mahiro

社会人。うつ病サバイバー。フェミニスト。

mahiro

社会人。うつ病サバイバー。フェミニスト。

最近の記事

ハキハキと話す戦略家な障害者

 2024年4月18日。出版社の方から電話があった。 以前、その会社にはうつ病闘病記の持ち込み応募をしていたのだが、全国流通で200万かかると言われ、あまりにも現実的ではない話だったのでお断りしていた。今度は別の部署の方からの「もっとお安くご提案できます」というお話だった。疑わしいことこの上ないが、とりあえず具体的なことはメールに、とお願いして電話を切った。しかし、その時も、そのあとも、ずっと何かが小骨のように引っかかっていた。 結局、帰宅し、ご飯を食べ、お風呂に入りやっとそ

    • 障害年金は一部の「恵まれた障害者」しか助けない、という話。

      死にたい。 誰かに殺してほしい。 痛みや苦しみが無いならなおよい。 出来れば、私の存在が最初からなかったことになってほしい。 家族にも、友人にも、ショックが無いようにしてほしい。 もしも、そんな都合のいい「死」のボタンが目の前にあったら、多分押すと思う。 それくらい今、死にたいと思っている。 障害者の障害年金受給についてわたしは、自分がうつ病になるまで、そのそもうつ病患者が「障害者」に該当することすら知らなかった。 うつ病で働くことができなくなって初めていろんなことを調べ

      • 家族愛でも自己実現でもない「ソウルフルワールド」が見せた新境地~なんのために私は生きるか~

        私たちはなんのために生きているか ディズニー・ピクサー映画「ソウルフルワールド」を見てきた。 なんというか、しみじみと、いい作品だった。 いまはリバイバル上映という扱いで、2020年に公開されていた作品である。 当時から、SNSのジェンダー・フェミニズム界隈(革新派)から評判の良さは聞いていたのだけど、多分コロナ禍とかだったからか見てはいなかった。 なんというか、地味だし。 主人公がおっさんだからディズニーの本流のキラキラしたマジカルワールドとは違う感じ。 でも、見

        • うつ病キャリア3年の知見~うつ病当事者、その家族や恋人の方へ~

          うつ病になってそろそろ丸3年になる今日、 朝に母と電話としたところ、 母の友人の息子さん(おそらく私と同世代)がうつ病になり、希死念慮が強く、 かなり心配だという話を聞いた。 なるほど、と思う。 それから夕方まで、なんとなく、 頼まれてもいないのに、 「もし彼に会ったら何を話すだろうか」 と考えていた。 そこで3つ、私にもできそうなアドバイスが見つかったので、 ここに書き起こしておきたい。 1,自分との約束は徹底的に破れうつ病というのはつくづく、自分との信頼関係が壊れる

        ハキハキと話す戦略家な障害者

        • 障害年金は一部の「恵まれた障害者」しか助けない、という話。

        • 家族愛でも自己実現でもない「ソウルフルワールド」が見せた新境地~なんのために私は生きるか~

        • うつ病キャリア3年の知見~うつ病当事者、その家族や恋人の方へ~

          恋愛に絶望してる

           2024年4月1日。新年度の始まり。なのに、私は起きた瞬間から激しい希死念慮に襲われた。世の中と私が乖離している。社会が自分の手の届かないところに行ってしまった、というような、社会と私が分厚いガラスで仕切られているような感覚を、うつ病になってからずっと抱えている。雨が降っていても、酷暑でも、身体は翻弄されるが、どこかリアル感が感じられない。どこでもない場所から映像を見ているような感覚。言いようのない孤独。  そういえば、ネットではこんなにもうつ病の人はたくさんいるのに、実

