小島舞子:本とサービス開拓好きなSaaS社長

オンラインでの販促支援DXツールChatBook代表取締役。2022年7月にマネックス…

小島舞子:本とサービス開拓好きなSaaS社長

オンラインでの販促支援DXツールChatBook代表取締役。2022年7月にマネックスにグループイン。10年以上新規サービスの企画立ち上げに関わる。8カ国からの従業員がフルタイムリモートで在籍。リクルート5ヶ月在籍。

最近の記事

  • 固定された記事

20代連続起業家の20代最後の振り返りとスタートアップ10年目のリアル

はじめまして、法人営業自動化を行っているチャットブックの小島です。平成元年生まれ、来週の山の日で30歳になりますので、20から始めた起業生活について振り返ろうと思います。 1回目の起業2010年友人と早稲田大学在学中に起業。ベンチャーが今ほど活発でない当時、何とか生き残って6年間在籍していました。 COO兼CTOで事業とサービスを見ながら、プログラミングしつつエンジニアのディレクションをしました。映画「ソーシャルネットワーク」みたいに皆で知恵を集めて作ることに憧れてました

    • 読書感想文:国際政治「女たちのベラルーシ」

      ベラルーシと聞いて、地理や特徴を思い浮かべる日本人はどのくらいいるだろうか。 ヨーロッパ諸国でもベラルーシは「ヨーロッパの空白地帯」と呼ばれており存在感の薄さは否めない。しかし、2020年コロナ禍、ベラルーシ首都ミンスクで世界を揺るがす独裁政権に対する抗議活動が起きた。 その抗議活動の経緯と発端と波及をまとめたのが本著だ。 今年一番面白かった本(約100冊中の一番)。ぜひ手にとって読んでほしい。 ヨーロッパ最後の独裁国家 今でこそ独裁者として有名なルカシェンコは、199

      • 読書感想文:経済「なぜ女性の賃金に格差があるのか」

        今年のノーベル経済学賞は、巨大市場にも関わらず無視されてきた分野がやっとスポットを浴びました。2023年ノーベル経済学賞を受賞したゴールディン氏の著作を紹介します。 結論から言うと、今年のトップ3に入る面白い本です。 女性が財産権も参政権も持てず二流国民として見做されていた時代から、現代では様々な職種で女性が登場し、職場での男女平等がようやく見えてきた世界になりました。 ちなみに、人権が白人男性にしかなかった歴史学はこちら。 それでも、収入の差は変わらず存在します。国

        • 読書レビュー:医療「名医が教える男性妊活の最強辞典」

          男性向けの不妊治療の本です。 そもそも不妊とは? まずは不妊の定義から。 よく知られていることですが、不妊の5割は男性側にも原因があることが分かっています。不妊治療をする際に、女性だけが婦人科に通院するのでなく、男性自身もクリニックで検査し不妊に対して「予防」しておく必要があります。 3人に1人が根拠はないが自分の精子は問題ないと思っている にもかかわらず、本著によると精液検査をしたことある人が13%のみ。 精液検査未実施理由の第一位は、「自分に問題があると思わない

        • 固定された記事

        20代連続起業家の20代最後の振り返りとスタートアップ10年目のリアル

          読書感想文:自己啓発「DIE WITH ZERO」

          2020年のベストセラー、今更読んでみました。 「ゼロで死ね」とは? 結論から言うと、 ということです。著者の言葉を借りると以下。 事実、老後のための貯蓄はほとんど使われずに終わると言われています。 70代になっても、人々はまだ未来のためにお金を貯めているのです。 高齢者は医療費を考えて貯蓄する傾向にありますが、世帯全体の支出は医療費を含めても年齢とともに減少します。 つまり、人々は自分の資産を取り崩すのが遅く、現役時代に「老後のために貯蓄する」と言っていても、い

