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対その他仕掛け2副露の危険度

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

はじめに

 以前にやった、タンヤオ仕掛けの実際の狙い手役の分布と似たような話で、前回はタンヤオ仕掛け者に役牌が切れるかどうかという話でしたが、今回は、役牌ポンでもタンヤオ牌のみの仕掛けでもない仕掛け(以下、「その他仕掛け」と呼ぶ)について、牌の危険度を調べようと思います。

 オタ風や19牌のポンや端のシュンツでチーのような「その他仕掛け」はタンヤオ仕掛け以上に、相手がどの手役を狙っているかの推理が重要であると考えられます。
 例えば、


チー1m2m3mチー4m5m6m→マンズの一通がかなり有力→7m8m9mが危険そう。


チー7m8m9mチー7p8p9p→チャンタ・ジュンチャン上の三色がかなり有力→7s8s9sが危険そう。


ポン1m1m1mチー5p6p7p→役牌暗刻、役牌バック、567三色くらいしかなさそう生きている役牌は危険そう。


などといった読みは多少打ちなれている方なら容易に想像ができるでしょう。では、具体的にこれらの危険牌がどの程度危険であるのか、ということを牌譜解析により具体的な危険度(放銃率)を調べてみます。

問題

問題1:
8sを切ってリーチできるかどうか。

問題2:
7s
を切ってリーチできるかどうか。

問題3:
7s
を切ってリーチできるかどうか。

牌譜解析方法

 今回調査対象としたのは、「その他仕掛け」の2副露手です。1副露は一般に聴牌率が低いこと、3副露出現頻度が多くない+副露のパターンの場合分けがかなり多くなることから、今回は調査を見送りました

牌譜解析方法は次の通りです。

・あるプレイヤーの切り順において、他家3人の手牌を調査対象とする。
・対象他家が2副露していて、「その他仕掛け」をしている。
・「染め模様副露」(*1、後述)ではない。
・対象他家が聴牌しているかどうかは問わない。
・巡目は6巡目~10巡目とする。
・全34種の牌に対して、対象他家の現物や同巡フリテン状態でないという条件を設けたうえで、(対象他家が聴牌でかつ、役有りの当たり牌である回数)÷(全回数)の数値(危険度)を算出する。
・字牌については、自分の手牌に1枚だけある場合のみに限定した。
・分類は、晒している牌(*2、後述)、牌種(*3、後述)、生きている役牌種類数(*4、後述)

*1
「染め模様副露」とは、次の7条件のすべてを満たすものを指す。
1・6巡目までで1副露以上している
2・6巡目までの捨て牌で染め色数牌が切られていない
3・6巡目までの捨て牌で切られている字牌が1枚以下
4・染め手が否定される仕掛け(マンズ染めのときにピンズやソーズの仕掛けが含まれるなど)が入っていない。
5・6巡目までの捨て牌で切られている2~8牌が3枚以上
6・3巡目までの捨て牌で切られている2~8牌が1枚以上
7・染め色数牌が切られた後、非染め色数牌が手出しで切られていない

「『染め模様副露』ではない。」という仮定は、明らかに一色手を狙っているような捨て牌のケースを分離したかったので、設けました。


*2
「その他仕掛け」の2副露で晒している牌について、次の42通りに場合分けする。
CC同色123・123
CC同色123・234
CC同色123・345
CC同色123・456
CC同色123・567
CC同色123・678
CC同色123・789
CC異色123・123
CC異色123・234
CC異色123・345
CC異色123・456
CC異色123・567
CC異色123・678
CC異色123・789
NCオタ・123
NCオタ・234
NCオタ・345
NCオタ・456
NC同色111・123
NC同色111・234
NC同色111・345
NC同色111・456
NC同色111・567
NC同色111・678
NC同色111・789
NC同色123・タン
NC異色111・123
NC異色111・234
NC異色111・345
NC異色111・456
NC異色111・567
NC異色111・678
NC異色111・789
NC異色123・タン
NNオタ・オタ
NNオタ・111
NNオタ・タン
NN同色111・999
NN同色111・タン
NN異色111・111
NN異色111・999
NN異色111・タン

