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【旅行記】バルセロナ2 ユーロとキャッシュレス

 コペンハーゲンからバルセロナまで、フライト時間は約3時間だった。窓からは、先っちょが黄色い翼が見えた。スペイン系キャリアであるこの航空会社のテーマカラーだ。しばらくは青空に映える黄をながめていたが、そのうち飽きてうとうとしてしまった。
 バルセロナの空港から市街までは、バスが出ていた。自動券売機はカードしか使えなくて、難儀している観光客をちらほら見かけた。案内役がいて、現金の人はバスの乗車場で直接買えると誘導していた。スウェーデンでは現金を使う機会が滅多にないので、私は初めてのスペインで、現金をどれくらい持つべきなのか見当がつかなかった。去年の秋に授業でアムステルダムに行った時、クラスの大半が現金をほんの僅かか、まったく持っていない状態でビールを飲みに行った。そしたら使えるカード会社が限られていて、半分くらいの面子がその場で代金を支払えず、友人に肩代わりしてもらうという珍事があった。スウェーデンで暮らし始めて現金を持ち歩く習慣がすっかり無くなっていた上に、クレジットカードが使えないという場面を想像していなかったのだ。アムステルダムではカードはマエストロカードとマスターカードだけ、という店をちらほら見た。
 今回は、とりあえず冬休みにフィンランド旅行に行った時に余ったユーロを持ってきた。フィンランドでも現金はほぼいらないと思っていたけれど、日本から来た友人と食事代を分けたりするのに使った余りだ。2,3回食事に行けるくらいの額だろうか。万が一レストランでカードが使えなくても大丈夫だろう。馴染みが無いから、紙幣やコインの種類をあとで確認しないといけない。
 市街行きのバスは、いくつかの主要駅の前に停まった。たぶん主要駅かスポットだったのだろうと思う。大きな像や広場がある場所に停まっていた。予約したホステルの最寄りまでは行かなかったけれど、徒歩20分程度までバスで近づくことができた。
 降りた場所は、Plaça de Catalunya(カタルーニャ広場)というところだった。地図で見ると、バルセロナの市街は道が碁盤目状に走っていて、目指すホステルは一本北側の道を直進すれば良さそうだった。この広場で別のバスに乗り換えられるようだが、そのバス停がぱっと見どこかよく分からない。人も多い。
 バルセロナは、想像よりもずっと都会だった。観光客は多いし、道幅が広くて車が多い。歩道も広いが、車道も自転車道も広い。建物もなかなかの高さだ。いわゆる10階建て、30m越えくらいだろうか。いま住んでいる街が5階程度までの建物ばかりなので、10階前後の建築物を見ると驚くようになってしまった。
 人ごみをさ迷うのは気が向かなかったので、広場発のバス停はやめて、分かりやすそうな次のバス停に行くことにした。角を一つ曲がっただけの場所なのに、そのバス停までは徒歩5分だとグーグルマップは示した。一つの区画が大きいことが分かる。
 H&Mとユニクロが対角に向かい合った大きな交差点を右に曲がると、道路の真ん中にバス停と地下鉄への入り口を見つけた。中央分離帯代わりの中州が、公共交通のハブになっているらしい。空港からのバスチケットがここでも有効か分からなかったので、2.2ユーロのシングルチケットを買って、ホステルまで3駅だけバスに乗った。

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