双極性障害の本紹介「双極性障害[第2版] 加藤忠史著」要点まとめ
2019年6月発刊の新書「双極性障害[第2版] 加藤忠史著〜双極症I型・II型への対処と治療〜」(ちくま新書)
双極性障害研究の第一人者である加藤忠史この本の中で私が勉強になった箇所をツイートまとめします。
あくまで本の中の一部なので、気になったらぜひ実物を手に取ったり電子書籍でご覧ください。
●目次
第１部 対処と治療
第1章 なぜ躁うつ病は双極性障害となり、双極症に変わるのか
第2章 双極性障害、双極症とは
第3章 社会生活を妨げてしまう双極性障害
第4章 双極性障害の治療
第5章 症例
第6章 双極性障害とつき合うために
第２部 Ｑ＆Ａ（症状・経過・診断について)
●要点ツイートまとめ
第1章 なぜ躁うつ病は双極性障害となり、双極症に変わるのか
バイポーラー・ディスオーダー
— 松浦秀俊@双極ライフ (@bipolar_peer) June 14, 2019
DSM-Ⅲ(1980年)を翻訳する時、ディスオーダーを「障害」と訳した。
なぜ病気を示すディジーズではないか？
他の病気はどの臓器どの細胞がどう変化起こしてるか解明されてる。その細胞の病理を持つ状態をディジーズと呼ぶ。
しかし… →つぎへ
書籍:双極性障害第2版
双極性障害などの精神疾患では、細胞の病理学的変化がわかっていないため、ディジーズと呼ぶことができない。そのため、秩序(オーダー)が乱れた(ディス)状態としてディスオーダーという言葉が使われ、日本語訳として「障害」が当てられた。
— 松浦秀俊@双極ライフ (@bipolar_peer) June 14, 2019
書籍:双極性障害第2版
「障害」という日本語は別の英語の翻訳としても使われていた。
— 松浦秀俊@双極ライフ (@bipolar_peer) June 14, 2019
それはディスアビリティー。何らかの能力(アビリティー)が失われた状態を指し、いわゆるハンディキャップのこと。
精神障害や双極性障害と訳された結果、双極性障害をはじめとする精神障害はみな治ることはないと誤解を招く危険が出てきた
※双極性障害から双極症への名称変更については書籍でなく加藤先生のツイートで最新情報について言及されてます。
ちくま新書「双極性障害」の第二版が本日届きました！ 来週発売です。https://t.co/sTK5bjeqq1 フライングで、副題に「双極症」を入れてしまいましたが、公的にICD-11病名の日本語訳が「双極症＜双極性障害＞」に変わるまでには、今後、（統計を担当している）総務省の承認、公示が必要だそうです。 pic.twitter.com/PxacAL7YzM
— 加藤忠史 (@KatoTadafumi) May 31, 2019
第2章 双極性障害、双極症とは
欧米では双極Ⅰ型障害を発症する人はおよそ0.8%、双極Ⅱ型障害を入れた双極全体では2、3%と言われる一方、日本では1%弱。
— 松浦秀俊@双極ライフ (@bipolar_peer) June 14, 2019
ただし日本の疫学研究はまだ少なく、疫学調査の質問に対する答え方にも文化による違いがあり、これらを考慮すると欧米と比べ多いか少ないかまだ結論不可
書籍:双極性障害第2版
初診がうつ病でその後、双極性障害と病名が確定するには、平均10年近くを要したというデータがある。
— 松浦秀俊@双極ライフ (@bipolar_peer) June 12, 2019
しかし、双極性障害の啓発が進んできたこともあってか、最近の研究では4年と報告されている。
「双極性障害第2版 加藤忠史著」
米国では人口の4.4%が双極スペクトラム(双極性障害およびその類縁疾患)というデータすら報告され、さすがに多すぎる。
— 松浦秀俊@双極ライフ (@bipolar_peer) June 14, 2019
米国では双極性障害の過剰診断が問題になっている。診断の適応範囲を広げようとするのが米国。
書籍:双極性障害第2版
日本では過小診断と過剰診断が混在。
— 松浦秀俊@双極ライフ (@bipolar_peer) June 14, 2019
過小:双極性障害が知られてないため患者さんが病院で躁状態の話をしない。医師も聞かない。
過剰:パーソナリティーの問題などを双極性障害と診断
書籍:双極性障害第2版
光トポグラフィー検査は例えば"た"で始まる言葉を言うといった課題中に前頭葉のヘモグロビン量を測定する検査
— 松浦秀俊@双極ライフ (@bipolar_peer) June 12, 2019
病気毎の反応に違いがあると論文報告されたが後の研究ではそれほど診断的意義がないことがわかってきてる。世界的にこの方法が診断に使えると考えられてない「双極性障害第2版 加藤忠史著」
第3章 社会生活を妨げてしまう双極性障害
第4章 双極性障害の治療
心理教育と単なる疾患教育との違いは、病気について勉強していただきながら、患者さんの心に起きるその病気に対する反応も十分に把握し、理解しながら進めていくということ。
— 松浦秀俊@双極ライフ (@bipolar_peer) June 14, 2019
双極性障害の精神療法において最も重要なことは、この心理教育。家族心理教育やピアサポートも有効。
書籍:双極性障害第2版
対人関係-社会リズム療法では毎日の起床、入眠時間や食事、出勤などの時間の目標を決め、毎日これらの時間を記録しながら生活リズムを守るようにしていく。これには図のSRM(略称)を使用。
— 松浦秀俊@双極ライフ (@bipolar_peer) June 13, 2019
また、人との接触の刺激が強すぎるのも再発の引き金になるため、その強さも記録
「双極性障害第2版 加藤忠史著」 pic.twitter.com/XsXalkvi2x
第5章 症例
第6章 双極性障害とつき合うために
第２部 Ｑ＆Ａ（症状・経過・診断について)
双極性障害のセルフコントロール八ヶ条⑴本人・家族共に病気を良く理解する
— 松浦秀俊@双極ライフ (@bipolar_peer) June 14, 2019
⑵病気を受け入れる
⑶再発予防のための薬を服用する
⑷正しい薬の作用・副作用の知識を持つ
⑸100%を目指さない
⑹再発の初期徴候を知る
⑺自分のストレスを知り色々な対処法を持つ
⑻生活リズムを保つ
書籍:双極性障害第2版
初めて入院した双極性障害の患者さんの一年後を調査した研究
— 松浦秀俊@双極ライフ (@bipolar_peer) June 14, 2019
86%が病相から回復していたにも関わらず、41%しか職業面など含め社会的に完全に回復してない。
病気の回復と社会的な回復は必ずしも並行してない場合がある。
「双極性障害第2版 加藤忠史著」
以上。
新書でこの内容とボリュームはオススメです。もしよければ、一読ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。