独ライブ「岡野博覧会」を見る。
 月見ルあたりと同じくらいだろうと徒歩で行くつもりだったのだけど、家を出てからルートを確認したら1時間以上かかる道のりで、慌てて電車で行くことにした。青山あたりの位置関係が全然わかっていない。ザ・マミィに案内してもらうチケット買っておけばよかった。

 わりと後ろの方の席だったんだけど、すぐ前にアフロの男性がいて、岡野さんが座って演技するとちょうど岡野さんの顔ともじゃもじゃの髪の毛が重なって、気が散ってならなかった。前回はすぐ後ろの客席で、ラジオか何かを鳴らし続けてる客がいたし、いつもこんな目に遭う気がする。
 まあ、バカリズムの単独ライブで隣の酔っ払った女にゲロ吐かれたのを上回ることはないだろうし、あってほしくないけど。


【ネタバレを含む感想です】
 コントというよりも岡野さんの哲学をぶちまけるような内容だった。
 1本目の動物園のネタが特に好き。自分より下の生き物を世話することで満足感を得る飼育員と、自分より下の生き物を観に来る客たち。つい最近、動物園に行ったばかりで、本当にそんな風に思っていそうな入場者もいたから引き攣った笑いが出た。

 全編を通して、気持ちよく笑うというよりも、どこか心に引っかかりながら笑うしかない、といった居心地の悪さが魅力だった。
 ふだん自分が暮らしているところとは決定的に異なる文化の住人に、聞いたことのない思想を吹き込まれているような感覚。でも決してそれは自分と無関係なものではなく、どこかで刺さるところのあるものだった。

 ゲスト出演の子役に海物語を打たせて、客席みんなで応援する時間が延々と続いたの馬鹿馬鹿しくてよかった。意外とああいう場面になると、気の利いた応援の台詞って出てこないもんだな。やっぱり芸人さんのガヤの瞬発力、ワードセンスってすごい。
 
 本編が終わった後の挨拶で、岡野さん自身が「ふつうはお笑いがあってそこに思想を(スパイスとして)入れるけど、思想のスープにお笑いを入れた感じになってしまった」と話していて、自分が見ながら思っていた感想の通りで笑った。それが岡野博覧会の魅力なんだと思う。次回もまたぜひ。

 オープニングとエンディングの曲はNaNoMoRaLの新曲。
 「どうしよ」はすこし声に加工かけているのかな。ラップっぽい曲調。
 エンディングの「きせき」は静かに染み通ってくるような曲で、パセリちゃんの書く歌詞がどこかしら岡野さんのネタの世界観や哲学と重なり合うところがあって、とてもよかった。
 「普通」の文化、日常の世界から決定的にずれてしまった人たちに、ふんわり寄り添うような未來ちゃんの歌声が素敵だった。


 終演後、定食屋asatteの青山店で夕食。紫禁飯店の跡地にできた2号店。この日は生姜焼き定食で、甘めのタレがとても美味しくご飯が進んだ。ナイスライス!定食屋さんの生姜焼きは味が濃過ぎたりしがちだけど、ちょうどよい味付けでもたれずに完食できた。

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