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手のひらから伝わる愛

東京に引っ越してから、はじめて担当してもらった美容師のMさん。
2年経った今でも、ずっと彼女にお願いしています。

技術がまちがいないことや、話していて楽しいのももちろんあるけれど、なにより彼女を信頼しているのは、最初に担当してもらったときに感じた「手のひらから伝わる愛」でした。

夫の転勤で、北海道の旭川から東京に引っ越してきた当初のこと。

私は北海道の大自然が恋しくてホームシックになっていました。

今でこそ都会の生活にも人混みにも慣れましたが。引っ越したばかりの頃は、得意の繊細気質が爆発して、それはそれはしんどかったのです。

そんなときに行った美容室。

最初にあれこれカウンセリングしてもらっているとき、Mさんが私の両肩にやさしく手を置いてくださったんですよね。

そのとき彼女の手のひらからじんわり伝わってきた愛とやさしさに、なんだかウルッときてしまって。

そのとき、私のトゲトゲ逆立って固くなっていた心が、一瞬でふにゃんと柔らかくなったのです。

「目は口ほどに物を言う」と言いますが、手のひらも同じかも、とそのとき思いました。

どれだけ言葉で取り繕っても、目や手のひらから伝わるものは嘘をつけない。
だから、私は本能的にMさんのことを信頼できると感じたのだと思います。

手のひらで「触れる」ことは、非言語コミュニケーション。
言葉だけでは伝えられないエネルギーを伝えることができます。

昔から「お手当て」という言葉があるように、手のひらからは「氣」が出ていると言われます。

どこか痛みのある場所に「手」を当ててあげると、それだけで痛みがやわらいだりしますよね。

それだけ手のひらから伝わるパワーはすごいのです。

私が美容や整体などで信頼しておまかせできる人は、やはりその人の手のひらから、

「愛」「思いやり」「敬意」

が伝わってくる人です。

先日、歯医者に定期検診とクリーニングをしに行ったのですが…

そのとき担当してくれた歯科衛生士さん。
言葉はとても丁寧なのだけど、リクライニングチェアの倒し方や機材のあつかい方、歯のクリーニングの仕方が、ちょっと乱暴で…(笑)

手のひらから、物や人に対する愛が伝わってこなかったのですよね。

やっぱりいくら表面上の言葉だけを取り繕っても、相手には本質が透けて見えてしまうものなのだと感じました。

現代人は感覚が鈍くなっている人が多いとはいえ、感覚を研ぎすませている人はちゃんと気づきます。

私は、こうしてnoteで「言葉」で思いを伝えているので、直接だれかの肌に触れることはありませんが…
言葉にも「愛」のエネルギーをのせて届けることを意識して書いています。

表面的に耳ざわりの良い言葉をならべても、どれだけ上手な文章を書いたとしても、相手の心に響かないということを知っているからです。

画面の向こう側にいる「あなた」のことを思いながら、指先からタイピングして入力する言葉にどれだけ愛をこめるか、どれだけ本音をのせて響かせられるか…

それこそが何より大切だと思うのです。

言葉にエネルギーをこめて「言霊」として発することで、はじめて相手の心に響く文章になるのだと私は信じています。







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