見出し画像

なるこの神様行脚 #6

こんにちは、森岸あらため一色真鳴です。

さて、神様行脚も続くもので、多くの人に読まれているのだなぁとほっこりとします。

こんなの、ただの妄想じゃないか、と思うこともありますが、きっと誰かの心に届くのではないか、と思い続けていきたいなぁ、と思った今日の昼下がりです。

さて、今回で合う神様は道行の神様、猿田彦神です。

手塚治虫の漫画によく出てくる猿田彦先生の元ネタにもなっている神様ですね。

お嫁さんは、トップアイドルにして芸能の神様、アマノウズメ神。

こんにちはー

「おお! 真鳴殿! 真鳴殿ではないか!」

げげっ、っていうか頭ポンポンはやめてください!

お社全体に響き渡るのではないかというほど大きな声。

ふと顔を上げると、やっぱりあの大きなお鼻が見えました。

私、あなたのお嫁さんの方に用事があるんですけれど……

「何を言うか、道に迷っているのであればわしだろうに」

うぐぅ、反論のしようもない……

「それはそうと、真鳴殿のおじい様は息災か?」

お祖父ちゃん?

(そっか、猿田彦様は祖父の家の近所の小さなお社にいるんだっけ。)

お祖父ちゃんは元気だよ。

「そうか、いや、息災ならばよいのだ。あの者は妻を亡くしてからはふさぎ込んでいるように見えていたからな」

おばあちゃんがなくなったのはずっと昔のことだよ。私だって、声すら覚えてないよ。

「そうではないのだ。そうではないのだよ、真鳴殿」

ふぅん。

「とはいえ、真鳴殿がここまで来るとはやはり道行は不安か?」

もちろん。不安で不安でしょうがないわ。

「しからば、もっと己を律せよ。真鳴殿の前には道は続いておるのだからな」

道は、続いている。

その先を知ろうとするのは、不安だからだよね。

私は、しばらく猿田彦様と一緒にベンチに腰掛けていました。祖父の土地の土地神も兼任しているらしい、猿田彦様のお社はなんだか祖父の家にいるときのような感じがしました。

道は続いている、その言葉を手にして私はお社を後にしました。

援助金は私の創作物の印刷費に主に使用されます。 また、余裕があれば保護猫ちゃんにも使いたいなと思っています。よろしくお願いします。