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踊り・ダンス・身体性

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ダンス批評 KIDD PIVOT Revisor 検察官

ダンス批評 KIDD PIVOT Revisor 検察官


■批評

― ダンス作品の批評書くんだって?
― そうなの。
― へー。ダンスって見たことない。どんな作品なの?

カナダの振付家クリスタル・パイトが率いるダンスカンパニーKIDD PIVOT の 「リヴァイザー/検察官」。1835 年にロシア語で書かれたニコライ・ゴーゴリによる戯曲 「検察官」をベースにしている。腐敗政治がはびこるロシアの地方都市にお忍びで検察官が査察に来るとの情報が入る。長

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明治演劇史 渡辺保 

明治演劇史 渡辺保 

第一章 近代とはなにか 
一、もう一つの明治維新ー梅若実と室生九郎

近代と個人、社会と出会う、写実的な精神主義者、という視点が展開されて演劇においてもやはりそうなのか!と視座が開く思い。歴史重要!と改めて思ったのでした。少しづつ読んでいきます。
#読書録 #渡辺保 #演劇史 #明治演劇史

人間国宝の競演 山本東次郎・友枝昭世 〜粟田口/殺生石女体〜  

人間国宝の競演 山本東次郎・友枝昭世 〜粟田口/殺生石女体〜  

2023年5月3日 川崎氏麻生市民会館大ホール

山本東次郎さんの狂言 粟田口。友枝昭世さんのお能 殺生石 女体。馬場あき子さんの解説とお三方のアフタートークもあって毎回贅沢極まりない毎年この季節に開かれる公演。コロナ禍中はご無沙汰してしまったので2019年以来、久しぶりに参りました。

東次郎さんの粟田口

大名を馬鹿にしつつの狂言。能舞台に演者が1人から3人のる。狂言は勿論面白かったんだけれど

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桜の樹の下には/スーパースター・ガラ

桜の樹の下には/スーパースター・ガラ

笠井顕「桜の樹の下には カルミナ・ブラーナを踊る」を観たあとスーパースター・ガラBプロを観た。両軸に振れた公演でもあり、幸せなアップアップ状態になった。

笠井顕「桜の樹の下には カルミナ・ブラーナを踊る」

2021年2月の前回の「桜の樹の下には」の副題は笠井顕を踊る、だった。同じキャスト(笠井顕は体調不良で降板)での2回目の取り組み。笠井顕の不在も手伝ったかのように思われる、確かに笠井顕のDN

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タラス・シェフチェンコ記念ウクライナ国立バレエ(キエフ・バレエ)「くるみ割り人形」at clubhouse 20220309

タラス・シェフチェンコ記念ウクライナ国立バレエ(キエフ・バレエ)「くるみ割り人形」at clubhouse 20220309

※このnoteは2022年3月9日(水)21:10からのclubhouseでの発表用メモに加筆修正したものです。clubehouseリンクも貼っておきますので、ご興味を持たれましたらご参加頂ければ嬉しいです。

今回は、光藍社さんがYouTubeで無料公開なさっているキエフ・バレエ「くるみ割り人形」です。光藍社さんはキエフ・バレエをはじめとしたバレエやクラッシックコンサート公演の企画・製作・運営を

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観ている人と私の間にダンスが生まれる 田中泯 映画 「名付けようのない踊り」
at clubhouse 20220222

観ている人と私の間にダンスが生まれる 田中泯 映画 「名付けようのない踊り」 at clubhouse 20220222

※このnoteは2022年2月22日(火)21:10からのclubhouseでの発表用メモに加筆修正したものです。clubehouseリンクも貼っておきますので、ご興味を持たれましたらご参加頂ければ嬉しいです。

今回は、今年公開されました映画「名づけようのない踊り」を題材にお話したいと思います。ダンサー田中泯さんを映した映画で現在も公開中ですの、機会があれば是非御覧頂けたらと思います。

■映画

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普通の人の意図しない佇まい 関係性をうつす鏡 Jerome Bell 「GALA」at clubhouse 20220209

普通の人の意図しない佇まい 関係性をうつす鏡 Jerome Bell 「GALA」at clubhouse 20220209

※このnoteは2022年2月9日(水)21:10からのclubhouseでの発表用メモに加筆修正したものです。clubehouseリンクも貼っておきますので、ご興味を持たれましたらご参加頂ければ嬉しいです。

今回は、2018年の1月に上演されたコンテンポラリーダンス公演「GALA」を題材にいたします。とはいえGALAはとても変わったユニークな作品です。ダンサーがダンスをみせる公演ではないのです

