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【WildRift】海外大会環境考察【パッチ3.1b】

 みなさんこんにちは。だいぶサボってしまい、今年初めての更新です。

 パッチ3.1は、パッチ2.6~3.0あたりの偏った環境を、少しずつ落ち着けていくような方向性となっています。早速見ていきましょう。

 前回の記事はこちら→【WildRift】海外大会環境考察【パッチ2.6A】

戦略

 春ごろまでは、JGにレイトスケールの良いチャンピオンを置き、リソースを集めるJGキャリーの戦術が大流行していました。今も現役の戦術ではありますが、相次ぐJGチャンピオンのナーフ・リード時の獲得経験値補正への変更・リフトスカトルからの経験値の低下、などの調整により、一強とは言えない状況となりました。
 反対に息を吹き返してきたのがADCです。カルマ・ユーミなどのメイジサポートの台頭、装備や主要チャンピオンのバフを受けて、少しずつ環境に帰ってきました。JGが試合を作り、ADCがキャリーするという馴染み深い構成が選択肢の一つに返り咲きました。
 オブジェクトの優先順位にも多少の変化が見られます。以前はヘラルドがドレイクよりも明らかに優先されていたものが、ヘラルドの価値がやや下がってきたように思います。具体的には、1stドレイクとヘラルドがほぼ同価値程度、2ndドレイクからは両者ともに争いたい(2連続でドレイクは渡したくない)というぐらいの感覚でしょうか。

ビルド・ルーン

 ビルドは以前からの偏った環境が改善されておらず、むしろ悪化していると言っていい状況です。攻撃力とHPを上昇させる、いわゆるファイター向けアイテムに強力なものが多すぎます。以前からOPと言われていた黒斧は、わずかなナーフを受けたものの未だに一番人気のアイテムです。さらに新装備のディヴァインサンダラーとハルブレイカーも、ステータス・効果ともに優秀で流行しています。結果、これらのアイテムを装備できるチャンピオンがずっと環境に居座っています。
 ルーンは、征服者の汎用性が高すぎるきらいはありますが、比較的落ち着いている印象です。

ソロレーン

 ソロレーンは相変わらずファイター環境です。上述のとおり、強力なアイテムをフル活用できるからです。ファイター同士では、あまり優劣はなく、様々なチャンピオンがピックされている印象です。
 安定のレネクトン・ダリウス・ガレンの3人や、他ロールとのフレックスピックになるオラフ・リヴェン・セト・フィオラなどが人気です。カミールは度重なるナーフにもかかわらず、プロシーンでは警戒されてBanが多いです。
 注目はシェンです。上述のチャンピオンとは違い、ADスケール(攻撃力に応じて強化)するスキルがないタンクチャンピオンですが、徐々に人気が出てきています。人気の理由を平たくいうと、ファイターよりも集団戦で活躍しやすく、かつファイターにレーンでボコされないからだと思われます。タンクらしく集団戦で強力なスキルセットを持ちながら、序盤のレーン戦がそこそこ強く、後半も敵のソロプッシュに対応しながらいざというときはウルトで味方の元に駆け付けられます。

ジャングル

 戦略の項目で書いた通り、リソースを集めてキャリーするタイプのチャンピオン(ジャックス・フィオラ等)は、有力ではあるものの一番人気とは言えなくなりました。今の主流は、リーシン・オラフ・カジックス・シンジャオなどの、序盤で有利を作ってスノーボールすることが得意なチャンピオンです。
 序盤の有利から2ドレイクを抑えてエルダードラゴンのプレッシャーをかけることや、ADCまたはソロレーナーを育ててキャリールートに乗せることが勝ち筋となります。そういった従来のJGとしての役割が戻ってきたことで、ヴァイやジャーバンⅣといった懐かしい面々もピックされるようになってきています。

デュオレーン

 しばらくはメイジチャンピオンが置かれることの多かったデュオレーンですが、最近の調整はADCに追い風となっています。その流れでKRやSEAの大会ではADCのピックがほとんどでしたが、元々それらの地域はADCキャリーの戦術を好む傾向があると個人的には思っているため、実際はAPCとADCのパワーは伯仲していると睨んでいます。
 APCで人気なのはジグス・ラックス・モルガナあたりで、特にジグスはBanもよくされます。レーン有利のとりやすさ、それに伴うタンク系サポートのとりやすさ、ソロ・JGにタンクがいないことによるCC不足の補填、などが魅力です。
 ADCは、一番人気というと相変わらずヴァルス・セナになります。この2人の選出理由はむしろAPCに近いです。最終盤の火力役というよりは、タンクとの合わせやすさ・CC補填がメインです。
 最近評価が上がってきたのは、ルシアン・ヴェイン・コーキ・アッシュ・ジンあたりのチャンピオンです。強みはバラバラですが、新ストームレイザーや個々のバフにより活躍できる時間帯が早くなったこと、試合の焦点が1stドレイクから2ndドレイクに移ったこと、などが追い風と思います。

サポート

 メレー系チャンピオンしか出てこなかったサポート環境にも変化がありました。まずはカルマの出現です。Ban or Pickと言っていいほどの人気で、単純にチャンピオン性能が高いです。取るだけ取って、構成が悪ければMidやAPCでも運用ができます。
 その他のメイジサポートもピックされるようになりました。なぜかバフされたユーミや、ADCの強化により評価が上がったルル・ナミなどが選出されています。
 メレー系も相変わらず人気で、ラカン・スレッシュ・グラガス・ガリオあたりが安定択として依然選ばれています。サポートと言っていいのか怪しいですが、セナの相方としてナサスも復活しました。涙鎧の仕様変更が抜群にマッチしています。

ミッド

 現在、一番混沌としているのがミッドの環境です。デュオの環境が安定せず、「APC+タンク」が来ることも「ADC+メイジサポ」が来ることも、それ以外のパターンすらもあるため、ミッドに求められる役割に幅がありすぎるのです。中盤以降の集団戦でAPダメージを出すことを求められるときもあれば、3分30秒以降ずっとサイドでハルブレイカーゼドを抑えなければならないときもあります。
 人気のチャンピオンも定まっていませんが、ジグス以外の純メイジは生きづらく、APであればダイアナ・アーリ・アカリ・コーキ・ガリオ・グラガスといったようなそれなりに生存力のあるチャンピオンが選ばれます。ADであればジェイス・ゼド・レネクトン・アクシャン・ガレンといったチャンピオンでハルブレイカーを装備し、サイドレーンでの1vs1で相手にプレッシャーをかけていきます。
 このような歪んだ環境下で、世界最強の地域・中国で生み出されたのがシンジドのミッド運用になります。中国リーグでの勝率は驚異の70%(記事執筆時点)で、Ban候補にも挙がる異常事態です。構成上不足しがちなAPダメージ・CC・タンクの3要素を一人で補い、しかもレーン拒否が得意なためサイドレーンでハルブレイカー持ちのチャンピオンと対面しても腐りづらい、現環境下だからこそ生きる運用です。

終わりに

 あと3日で、中国を除く各地域の世界大会代表が決定します。この週末にどんなドラマがあるのか、楽しみですね。

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