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上手い話①

みなさん、こんばんは。
今宵は、どんなお話をいたしましょうか?

ずいぶん昔のことですが
ふと、思い出しました。

まだ千葉県の柏市で鑑定オフィスを設けていた時代です。
占い師一本で活動していた前にパートで勤めていた時の同僚から、連絡が入りました。

彼女もMahouがパート先を辞めた後に、離婚やら何やら色々あって、その都度励まし合いました。

実家に帰り、心機一転と、そのパート先も辞めて、新しく独立した仕事を始めていました。

とはいえ?
今でもあるのでしょうか?
なんだか?ぬいぐるみとか、アイデア商品とか?段ボールに詰めて、道端や近隣の会社のランチタイムに売り歩く仕事です。
歩合制で、売っただけ自分の収入は増えます。

元締めの会社がさまざまな商材を毎回用意しているので、顔馴染みのお客さんにも飽きることなく購入し続ける、とか?

一度、当時Mahouがよく活用していた喫茶店でコーヒーを飲んでいると、彼女が段ボールを引きながら歩いている姿を見つけたので、声をかけました。

応援のつもりで、その時に販売していたものを買いました。
ぬいぐるみ3点で1000円。
糸のほつれた、かわいくもないぬいぐるみでした。
Mahouの顔が曇ったのでしょうし、実際に彼女自身もその商品に対する感情と、事実販売が伸び悩んでいたのでしょう。
「ブサイクだけど、見てると可愛くなってくるわよ」
精一杯の言葉を残し、彼女は歩いて行きました。

すでに怪しい雰囲気が漂っていますが
今回はこの仕事の話ではありません。

3ヶ月くらい経ってからでしょうか?
彼女から連絡がありました。
「折り入って相談がある」
と、言うことで、久しぶりに会うことになりました。

Mahouは予測しました。
『やっぱり、今の仕事を辞めるって相談かな?』

久しぶりに会う彼女は、すっかり痩せていました。
毎日何万歩も歩くので、「結果的に健康になった」と、彼女は言います。

『仕事が大変なの?』とMahouから話を振ると
「あんなクズアイテム、売れるわけない。でも売れば売っただけ収入になるシステムは変わらないから、どんな商品でも私のパワーで売ってみせる」

「売ってみせる」と言う表現が未来形なので、まだ事実は追いついてないのだな、と心の中で理解しつつも、彼女の前向きな発言に耳を傾けていると

「それでね、今日の相談事、というか?お願いがあるの。」

相談ではなく、お願い。
Mahouの身体に緊張感が走ります。

こう言った『お願いごとシーン』で、あまりいい経験がありません。

「オフィスを貸して欲しいの。」

彼女はすごい目力でMahouを直視しました。

続きます。
タロットMahou


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