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外出制限でわかったこと 【フランスの場合】

3月17日にフランスで外出制限が開始されてから11日目を迎えました。
当初15日間の予定でしたが、昨日さらに4月15日までの延長が決定。まだまだ先は長いようです。やれやれ。

いま日本でも感染者がさらに増え始め、外出自粛の動きが出ていますね。もしこのまま外出制限が始まった場合に、フランスでの経験が役に立つのではないかと思ったので、ざっとまとめてみました。

1. まずはフランスの状況をおさらい

フランスで許可されてる主な外出条件
- 食料品、医薬品等、生活に最低限必要なものを購入するための移動(家から最短の店舗)
- 自宅から1km以内の範囲での散歩、ジョギングなど(1日1回、1時間まで、同居人は同行可)
- お手伝いが必要な親族のための移動
- やむを得ない医療行為に関する移動
- 業務上やむを得ない移動(雇用者発行の証明書が必要、基本的に自宅勤務推奨)
- 自治体によっては夜間から朝方までは外出禁止
- 公園や河川岸、ビーチは閉鎖中

現在、公共移動機関は各空港はほぼ閉鎖状態で、長距離列車はほぼ運休、メトロは50駅以上が閉鎖、バスなども含め全体的に通常の30〜50%ほどの運行率です。外出する場合は、政府所定の申告書をその都度記入&署名して携帯しなければ違反行為として罰則が適用されます。
どんな罰則が待ってるかというと、

- 135€ (約16000円) または 375€ (約45000円) の罰金
- 15日以内の再犯は1500€ (約18万円)の罰金
- 1ヶ月に4度の違反は3700€ (約45万円)の罰金と最大6ヶ月の禁錮
- 罰金が払われない場合は40日間の禁錮の可能性

これじゃあ、おとなしく家でじっとするしかないですよね。
ちなみに生活必需品(さすがフランス、ワインも必需品)を取り扱う店舗以外は閉店、学校は全校閉鎖されていますがオンラインでの授業が実施されています。

こんなに厳しい懲罰があるかどうかは別として、日本で外出制限が発令されると、似たような状態になることが考えられます。フランスでは政府の発表から施行まで半日ちょっとしか準備時間はありませんでした。発令は突然やってきますので、いま、まさに今日にでも準備できることはしておいた方がいいのです! 

2. 外出制限前にやっておくべきこと

自宅待機、といわれて真っ先に頭に浮かぶのは食料確保でしょう。が、外出制限中は食料品購入の外出は認められるので慌てることはありません。
すでにお米が売り切れてた!と焦らなくても大丈夫。2〜3日品薄が続いてもすぐに元に戻ります。いや、お米を食べなくたって生きていけます。行列してまで買うなんて感染リスクが高まるのでもってのほかです。
むしろそれ以外のお店が閉まってしまうので、今すぐにでも備えるべきなのは、自宅待機中の時間有効利用に必要なものです。

- DIY用の工具、材料  買いそびれたものがある我が家はこれがいちばんの痛手です
整理整頓グッズ  この機会に断捨離するのもいいですね
トレーニンググッズ  身体はまちがいなく鈍ります
園芸・家庭菜園用品  草花の手入れが必要な季節ですもんね
趣味を充実させるもの  時間があったらやってみたいと思うことに挑戦!
- 書籍  読書がスイスイすすみますよー 資格取得への勉強もいいかも
同居人と楽しめるゲーム  オセロやモノポリーなどアナログなゲームが◎
- 洗車用品  ピカピカに磨いてあげましょう
などなど

外出制限中はとにかく時間が余ります。映画やドラマを存分に楽しむのもありですし、特にお子様がいるご家庭では、みんなで楽しめるものを準備しておくとコミュニケーションを深めながら、ストレスを発散することができると思います。やることさえあれば大丈夫、待機時間はあっという間に過ぎますし「あー時間ができてよかった!」とポジティブに受けとめられます。

食料品は慌てて買う必要はないといいましたが、それでも一週間分くらいのストックがあると、外出頻度が減るのと、感染する/させるんじゃないかというストレスも減るので気が楽になります。どーんと構えられます。
でも、繰り返しますが行列してまで準備する必要はありません。

