MAIKO

1994年生まれの25才。 自由奔放な性格。 新卒で入社した大手企業を1年半で卒業し、…

MAIKO

1994年生まれの25才。 自由奔放な性格。 新卒で入社した大手企業を1年半で卒業し、沖縄の離島に移住中。

最近の記事

【エッセイ】First Love or Ex-BoyFriend.

1. 「この人がいなかったら私はずっと、今の自分を肯定できずにいただろう。」 当時の私はコンプレックスという衣を何重にもまとっていた。その衣をまとうことは、まともに歩くことはもちろん、立っていることだけでも精一杯な生きづらさを私に課していた。そういった生きづらさに光をさしてくれたのが彼の存在だった。 「口にするのも虚しい。」そう思う私の鎧の1つ1つ、一枚一枚について、ポツリポツリと語り始めたのは、その頃だったと思う。まるで、「こんな私でも、あなたは好きになってくれますか?

    • かぜと、くもと、たいようと

      暖かい南の島にも、冬の気配が訪れつつあります。 果てしなく続く海とその海岸線から少し離れたところに、コンクリートの高台の上で寝そべっている人がいます。 どうやら、なにか考え事をしているようです。 太陽が大好きなその人は、尋ねてみました。 「風さん 風さん、あなたはどうしてそんなに強く吹き付けるのですか? 太陽さんはこんなに温かく、私たちを包み込んでくれるのに。」 すると風さん、こう答えます。 「まずは雲さんに聞いてみてください。」 そこでその人、雲さんに尋ねます

      • 【エッセイ】 洗車

        1. 「男の人って、なんであんなに洗車が好きなんだろう」 車に大した関心のないわたしは、ずっと不思議で仕方がなかった。世の中のだいたいの女性は、みんなそう思っているのではないかな。 (今回は、洗車についての話なので、車派じゃない人はご容赦を。) 幼い頃、わたしの父は大の車好きだったせいもあり、週末は毎週のようにワクワクした気持ちで洗車へ行っていた。それを見送る母と幼き頃のわたしは、 「車を洗うことの楽しみってなんなんだろう?」と二人して頭を傾けていた。 2.

        • 万引き家族

          カンヌ国際映画祭受賞作。家族の在り方を考えさせられる一冊です。前に、イギリス人のエッセイで、法律で道徳は裁けないみたいな要旨の話しを読んだけど、この書き下ろしでは、そこの曖昧で微妙な部分を上手く描写しているように感じた。 そして、映画も観に行きました!書き下ろしも良かったけど、映画は100倍良かったです。監督が描こうと思っている世界観やここ注目してほしい・耳を傾けてほしいっていう部分が映画ではより伝わってきて、より伝えたい部分が染みてきてよかった。 #万びき家族 #映画

        【エッセイ】First Love or Ex-BoyFriend.

          フェルナント・フォン・シーラッハ 「犯罪」

          著者のシーラッハは、ドイツ人弁護士。彼が今までに経験してきたこと、想像上のこと、を物語として読者と共有している。「犯罪」は、ショートストーリーの短編集だけれど、タイトルから想像するような、単なる推理小説とは異なっている。それぞれの事件の背景にあったものとか、もっと人間的な部分とか、その深みを考えさせてくれるような一冊。 痛快ものから感動ものまで、それぞれの事件を通して様々な感情の旅をさせてもらった。その中でも、「エチオピアの男」というタイトルの物語は私の心を捉えて今も離さな

          フェルナント・フォン・シーラッハ 「犯罪」