          読書感想文:自己啓発「DIE WITH ZERO」

          読書レビュー:脳「脳がどんどん強くなる!すごい地球の歩き方」

          地球の歩き方シリーズの変化球版。認知症の経緯が詳細に解説されている。 旅行で頭が活性化する(だから旅行に行こう!)という旅行業界の宣伝ですが、脳については日々研究のアップデートが行われている中、最新情報を得られたのでまとめます。 冒頭の脳科学以降は、地球の歩き方らしく海外旅行に行こう!という内容と、現地での楽しみ方に終始していました。 大脳辺縁系と大脳新皮質 冒頭からは、脳をざっくりと分類しています。 それぞれの脳が依存症でどう変化するか気になる方は、こちらもどうぞ。

          読書レビュー:脳「脳がどんどん強くなる!すごい地球の歩き方」

          読書レビュー:社会学「男性中心企業の終焉」

          ジェンダーギャップ指数のランキングが、年々下がっていく日本。働く女性が面する差別を、最新の情報で解析していくイチオシの本です。 コロナによって拡大した家事育児時間格差 日本では、性別役割分業が長年課題視されていました。 1990年代に共働き家庭の方が多くなっても、女性は家事育児仕事をしていた現状があり、その背景として男性の長時間労働が挙げられています。 一方、私の学生時代の友人は、ほとんどが結婚後もフルタイムで仕事を継続しています。残業が多い業界・職種の友人もいる中、

          読書レビュー:社会学「男性中心企業の終焉」

          読書レビュー:文化「知っておきたい!ベトナムごはんの常識」

          繊細で今風なイラストと軽快な文章でパラパラと読み進める、ベトナムごはんについてです。意外と歴史と文化の発見もあり、少しだけ紹介します。 食の歴史 ベトナムの食文化は歴史の遺産そのものです。 バイン・ミーの登場 ベトナムのパンであるバイン・ミーが広まったのもフランス植民地下です。パンのない生活ができないフランス人。小麦粉は輸入にお金がかかったので、小麦粉と米粉を混ぜたパンを作りました。 こうして、表面はフランスパンよりも薄くパリパリで、中身はよりフラフラで軽い、高温多

          読書レビュー:文化「知っておきたい!ベトナムごはんの常識」

          読書レビュー:経済「これからの時代を生きるあなたへ」

          上野先生による今年の本。NHKによる著名人を呼ぶ一度きりの講義記録です。 第三者評価基準 残念なことに家事育児介護は、現在でも家庭内の女性に一方的に課される労働です。ただ、昔はケア労働は労働と見做されず、入籍した嫁は義父母のケアや親戚児童のケアが当然のように課されていました。 ドラマ「逃げ恥」を覚えている方もいるでしょう。 主人公のみくりに依頼していた家事代行の支払いが困難になった平匡は、みくりに結婚しよう(=家事の給料を支払わなくて良い)という「解決策」を提案し、みく

          読書レビュー:経済「これからの時代を生きるあなたへ」

          読書レビュー:新書「ソーシャルジャスティス」

          米国医師として活躍する著者が国内を診るという本。世界の価値観に合っていて、日頃から海外ニュースに慣れている方は読みやすいでしょう。 脳科学や過去の論文を活用しながら、国内のソーシャルメディアで炎上してしまう理由をまず冒頭では解き明かしています。 Gaslighting(ガスライティング) 困りごとを投稿した妊婦さんや被害を受けたSNS投稿に、被害者自身が悪いのではないかと投稿している人を見かけることはよくありませんか。性犯罪の被害者に、当日の服装や態度など(性加害者は服

