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20代連続起業家の20代最後の振り返りとスタートアップ10年目のリアル

はじめまして、法人営業自動化を行っているチャットブックの小島です。平成元年生まれ、来週の山の日で30歳になりますので、20から始めた起業生活について振り返ろうと思います。

1回目の起業

2010年友人と早稲田大学在学中に起業。ベンチャーが今ほど活発でない当時、何とか生き残って6年間在籍していました。

COO兼CTOで事業とサービスを見ながら、プログラミングしつつエンジニアのディレクションをしました。映画「ソーシャルネットワーク」みたいに皆で知恵を集めて作ることに憧れてましたが、自分で企画&デザインしたワイヤーを自分でプログラムするという味気なさ満開の実働してました。当時スタートアップは不人気で採用はどこも困ってたので、仕方ないと思いますが。

その他、SeriesAの資金調達時は、事業計画書や資料を作るCFOを担当しました。その時に合わせて仕事が変わるCOOの典型です。

なぜ起業したか?

帰国子女だった海外での苦い経験から、外交官になって日本を発信したいと思っていました。

大学入学後知ったFacebookのユーザー数が国のように見え、社長マーク・ザッカーバーグの発信力に圧倒され、20代でも世界を変えられることに夢を感じ友人と起業しました。

トライ&エラーな6年間

ノウハウなく起業した当初は、ホームパーティーで出会った社長と新規サービス企画を協同するはずが実働は全部こっちという案件にされたり、リリースしたサービスにユーザーが1人もつかなくて唯一買ってくれたのは私の母だけだったり、営業を任せた学生中心のメンバーがトンズラしたりと色々ありました。

売上を伸ばせなかったので最初の3年は無給。オフィス住まいのため365日仕事。オフィスに行かなかった日は実家に帰る大晦日ぐらいで、元旦も初売り帰りにオフィス寄って仕事してました。

その中で特に夢中になったことは、SNS・写真・動画・チャットと様々なウェブ・アプリの企画開発。100以上アイディアを考え、うち30をプロトタイプで作り、20弱ほどリリースして死んだサービスがあります。

当時は国内外のメディアで掲載されたサービスのチェックはもちろん、アプリの新着ランキング全てを毎日ダウンロードして使い倒す日々を送っていました。1日50アプリはザラなので、アプリ容量が半端なかった。

その中で一つのアプリが初月ノンプロモーションで10万ダウンロードされ、初のランクイン入り。しかもイスラエルのAppleStoreなぜだ。そして次は台湾、日本、ヨーロッパのユーザーが増え、怒涛のランキングのジェットコースターを経験。バグでレビューが荒れる時もありましたが、ユーザーニーズに使いやすい機能で答えて世界中で500万ダウンロードを超えました

この時の365日6年間起きてから寝るまでやり続けた経験が、今のプロダクト設計に役にたっています。

なぜやめたか?

6年も一緒に仕事してましたが、共同創業者と元々経営やビジョンの方向性が異なっており、自分の組織を作りたいと考えていました。投資家の方々には、小島さんがいるから安心して投資すると言ってくださった方もおり、申し訳ない思いで退職を決意します。

そして、数百万のサービスでなく、数千万人が使うサービスを経験したいと思いリクルートに転職しました。

5ヶ月間の社会人経験@リクルート

はい、5ヶ月しかおりませんでした、リクルート。数千万のプラットフォーム活用の部署にウェブディレクターとして配属され、職場環境や働く人はとてもよかったです。ただ、数字を見てサービスを変えてユーザーに届けるにはほど遠く、やはり自分でやりたいという思いが強くすぐ起業しました。

転職エージェントさんごめんなさい。もっと長くいる予定でしたよ。

2回目の起業

リクルート在籍時に思ったのが、こんなに大きな会社でもユーザー獲得に苦労しているということ

スタートアップ時代は常にユーザー獲得に困っていて、アプリをダウンロードしてもらうためにアルフォートを原宿の竹下通りで配る(インストール単価88円!)などしていましたが、大中小様々な会社での共通した課題であると感じ、当時技術的に開放されたMessengerAPIを使ってチャットでユーザー獲得を思いつきサービスを作りました。

セールスの伸びしろに気がつきピボット

チャットでユーザー獲得しようというアイディアを法人営業していくと、B2B営業の非効率さと難しさにぶち当たりました。

そこで自分が営業しながら、再現性のある作業やコミュニケーションをサービスに落とし込み、実際にサービス経由で受注できたことから確信を得て、セールスノウハウが詰まっている「ChatBook」を売ろうと決意。海外ではセールスとオートメーションが話題になってきた直後で、日本ではまだまだ「インサイドセールス」という言葉が通じる会社は少なかったです。

サービス2年目の今

とはいってもSaaS恒例のPMF(Product Market Fit)にやや時間がかかり、かつ市場環境もだいぶよく変わったので今はリリース2年目にして徐々にSaaS企業や人材企業を始めとする企業に導入いただいております。

顧客獲得できないとどんな企業も死ぬ

ChatBookはほとんどのメンバーが起業経験ありです。皆、顧客を見つけられずに倒産しています(CTOは米国500Startupsから6億以上調達して社員も100名近くいながら閉じました)。

エンジニア始めメンバー全員がお客さん獲得をすることの大事さを痛感しているので、私達は真面目にお客さん視点です。自分たちのサービスがあった時にChatBookみたいなのが欲しかった、というメンバーもいるほど。

この分野のコミュニケーションをもっと簡単にし、世界中のたくさんの人に広まって欲しいと思って日々開発をしています。

好奇心=楽しさ

起業経験あるメンバーが多いと話すと、仕事バリバリの人しか採用しないのって聞かれますが、そんなことないです。相手の視点にたてるかが重要で、メンバーは割と他人のことを考えられる優しい人をとってます。フィールドセールスがカスタマーサクセスのことまで考えて顧客が気に入りそうな機能をメモしてあげるとか、相手のことを考えて先回りして何かしてあげる人が多い印象。

そういう人たちと仕事していると気がついたことがあります。

彼らは、自分ができることが増えることを楽しんでいます

なんと、弊社エンジニアはインサイドセールスをします自主的に。インサイドセールスが忙しそうな時とか特に。

普通の感覚で営業がエンジニアできないですからとってもびっくりしてますが、彼はなかなか上手なんです。私のやり方を真似してるとか言ってますが、普通開発しててインサイドセールスのやり方覚えないよね?

「開発忙しくない?セールスして大丈夫?」と聞いてみると、サービスと顧客のことを知れることで新しい発見があって楽しいのだそうです。

他にも、オペレーションで入ったのにアポ獲得多発のインサイドセールスができたり、Pythonエンジニアがフロントエンドエンジニアになったり(あまり大きな違いに感じませんが、エンジニアからすると大きいんです)。

自分の強みを持ちながら、今回のセールスもそうですが気になったことがあれば上手な人を見つけてやってみて学んでみる。そんな人に集まってほしいと思っています。

これから:「世界を自動化して人々に楽しさと自由を」

私達のビジョンは「世界を自動化して人々に楽しさと自由を」です。人と会って話を聞いたり、気になる仕事を深堀りしたり、自分に投資する楽しい時間が欲しい。仕事している世界中の誰もが思うことだと思います。だから私達はまずは大事だけど面倒な業務を自動化し、日々のコミュニケーションをもっと楽にします。

もしお互い尊重し学び合う姿勢を持つ人達に話を聞いてみたいと思いましたら、広く募集しておりますのでお気軽にどうぞ!

エンジニアの方はこちら

https://angel.co/company/chatbook/jobs/

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