3. 外出制限前にやってはいけないこと

いうまでもありませんが、感染リスクが高い場所は避けましょう。
そして、「自分が経済を回さなきゃいけない」という考えを持ってはいけません。それはあなたではなく自治体や政府が考えることです。あなたがウィルス保有者ではないと証明できなければ、動き回ることは迷惑行為以外の何者でもありません
それでも何かの役に立ちたい!と思うのであれば、自粛・縮小を余儀なくされてる事業をどうしたら救えるか考えて電子署名運動をするとか、食べたつもりの飲食代を行きつけのレストランに常連さんたちと共に寄付するとか、自宅にいながら協力できることを考えましょう。考える時間はたっぷりあります。
集客に困りにくいコンビニや大型スーパーではなく、地元の商店街を利用するのもおすすめです。これは制限終了後にも地域活性を支える良い習慣になると思います。

4. 自宅待機中はテレビを消しましょう

外出制限中の世界はあなたの自宅の中だけで回ります。接する人もほんのわずか。ごく一部をフォーカスし、それが全体で起きているかのように思わせがちなのが情報番組です。余計な情報を耳に入れてストレスや不安をためるよりは、自分の時間を待機期間めいっぱい楽しむことに集中しましょう。

5. 人とのコミュニケーションを楽しもう

いやいやいやそれができないのが外出制限でしょ、と諦めてはいけません。
ここフランスでもビデオチャットで友達や家族とアペリティフを楽しんだりするのが流行りつつあります。やっぱりね、人恋しくなるんです。会えない時間が愛を育てるのです。電話やSMSもいいですが、顔を見ながらおしゃべりするとものすごくホッとします。仲の良い友人、普段会えない遠くに住んでる愛しい人たちと積極的にコミュニケーションをとることをオススメします。インターネットをとおして私たちは繋がることができます。

6. でも頼りになるのはご近所さん

外出距離にも制限があるので、何かあったときに頼りになるのはご近所さんです。この機会にご近所さんとコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか。
フランスのスーパーでは発令早々、買い出しは1家庭1人、子供同伴不可、1メートルの距離を常に保つなどの規則が作られました。私のご近所さんとは普段からグループチャットで情報共有をしてるのですが、外出制限がはじまってからは「買い物行くけど何か必要なものある?」と声を掛け合っています。外出回数を控えるだけではなく、スーパーの混雑回避、店員への感染リスクを避けるためでもあります。「誰かパプリカをスプーン1杯分分けてくれない?」「電動ミキサー貸してー」とそんなことを頼みあったり、絆がさらに深まった気がします。

7. 宅配に頼るべからず

実店舗の閉店を余儀なくされてる小売業もオンライン販売だけは継続しています。利用することで売り上げに貢献することができるのかもしれませんが、この期間中、配送業にかなりの負担がかかると思われます。
いろいろな考え方・環境があるので強く否定はしませんが、あなたが家から出ずに欲しいものを手に入れる、そのために感染リスクが上がる人々がいることを忘れないでほしいのです。その買い物はいま本当に必要ですか?

8. あなたは感染してるかも?!

これが一番大切なこと。
無症状感染が確認されている以上 、あなたが感染者ではないとの保証はありません。PCRの精度が100%ではない限り、たとえ陰性だったとしても。
自宅待機はあなたをウィルスから守るのはもちろん、あなたが人に感染させるのを防ぐためでもあります。
それが自覚できれば、自宅待機をより自然に受け入れることができるのではないでしょうか。

最後まで読んでくださってありがとうございます。
フランスでは外出制限は最低45日間に渡ると当初からささやかれてきました。その可能性は大いにあります。まだまだ始まったばかりといえるのでしょう。いつ終わるのか、とハラハラしながらストレスをためるより、より有効に時間を使う期間に変えていくのが一番だと思っています。

悪いことばかりじゃありません。
みなさま、Bon confinement !(楽しい自宅待機を!)

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