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☆MG日記002☆

【DAY10】日に日に進む症状

朝起きてベッドメイキングしようとすると、布団が重い。ヤバイな、、、朝からこんなに辛いのは初めてだ。

重症筋無力症という病気の特徴に「日内変動」というものがある。朝は元気なのにだんだんと力が抜けてきて夕方辺りに疲労感がピークになるというものだ。でも今日は朝から辛い。昨日長旅だったから仕方ないかもしれないが、症状が進行しているとなると厄介だなぁ。

ランチも辛かった。茶碗を持つのもつらい。お箸で魚の身をほぐすのも辛い。もぐもぐ噛むのも、だんだん疲れてくる。

昨夜入浴した時に腕がだるくてシャンプーが大変だったので、床屋に行ってみた。事情を話して「ボウズで」とお願いしたが、思ったよりちゃんとしたヘアスタイルにしてくれて何だか嬉しくなった。

ともあれ、いよいよ今週から検査の日々だ。
っていうか、…診断つく前からボウズにするのは先走りすぎたかなぁ。

【DAY11】筋電図検査

いつも通りの時間に起床。

今日は体の調子が良さそうだ…と思っていたが、出勤するとやはり手指や脚の弱さに気が付く。最近の家はそもそもバリアフリーで段差が少ないし、家族も色々手伝ってくれるという意味でも楽ちんなのだろう。

さて、今日は検査の日。

筋電図検査と言う検査である。神経部分に電極をあてて電流を流し、筋肉を強制的に動かすものだ。重症筋無力症なら、強制的であっても次第に反応が弱くなっていくはず、、、というある意味分かりやすい検査ではあるが、電流を流されるのだから当然痛い。

しかも神経内科のドクター「全員」が見守る中での検査。難病=貴重な症例ということなのだろうか。まぁ、見る目が多いほうがいい診断になるだろうし歓迎ではあるが、緊張感は高まる。

検査は思いの外すぐに終わり、明日のMRIとともに結果を伝えていただけるとのこと。電流を流された部分が未だにチクチクする。

まぁ、なるようにしかならん。
寝る前にいろんな人の励ましを浴びた。ありがとう。

【DAY12】MRI検査と診察

MRI撮影をしてから診察を受ける。

結論、診断つかず。

「血液からも抗体は見つからず、電気試験からも異常はみられないので、ほかの検査をしよう」と言われた。

重症筋無力症ことMGは「自己免疫疾患」の一種。つまり体の中に自分自身に対する免疫ができることで体に不調をきたす病であり、MGの場合は血液の中に抗体ができていることが多い(←あくまで「多い」であり、そうでない場合も時折ある)。よって、血液検査の結果が陰性と聞いて周囲はホッとしたようだけど、僕はモヤッと感しか残っていない。

四肢の疲れは今まで以上に強くなっている。この日記を打鍵する手がそもそもだるくて仕方がないのだ。

…が、その一方で診断がつかないのを良いことに年末年始は飲んだくれようという決意をちゃっかりしたのも事実である。

【DAY13~DAY14】体と向き合いながら仕事

経営している学習塾の冬期講習期間がスタートした。アルバイトに任せられる部分もたくさんある反面、自分を指名して授業を受けに来ている子たちもいる。受験を控えている子たちにとってはここが正念場だ。

ホワイトボードに図を描くくらいのことはまだできる。これからは「まだできる」を探す日々になるのだろうか。

…診断がつかない宙ぶらりんな状態はなんとも苦しい。周りは「大丈夫かもしれない」と思っているが、自分は「じゃあこの症状なんやねん」という思いがずっと付きまとっている。

MGは難病に指定されているしそれだけでも十分重大な病気(と言いつつも治療すれば天寿を全うできる可能性も高いので深刻度は低いと思っている)ではあるのだが、もっと面倒な病気だったらどうしよう?みたいな弱気な気持ちも襲い掛かってくる。

…とりあえずしっかり寝ておこう。寝て困ることはなさそうだ。

【DAY15~17】持つべきものは睡眠時間と友だ

というわけで、その後数日間はめっちゃ寝た。ついでに言うと、異変があって以降、仕事のない時間帯で家にいられるときは昼間も寝ている。

年の瀬のくせにあまり仕事が多く残っていなかったこともあり、それほど疲労感を感じずにすんだ日々だった。

MGの症状には日内変動があると上述したが、しっかり休息をとるとその変動自体も穏やかにすることができるらしい。

それだけじゃない。
病の疑惑を告白してから、いろいろな人に声援をもらったことも力になっている。

振り返ると、2020年は色々あった年だ。世界中でコロナ禍が広がり、生活様式は一変した。僕自身にしてもそうだ。

2016年に独立してから、良きにつけ悪しきにつけ「人とのつながり」の大事さを思い知ることが多かった。自分がどん底に陥るときは、たいてい人間関係がおざなりだった時だ。それでも自分には「拾う神」がいてくれて、そのおかげで生き延びることができた。

ましてや、今回はあくまで病気のせいでのブレーキ。落ち込んだ自分を落ち込んだ分以上に立ち直らせてくれたのは、たくさんの人たちの声援に他ならない。

皆、ありがとう。

【DAY18~21】年越し。自覚症状か気のせいか

2020年が終わり、2021年が始まった。コロナ禍ということもあり、穏やかな年越し。

未だ診断がつかず、何をしたらいいか分からない状態ではあるが、シャンプーや歯磨きで腕を挙げる作業だけでしんどいし、朝起きれば体のどこかが筋肉痛になっているし、自分が「通常」から離れた場所にいることを思い知らされる。

長い人生、色々あるのは分かっている。今年は思い切ってゆっくりすることを選択すべき時なのだろう。そうと決まれば気は楽になる。肝心の「続きの検査」はコロナの影響で来週以降に持ち越し。今のうちにだらだらしておこうと思う。

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