          読書レビュー:新書「ソーシャルジャスティス」

          <ネタバレ注意>読書レビュー&考察:市川沙央氏「ハンチバック」

          第169回芥川賞受賞作品である本著。健常者が持つ特権性への指摘が刺さりますが、テーマ性が他にもあると感じたのでレビューします。 ネタバレ含まれます いきなりネタバレ含みます。 『ハンチバック』を読んでから、本Noteを読んでください。 あらすじ まずざっくりとしたあらすじから。 ネタバレ含みます。 いいですね? ↓↓ 「私」は、親が遺してくれたグループホームに暮らす身体障害者である井沢釈華。井沢の背骨は極度に湾曲し、自分の足で歩くことはできない。零細Twitterアカ

          <ネタバレ注意>読書レビュー&考察:市川沙央氏「ハンチバック」

          読書レビュー:歴史「明治を生きた男装の女医」

          日本が西欧に追いつこうと奮闘していた明治時代に、怒涛の人生を歩んだ医師がいます。 当時の女性は参政権も財産権もなく、女に職業は向かないとされ、家族の「資産」として扱われていました。そんな中、自らの強い意思で門を叩き道を切り開いた高橋瑞氏についての歴史です。 後年東京女子医科大学を創設した吉岡彌生氏も、高橋氏については以下述べています。 男装の女医とも呼ばれた、高橋瑞氏の物語です。 誤りだらけのお産 明治時代初頭は、西洋医療が普及しておらず、衛生管理も杜撰でした。当時お

          読書レビュー:歴史「明治を生きた男装の女医」

          読書レビュー:社会学「選択的シングルの時代」

          体感的にシングル(独身)が増えてきているような感覚を、世界中の統計から明文化したイスラエル出身の著者。発行は2016年ですが、国内では2023年6月末刊行。 世界中で存在感を増しているシングル そもそも、シングルの定義とは何でしょうか?著者は以下のように定義します。 ※特定のパートナーと同居している人たち=共同生活(同棲)は含まれない。シングルの人口10%を占める。 中でも1)が占める割合が高く、世界的に見てもいかにシングルが増えているかは分かります。 先進国では想

          読書レビュー:社会学「選択的シングルの時代」

          チャットボット事業者から見たChatGPTと注目技術

          Twitterのタイムラインで毎日見かけるChatGPT。 ChatBook社では、昨年からGPT-3というOpenAIが出しているライブラリを利用して様々な機能を開発しています。 GPT-3とChatGPTの違い GPT-3とChatGPTは発端は同じですが、別々の成果物です。 前回のバージョンGPT-2に含まれた単語は15億件でしたが、GPT-3では4100億件の単語という大幅アップデートを行いました。 その最強のGPT-3をさらに改良した進化版言語モデルがCh

          チャットボット事業者から見たChatGPTと注目技術

          読書レビュー:化学「すっぴん肌が好きになる肌トラブル大全」

          美容本で人体について生物的な事実とともに勉強するなら、この本がおすすめです。 皮膚の構造 まずは皮膚のおさらいから。(美容本でここからスタートするなんて面白い)皮膚は表面から以下の組織で成り立っています。 化粧品でケアできるのは、表皮の角層のみということ。実質0.02ミリの厚さで食品ラップと同じぐらいですが、角層こそが肌の機能にとても重要な役割を担っています。 最大の臓器と呼ばれる皮膚の役割とは、以下にあります。 バリア機能は特に重要で、この機能が低下すると肌トラブ

          読書レビュー:化学「すっぴん肌が好きになる肌トラブル大全」

          読書レビュー:商業「ダンボール2.0」

          カテゴライズに悩んだ本です。ダンボールの小ネタと、著者が代表を務める会社の制作物を紹介しています。 発祥はシルクハットの内側の素材 身近にありすぎるダンボール。発祥は1856年のイギリスで、当時は紳士がかぶるシルクハットの内側の素材として重宝されました。その後アメリカでガラス製品を梱包する緩衝材として使われる経緯をへて、現在のダンボール箱が製造されたようです。 20世紀の物流改革はこの本がおすすめです。 トラス構造 ダンボールの断面は、トラス構造になっています。

          読書レビュー:商業「ダンボール2.0」