見出し画像

ゾンビと向き合う若々しさ

映画が好きで、年に100本は観るようになってから8年くらいになる。小さいころはひたすら、一度観て気に入った「ホームアローン」とか「トイストーリー」とかのビデオ録画なりDVDを繰り返しまくる性分だったけど、監督はだれかとか、どこの国の映画なのかとか、時代とか、俳優女優とか、物事積み重ねていくと観点が増えてきて、選びようも増えてきて、いろいろと手を出してみるようになったと思う。けど、どうも今のところ自分からは絶対手を出さない映画のジャンルがある。ゾンビ映画である。

なんだかどうもゾンビという設定に対して、滑稽というか、わらけてしまうのと、そのくせそれなりに「物陰から急に飛び出してくる」的な生理的にびっくりする要素が入っていて終始警戒しながら視聴しないといけないのとで、自分にとっての2時間を差し出す基準を満たさないみたいです。どんなに名作と言われようが話題作と言われようがあの監督が撮ったといわれようが、今のところは。誰かこの「ゾンビの食わず嫌い」を打破する映画&売り文句を僕にください。

この記事にも書いてあったけど、大半の人は30歳を過ぎると、それまで聞いてこなかった音楽のジャンルに手を出す確率がものすごく下がるという結果。ものすごくわかる。自分も、大学のバンドサークル時代はあらゆる音楽を聴いたし、ある音楽を聴いてそのルーツをさかのぼって新しい音楽を聴いたり、すべてのルーツはブルースとアフリカだ!とか言って、ツタヤの100円セールで一回にアルバム100枚くらい借りてiTunesに取り込みまくっていたというのに、最近は何しろ億劫というか、そういう「未知なる体験を引き受ける」という胆力そのものの低下を如実に感じる。あるいは、「自分が好きなもの」がだんだんと経験の総量と比例して明確になっていくのと同時に、「そうでもない」と判定を下したものも増えてくるからだろう。気持ちのいい状態まで、最短距離でたどり着く方法を覚えていくことは、悪いことぢゃない。ただ、そうなってくるとそもそもの「新しい”楽しいこと”を探す耐久力」みたいなものは衰えるよなあ。ゾンビ映画、つまんなかったらいやだなあとか、イントロでハマんなかったら聞くのやめちゃうとか、食わず嫌いが増えていって、そうやって「世界が定まっているじじい」になるのかなあとか思ったりする。

そんな風に、自分の好奇心のことを考えるまだ睦月なので、今年のToDoにやっぱり「ゾンビ映画を見る」を入れた本日。ゾンビでいまより若々しく、であります。

サポートありがとうございます! 今後の記事への要望や「こんなの書いて!」などあればコメント欄で教えていただけると幸いです!