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なるこの神様行脚 #5

いよいよ、季節も夏から秋にかわろうとしています。

うだるような暑さも、鳴りを潜め、街路樹も色づくころです。

そんな中、私は季節を巻き戻して、春に会いに行きました。

「コノハナノサクヤヒメ」

桜の女神様、富士山に祀られている浅間様として有名ですね。

車をコロコロ、長旅の果てにやってきた私に、女神様は冷たく言いました。

「なんで今来たのさ」

と。

いや、たしかに夏前になんども来てって言われていたような気がしましたが、旅費の関係上今になってしまったんです。

と、私が必死に謝り倒すと、女神様は私のほっぺたを引っ張って言いました。

「ジャストタイミングで来てくれなきゃ、力をあげられないじゃないの!」

痛いです、痛いです女神様。

女神様としては、夏休みを利用して私が会いに行くと考えていたようで、私のために使ってくれる力はもう他の人にあげてしまったようです。

まぁ、それも勉強の内よ、と女神様は言いました。

また、機会を待っておいで、と言ってくれました。

境内には多くの参拝客がいて、中には海外の人もいました。

「そう言えば、瓊瓊杵尊さまは?」

「…………」

「また、ケンカしたんすか?」

「またってなによまたって!」

女神様はぷんすか。桜の女神さまなので、かなりおしとやかかと思いきや、富士山の女神さま、かなりテンションアゲアゲです。

「もう行きますね」

「そうね。あなたにはやるべきことがたくさんあるものね。行っておいで」

女神さまはそういうと、静かに微笑みました。

それは、春の陽だまりのように柔らかく、美しいと思いました。


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一色真鳴

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