文フリ札幌

第四回文学フリマ札幌

 札幌の出店はこれで3度目。自宅からテレビ塔までわっせわっせと冊子の在庫を背負って会場入り。2階となっているけど、テレビ塔の2階は実質5階なので階段で行っちゃダメゼッタイ。

 今回ブースは端っこだった。「なんかやりやすそう!良かった」と思っていたけど、これが後でとんでもない事態になる。

 まあそれを語るのはあとにして、地元のイベントだもんでスタート時に設営が終わっていない体たらくぶり。30分ほど遅れてようやっとできあがった。

 冊子見本のディスプレイに使っているのは、しまや出版さんのダンダン段ボールNEO。遠征時はこれより幅の小さなミニを持って行っているけど、今回初めて大きいのを会場に持ち込んだ。軽いし組み立ても楽だしおすすめ。

 無料配布は旅のエッセイ。POPの文字が震えているのはご愛嬌。新刊は今回もなし。そんな中でも知人や同じフロアにいる出店者の方々、もちろん一般の来場者の方にもたくさんお立ち寄りいただいて感無量。

 札幌の会場は東京や岩手に比べるとかなりコンパクトなので、いったんブースに落ち着いちゃうと席を外したりしにくい。わたしは端だったからまだよかったけど、中程の方は苦労したんじゃないかな。壁際のブースの方は横からも出られなくて机を大きくずらして出てたもんね。会場はもうテレビ塔では限界が来ているのでは?

 ただ、狭いということには(狭いって言っちゃったよ)メリットもあって、お客さんとの距離が近いこと。もちろん導線が狭いから、混雑しているときにはお客さんも歩き回るにはちょっと苦労するけど、出店者としては冊子を手に取ってもらいやすいし、コミュニケーションも取りやすい。わたしが初めて文フリ東京へ行ったときは、会場が広くて通路もブースの前後ももちろん広くて。そうなると来場者の方が遠くてどうにも切なかったのよね。

 そうか、思えば札幌3回、東京2回、それとこないだの岩手、合わせて6回文フリに参加したことになるんだねわたしは。最初の頃はさあ、しつこいほどに「いらっしゃいませー!」とか呼び込みしちゃって、お客さん、近寄りがたかったんじゃないかなあ。今はもう声かけも「こんにちはー」程度に抑えてるし「どうぞ手に取ってご覧ください」的なこともめったに言わない。お客さんが変なプレッシャーを感じずに済むようにスマホポチポチしたり、POPの作成に精を出してみたりしてるもんね(構わなすぎ!)。

 その「無関心接客」が功を奏したのか、今回初めてのアレが来た!

 完売! しかも2タイトル!

 もともと在庫の薄かったタイトルだけど、それでも全部なくなったことは嬉しかった。「バーバー八番地」に関しては、売り物が全部なくなったあとに「欲しいものリスト」を持っておつかいにきてくれた方がいて、売り切れです、と言うのがさすがにしのびなく、見本で出していたものをお渡ししたという「完売の向こう側」まで体験できた。出ていた冊子全タイトルを「ください!」と言ってくださった方もいたし、本当に嬉しかった。

 文学小物として出している「へんてこしおり」も好評でよく出た。買ってくださった方はみなさん「もったいなくて使えない」とおっしゃるのだけど、しおりは本に挟まれるために生まれてきたのでどうぞ使ってやってください。

 さて、さっきちょっと触れた「端っこで困ったこと」なんだけど、それは、出店者で作り上げるリレー小説に関すること。強制参加じゃないからムズカシイと思ったら書かずに隣の方に渡せばいいんだけど、わたしは今回アンカー(全体のアンカーじゃなくて、いくつかのグループの中にそれぞれいるアンカーのうちひとり)。書かずに渡せる隣がもう存在しないのよ…。もちろんアンカーだから結末を書かないといけない。逃げられないの。結局適当に書いたけど繋がりも完成度もめちゃくちゃ。書いてる最中はお客さんに目を配ることができなかったので、悪い印象を与えていないかも心配。

 そんなわけで、落ち込んだりもしたんだけど今回の文フリは楽しかった。回を重ねると、だんだんどの作品が喜ばれているかもわかるし、それが今後の創作に力を与えてくれると思う。

 次は東京。新作をなんとしても持って行きたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?