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しゃべってしまう身体 笠井顕、大野慶人「没後26年 土方巽を語ることⅡ」(2012年1月21日開催 講演動画)at clubhouse 20220126 

しゃべってしまう身体 笠井顕、大野慶人「没後26年 土方巽を語ることⅡ」(2012年1月21日開催 講演動画)at clubhouse 20220126 

※このnoteは2022年1月26日(水)21:10からのclubhouseでの発表用メモに加筆修正したものです。clubehouseリンクも貼っておきますので、ご興味を持たれましたらご参加頂ければ嬉しいです。

今回は、慶應義塾大学アート・センターが毎年舞踏の創始者である土方巽の命日に開催している催しの2012年度の映像を題材にしたいと思います。舞踏家の笠井顕さんが講演されています。内容も興味深

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鎮魂の光の花束と新潟の風土 Noism1 山田うん振付「Endless opening」at clubhouse 20220112 

鎮魂の光の花束と新潟の風土 Noism1 山田うん振付「Endless opening」at clubhouse 20220112 

※このnoteは2022年1月12日(水)22:00からのclubhouseでの発表用メモに加筆修正したものです。clubehouseリンクも貼っておきますので、ご興味を持たれましたらご参加頂ければ嬉しいです。

新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあに所属するコンテンポラリー舞踊団NoismにCo.山田うんの山田うんさんが振付た作品です。NoismもCo.山田うんも世界的な評価を得ているコンテンポラリ

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アマゾンで出会った身体・森をまとう人々 映画「カナルタ 螺旋状の夢」at clubhouse 20211229

アマゾンで出会った身体・森をまとう人々 映画「カナルタ 螺旋状の夢」at clubhouse 20211229

※このnoteは2021年12月29日(水)22:00からのclubhouseでの発表用メモに加筆修正したものです。clubehouseリンクも貼っておきますので、ご興味を持たれましたらご参加頂ければ嬉しいです。

■作品動画、インタビューなど関連リンクはじめに作品のトレイラーを貼っておきます。

シュアール族から学ぶ、今を生きる力(TBSラジオ公式)

作家尹雄大さんによる監督太田光海さんへの公

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伊藤郁女 Compagnie Himé 「あなたへ "Dears"」at clubhouse 20211215 

伊藤郁女 Compagnie Himé 「あなたへ "Dears"」at clubhouse 20211215 

※このnoteは2021年12月15日(水)22:00からのclubhouseでの発表用メモに加筆修正したものです。clubehouseリンクも貼っておきますので、ご興味を持たれましたらご参加頂ければ嬉しいです。

あなたは大切なひとを亡くしたことはありますか?この作品は、亡くしてしまった大切なひとへ向けて書れた手紙から創作されたものです。はたして、どのような人々の姿が現れたでしょうか。

■まず

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三東瑠璃「Matou」

三東瑠璃「Matou」

2019年2月に三鷹でMeMeを観た。私の中で2019年の白眉の公演の一つだった。当時の記事はこちら。

三東さんの作品を次に観られたのは、2020年神楽坂セッションハウス企画のオンラインライブ配信のMatou。カメラが寄っていることや、まだ慣れないコロナ禍の状況、途中YouTube AIが配信を遮断するといったアクシデントもあって、感覚を研ぎ澄ましていくような作品という印象が強かった。じりじりと

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身体のこと

身体のこと

どこまでが自分の身体かって、実ははっきりしていないと思っていて。

一応、皮膚とか毛髪とかが境界線だけれど、その人の空間って、皮膚の外側にも広がっている。漫画の表現でもどんよりした雲を背負ったり、キラキラをまとったひとの表現がポピュラーで、空間に状態が広がってるっていうのを、言外に受け取ってるんだと思う。

感覚も物理的な身体を離れて広がるでしょう?自転車や車を運転するとき、車幅を自分の身体の感覚

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川口隆夫が語る大野一雄の空間

川口隆夫が語る大野一雄の空間

Tokyo Real Undergroundで8/15まで配信されていた川口隆夫「大野一雄について」。
その動画の中で川口隆夫が大野一雄について語っていたパートの一部抜粋、書き起こし。

「大野一雄のビデオを見せて、これをコピーしてくださいって言うと、あまりにも沢山のことが起きすぎていて、そんなに簡単に、とてもじゃないけど、コピーできない。難しすぎるってみなさん仰るんですけど。」

「確かにそうで

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