          恋愛に絶望してる

          誰かを殺したいなら私を殺してくれよ。フェミニズムは私を不幸にした。

           2024年3月18日。つらい時には、つらいことを呼びよせてしまうのだろうか。会社は本当に私から手を引きたいようで、社用PCを急遽返却してほしいとの連絡がきた。私にはどうすることもできないので、言われるままに郵送した。チャットでその旨を連絡したところ、今やっている業務はとりあえず完遂してほしい、とのこと。今後、私に対して業務は割り振らないような文章だった。2週間ほど、必死にMacを使えるようにショートカットキーを覚え直していたのは何だったのだろう、と思う。  先日面談をした会

          誰かを殺したいなら私を殺してくれよ。フェミニズムは私を不幸にした。

          下着オタク、待望の24hブラを買う

          さて、やっと本題。 ※私の下着オタク経歴はこちらからどうぞ こうして大学時代はいろんなブランドの下着を買っては 友達と情報交換をして 充実した生活を送っていた。 だけどもまあ、人生ってのはそんなに簡単にはできてないものでして。 なんともまあ、なっちゃったのよね。 うつ病に。 だから正直言って、精神的にも経済的にも 下着を楽しむ余裕なんてなくて、 ここ1年半くらいは何も買ってなかった。 気になった方はこちらの文章が最新のうつ病情報なので読んでみてね。 うつ病人間の経済事情

          下着オタク、待望の24hブラを買う

          【うつ病で無職になった】嫌というほど恵まれている私について

           2024年2月29日。午後からの在宅勤務。11月の終わりに譲り受けたこのPCもいよいよ動作が怪しくなってきた。イヤホンの感知をしなくなったので音が垂れ流し状態になる。社用PCをもらえるようになったので安心した。もともと、再就職のためにPCが欲しかったのだ。  私は嫌というほど恵まれている、と思う。うつ病により、新卒の大切な約3年間のキャリアを棒に振った。お金を稼げなくなって、使っていなかった奨学金にも手を付けた。でも、失ったものは、それくらいだ。私の友人は誰も離れていかな

          【うつ病で無職になった】嫌というほど恵まれている私について

          「24hブラ」をレポしようとしたら、下着熱がほとばしって序章で力尽きた※24hブラの感想は次週

          わたし、ついに買ってしまいました! そう、巷で話題のベルマカロンさんの「24hブラ」!!やったー!! だから、レポを書こうと思ったら、今までのブラジャー記を振り返っただけでかなりの文字数になってしまった。 ので、とりあえず「これまで」として私のおすすめブラ特集です! わたしは下着オタクわたし25歳。かねてより、下着オタクをしてきました。 きっかけは大学進学を機に上京したこと。 それまで、北海道の地方に暮らしていた私にとって、 下着が買える場所って、本当に無かった。

          「24hブラ」をレポしようとしたら、下着熱がほとばしって序章で力尽きた※24hブラの感想は次週

          ドラマ「つくたべ」を見てリササワヤマさんの「Chosen family」を発見した話

          私の趣味の一つはドラマをみること。 母も姉もそうなので、たまに電話をすると今回のクールの注目作品はこれだとか、この回が特によかったとか、そういう話をする。 今回も注目作の1つは、NHKで放送している「作りたい女と食べたい女」。 シリーズ1もしっかり見ていたので、2も期待していた。 期待は的中。 登場人物がみんな誠実で邸内に作られた作品だった。 中でも最高だったのが、17話。 春日さんが仕事終わりの車中で、疎遠にしていた実家の父親と電話をし、縁を切ることにした場面。 家

          ドラマ「つくたべ」を見てリササワヤマさんの「Chosen family」を発見した話

          私もあなたも小田急線でどうしようもなく幸せだった~小田急線のフェミサイドに捧ぐ~

          拝啓、あの日のあなたへ。 今日の私は、あの日のあなたと何ら変わりはないでしょう。 さっきまで私は、久しぶりに会った友人と楽しく会話し、アルコールは摂取していないものの、もう酔ってるのと同じくらいのテンションで語り合い、普段なら言えないことを言い合いました。 お互いが簡単に会えないからこそ、身近な人には心配させるからと言えないことを言い合いました。 楽しくて、時間が「溶ける」という表現はこういうことを言うのだなと実感しました。終電がもうすぐだと知って、私たちは急いで駅に向かい

