アナログへの強さ 水漏れを修理した昭和の親子に賛辞をおくる?

おじさん(同棲中の彼)は今日まで広島出張です。
早く帰ってこないかなーって思ってます。
おじさんのことを考えながら。
ん?おじさんの何を考えるの?
そらアレよ。

そして、いつものように身支度をしてる最中に何やらヘンな音が。お風呂場で止めたはずの水がどんどん出てくるのです。
それも、蛇口ではなくて、給湯器につながっている浴槽内のお湯はりの出口からです。
自動でお湯が出てくるところなのに、止める方法知らんし。
慌てておじさんに電話しました。

あかん。水没するわ。どーしよ。
見てないことにして出勤するね。
『なんでやー』
『せめて状況知らせんかー』
『放置プレイしたら子作り早めるぞー』
そう言われそうだったので、落ち着いて指示を待ちました。

・玄関横の給湯器室の扉を開ける
・給湯器の型式とかの写真を撮る
・給湯器まわりの配管の写真を撮る
・漏れてくる水の写真を撮る
・その水に異物は混ざっているか
・その水は温かいか

そうこうしてる間にも、浴槽には水が出続けて、排水溝に流れていくスピードよりはやくて、少しづつ浴槽に水が溜まってきてる。
どーしたらいいんかわからん。
泣くぞー。

『えーから写真送ってこい』
『落ち着け』
『どないもならんし』

しばらくすると、知らない電話番号、しかも固定電話からの着信がありました。
80を過ぎた、おじさんのお父さまからの電話です。
『いまから行くから』
『小1時間ほど待ってや』

仕事に出かけるわけにもいかないので、今日は無理言って休みました。
方々に電話してると、お父さまが登場。

『聞いとるでー』
『ほなまず水道の元を閉めるなー』

とりあえず漏水はとまりました。でも、これでは水道は全く使えません。

『ほななーちょっとここの配管を抜いて…』
元栓から給湯器につながる配管を抜いて、その状態で元栓を開いてみると、水が漏れ出しました。

『あームスコもゆーてたわ』
『ここの電磁弁やな』

絵?何?何が始まった?
ムスコって、おじさんのことやんな。
デンジベンってどんな漢字書くん?

『お手伝いさん留守預かっとんか』

ちゃうちゃう。同棲しとんよ。
絵?わたしのこと忘れとー。

『愛人さんか?』

だから。
おじさんはお父さまにどんな紹介しとんよ?

『給湯器の中やと直しようがないけど』
『ま、ここやったら、ちょっと部品買ってくるわな』

なんて?
部品買ってくる?どこで?
自分で直すん?うそやろ。

そこへおじさんからの電話が。
『おとん来よったか』
『給湯器やろけど下の電磁弁も見ぃやーゆーといたんや』
『たぶんな、漏れてくる水に色付いてへんし、冷たいんやったら給湯器内の配管破損とはちゃうやろと思てん』
『あー、部品買いに行ったんか』
『ほなな、酒なんぼか買おといたって』

おそろしい播州弁。

無事に部品を買ってきて、交換されたお父さま。
直りました。

『むかしからあるヤツはなー、なおし方おんなじやからなー』
『ワシは電機屋やからな』
『電気ちゃうで、電気機械』
『ムスコは微積分かなんかで役に立たんけど』
『結婚すんのか、うっとこのムスコと』
『そらそらおーきにな』
『やけど、ムスコのムスコは上向くんかいな』
『役に立たんことばっかりやでー、微積分もムスコのムスコも』

コワ。このセクハラ感。
80のこのおじいさんが、わたしの義父になるんや。それに増して播州弁コワ。

『お、それ、ワシ好きな焼酎や』
『カネもろたらおばあに取られてまうでな』
『ワシはお酒もらえたらええでー』
『まーえー子産んでやー』
『もうしばらくはワシも生きとーで』

この親子、同じやわ。
見た目も、しゃべり方も、セクハラ感も。
それにしても、直してしまうんよなー。

・わたしがLINEした写真を見るだけで、ある程度の不具合箇所をお父さまに伝えるおじさん。
・スマホ使えないからって、おじさんから口頭で不具合箇所を聞いて、調べて直しちゃうお父さま。

完全に昭和の師弟関係やん。

そしたら、おじさんから
『緑の券売機がワケわからんでなー』
『またこんどは窓口に並んでな』
『もっとちゃちゃっと切符売らんかいな』
ってLINEが。

券売機使えんの。そこも昭和やん。

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