「CC」とは2副露ともチーしている仕掛けのことを、「NC」とは2副露のうち一つがポン、もう一つがチーしている仕掛けのことを、「NN」とは2副露ともポンしている仕掛けのことを指す。
「同色」とは数牌を2つ仕掛けている場合に同じ色を仕掛けていることを、「異色」とは違う色を仕掛けていることを指す。
「オタ」とはオタ風ポンのことを、「タン」とはタンヤオ牌のポンのことを指す。

*3
牌種について34種の各牌を次の42種類に場合分けする。
色①数1
色①数2
色①数3
色①数4
色①数5
色①数6
色①数7
色①数8
色①数9
色②数1
色②数2
色②数3
色②数4
色②数5
色②数6
色②数7
色②数8
色②数9
色③数1
色③数2
色③数3
色③数4
色③数5
色③数6
色③数7
色③数8
色③数9
1見W風
2見W風
3見W風
1見場風
2見場風
3見場風
1見自風
2見自風
3見自風
1見三元
2見三元
3見三元
1見オタ風
2見オタ風
3見オタ風

「色①」とは、*2の晒している牌の場合分けにおいて、先に記述している方の色のことを指す。ただし、オタ風ポンが1つある場合は次に記述している方の色を、オタ風ポンが2つある場合はマンズを指す。例えば、

チー1p2p3pポン6s6s6s(NC異色123・タン)の場合、色①はピンズである。


「色②」とは、*2の晒している牌の場合分けにおいて、2つ目に記述している方の色のことを指す。ただし、オタ風ポンがある場合と同色数牌仕掛けの場合は色①の次の色(マンズ→ピンズ→ソーズ→マンズ)を指す。例えば、

チー1p2p3pポン6s6s6s(NC異色123・タン)の場合、色②はソーズである。


「色③」は3色のうち色①でも色②でもない色のことを指す。例えば、

チー1p2p3pポン6s6s6s(NC異色123・タン)の場合、色③はマンズである。
「数1」~「数9」数牌の数字を表す。ただし、色①が上の仕掛け(チー789やポン999)の場合は数字を反転させる
字牌については、自分から見えている枚数字牌の種類W風・場風・自風・三元・オタ風)で場合分けする。

*4
役牌が生きているとは、当該役牌が0枚見えor1枚見えor(2枚見えand自分で1枚以上手持ち)である場合を指す。
生きてる役牌種類数とは、場風、対象他家の自風(W役牌の場合は除く)、三元牌の4種類~5種類のうち生きてる役牌の個数である。

牌譜解析結果(無料ちょい見せ編)

どういう感じのデータかを無料部分でほんの一部分だけ見せておきます。

危険度(ある牌が「その他仕掛け」2副露者の役有りのアタリ牌となっている確率)のデータを、「役牌2種生き」・「CC異色123・123」・「色③」についてピックアップしました。
平たく言えば、

チー1m2m3mチー1p2p3pに対するソーズの危険度を示した表になります。
・チャンタ(ジュンチャン)と三色に危険な1s2s3sの危険度が高い。特に3sはリーチに対して無筋を切るのと同レベルに危険。
チャンタ(ジュンチャン)に危険な7s8s9sも1s2s3sほどではないが、危険度2%くらいでぼちぼちといったところ。危険度は7s>8s>9sの順
4s5s6sも多少の危険度がある役牌暗刻の両面待ちとかで当たる可能性がある。

牌譜解析結果(有料編)

以降、有料記事にて今回の危険度データを全部掲載していきます。ただ、あまりにも分量が多すぎて見るのが大変だと思ったので、「役牌n種生き」については冒頭の問題にからむ、「役牌2種生き」に限定して掲載しようと思います。晒し方42種類牌種42種については全部掲載します。

CC同色の危険度データ↓

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