          私もあなたも小田急線でどうしようもなく幸せだった~小田急線のフェミサイドに捧ぐ~

          キュートでセクシーであるがままでいたい

          自分の髪を気に入っている。 細くて茶色くてスルスルと指を通っていく私の髪の毛。 小さいころ、母が毎日きれいに梳かしてくれた。 おまじないのように毎日違う結び方をした。 これは私の髪の毛。 細くて茶色くて、きらきらと光る私の髪の毛。 色んな色にした。 短くしたし、パーマもかけた。 キラキラしたものが好き。 ラメを見るとわくわくする。 レースも好き。 たくさんの布を使ったスカートも。 全ては私のあるがままの姿である。 好きなものを身に着けて、 最高の自分になる。 台風

          キュートでセクシーであるがままでいたい

          朝井リョウの「正欲」を読んで、「少女は卒業しない」が好きすぎることを思い出した

          「少女は卒業しない」を最初に読んだのは青春ど真ん中の中学生のとき。バスケットボールを追いかけ、誰もいないところで重度の捻挫をして、部活で見学を余儀なくされ情けなくて泣いていた、あの日々だ。 当時、部屋の学習机で読んでいて度肝を抜かれた。なんて言うか、当時の私の日々にはドンピシャすぎた。その中の「在校生代表」は恋愛ストーリーとして、今でもめちゃくちゃ好きである。 当時の私にとっての高校生の卒業式は、何となくどんなものか想像できるけど、高校生ってその後の進路とかみんなバラバラに

          朝井リョウの「正欲」を読んで、「少女は卒業しない」が好きすぎることを思い出した

          うつ病患者のシェアハウス暮らし メリット・デメリットを整理してみた

          シェアハウス暮らしを始めてちょうど2ヶ月ほどになった。 せっかくなので自分用の備忘録も兼ねて、現状をシェア。 シェアハウス暮らしのきっかけ そもそも引越しのきっかけは仕事を辞めたこと。それまで通勤を考えて、徒歩でも通勤できるほどの場所に住んでいた。 非常に都会で夜カフェがいくつも点在した。夜でも居場所のある街。 家から歩いて2分くらいのところにコンビニもあって、炊事できなくてもすぐにご飯を調達できた。商店街の一角だったので明るい道だった。 とっても便利で好きな場所だった。

          うつ病患者のシェアハウス暮らし メリット・デメリットを整理してみた

          うつ病になって退職して無一文になったらイエスになるしかなくなった話

          うつ病になった いや、数年前からなっている。 休職したりして何とか正規雇用で働いて来たが、限界はすぐそこだった。転職して環境も変えてみたが、あまり効果はなかった。 転職してきた新人なのに、入社してから間も空けずに欠勤魔になったので「え?この人なんで採用したの?」みたいな空気になった。 申し訳なくて、好きな仕事だったけど退職した。 最初、退職を勧告されて、憧れの業界だったから諦め切れなくて、そこを何とか…と上司にも自分の身体にも無理を押して説得した。けど、ダメだった。 最後

          うつ病になって退職して無一文になったらイエスになるしかなくなった話

          《人生は映画だ》祖母のはなし(祖父と出会うまで編)

          祖母は御歳81歳。 どんな日でも化粧をし、パールのビーズとスパンコールをこよなく愛する。派手かというと全然そうではなく、人見知りで控えめ。小柄で髪をクルクルとカールさせ、微笑みながらお辞儀をし、小股で祖父の半歩後ろを歩く人。 足るを知っていて、毎日幸せだ、こうして生きてられて有難いと言って過ごしている人。 掃除機をかける時は必ず昭和歌謡を口ずさんでいる人。私に何としてもお菓子や果物を食べさせようとしてくる人。 インナーとエプロン、カーディガンの色合いを毎日変えて、オシャレを

          《人生は映画だ》祖母のはなし(祖父と出会うまで編)